見出し画像

002:読書は余白を教えてくれて、本選びは芋掘りに似ている。

昔から本を読むことが好きでした。
もちろん、小学校はずっと図書委員。
休みの日は何もなければ図書館に入り浸り、毎日10冊本を借りて、校長先生が「すごくたくさんの小説を出している作家さんだよ」と教えてくれた赤川次郎作品ばかり読んでいた。

大人になってからも、自分を成長させたい時、煮詰まっている感覚がある時、必ず行くのは本屋さん。
読みたい本があって本屋に行く方が少し稀で、フラフラと本棚の間を歩き回り、気になった本を3〜4冊買ってくる。その日のうちに読み切ってしまうもの、途中で積読になってしまうもの、選んだ本の行く末は結構まちまちなんだけれど、時間をおくと読み切るところまで行ったりもするから、本に対してはお財布大解放!みたいなことになることが多い。

本がくれる経験と、考える余地

本のいいところは、自分で考える余白を残しておいてくれるところだと思う。
もちろん種類によっては、こうすべきだ、こうするといい、という著者の意見が強く書かれているものもある。でも、それはまたそれとして、と本を閉じてから自分でわいた疑問も、考えも整理できるからいいなと思う。

SNSでよく見かける、ちょっとした疑問がコメントによって批判的な香りを纏っていくことも、そこに集まる共感がどんどん大きな塊になって香りが濃くなることもない。「バズ」なんて起きてる日にはすごい勢いで共感と反感が集まってくるから、外から見ているだけなのに、ついていけないスピード感で大きな塊になってしまう。もちろんそういう投稿ばかりじゃないのは前提として、だからこそたまに目につくとびっくりしてしまうのだ。うっかり手を出したら、火傷するかも!って思うくらい、めちゃくちゃ高速回転しているように見えて、わたしは怖い。

そのスピード感がいいところでもあり、見るタイミング次第では疲労を感じてしまうのかもしれない。もちろん、その共感が集まる感じは優しいことが多いし、似たものが好きな人たちで情報交換できるので、新しい発見があったりして、また違った良さと心地よさを感じることも多いのだけど。

本は1対1で向き合って対話したり、時には横並びで追体験ができるのが好き。

たとえば、わたしが繰り返し読む本に、マザーハウスというブランドを立ち上げた山口絵理子さんの本があるんだけれど、わたしが経験したこともない苦難を、「わたしはこうしたいんだ!」って気持ちを灯りにして、泣きながらでも進んでいく様子が伝わってくる。一人でやり切りました、じゃなくて信念を持って進んでいたら、理解してくれる仲間が増えて、支えられてここまできました、っていうのもとっても心強くなる。

読みながら、わたしも一緒に賄賂を要求されて怒ったり、信じていた人の行動に裏切られた気持ちになったり、一緒に泣いたり、喜んだり。
もちろん、文字から伝わる情報をわたしはただ脳内補完して、わかった気になっているだけなのは理解しているし、実際はわたしの想像できる範囲なんか軽々超えているんだろうと思う。

それでも、普通に生活しているだけでは体験できない感情が本の中にはあるし、
それを乗り越えられた女性が、確実に存在してこの本を書いたんだ、っていうことが勇気をくれたりする。

母に勧められたことがきっかけで読み始めたガネーシャシリーズは、どちらかというと1対1に近い。

ガネーシャの生徒役に当たる主人公は毎回違うんだけれど、生徒に「わたしとおんなじ!」って共感できる部分があるから、ガネーシャに教えられているのはわたしかも、なんて錯覚さえしちゃうくらいだ。

これは余談なんだけれど、母はガネーシャの関西弁具合と、ビールうまー!なところがどうにもツボにハマったらしく、こんな神様いいわよねーってガネーシャの小さな置物を雑貨店で見つけてうちに持ってきた。(実家にもある)インドの方には口が裂けても言えない購入理由である。

本は閉じた後に自分で考える余白を感じられるから、ゆっくりしたいときにあっているな、と思う。

本探しは芋掘りに似ている…気がする。

本を読んで、面白かった!ためになった!って思うと、同じ著者の方の本を探す。
もっとこのジャンルの本を読みたい、って思った時は、同じジャンルの本を探す。

いろんな本の選び方があると思うのだけれど、わたしの本選びはどこから線が繋がっている、芋掘りスタイル。
一つこれ、と思ったものを引いてみて、そこにたくさんお芋さんがなっているかどうかを確認するような感じ。

小説はミステリーが好きでそこばかり読んでいるけれど、伊坂幸太郎作品に当たった時は当時文庫化されていたものを全部読み切るまで「伊坂祭り」をしたり。

今はこうやって文章を書くことに挑戦しているので、伝わりやすい文章の書き方だったり、またはその文章で伝えたいこと(わたしの場合は「自分を軸に心地よく暮らしたら、もっと楽になりませんかね?」っていう提案)をまずは自分で体験してみたいから、暮らしにまつわる本、時間の使い方なんかの暮らしの中で改善したいことについての本が多い。

紙でもデジタルでも読むので、Amazonのおすすめに出てきた本を実際に本屋さんに見に行ったりもするし、本屋さんで見かけた気になった本をKindleで買ったりもする。

OURHOMEのemiさんの本は昨日の001でもふれたのだけれど、読み始めたところで、他の本も読んでみたいな、ともう思っていたりする。
本を選ぶとどんどん繋がって、その先にヒントになることがあるかも、って思える楽しさがあるなあって思う。

本屋さんの後のコーヒーショップ、っていうのもいいよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?