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リリスクと私

ライブと飲み会だけ参加するような、ほとんど幽霊部員な私を、嫌な顔せず、迎え入れてくれる緩い音楽系のサークルに所属していた。
1つ上の先輩ではなく、2つ上の先輩とばかり仲が良かった。
2つ上の先輩たちの中で、音楽プレイヤーの中に互いのオススメの音楽ギュッとさせた、プレイリストデータを入れるっていう波が来ていて、私もデータ欲しいなあと漏らせば、その代でも一番気軽に話せる先輩が、ほらとデータをくれた。そこに入っていた音楽は大体知っていたもので、ふんふんとカーソル回す中で見慣れない文字列にぶち当たる。
それが「lyrical school」との出会いだった。



初めて聴いた曲が何だったか覚えていないけど、早々に刺さった曲が「PARADE」だったことは覚えてる。
この曲好き、となるのにもレイヤーがあり、そこに別の要素が関わったり関わってこなかったりする。
ざっくり分ければ、歌詞はよく分からないけど音が好き/音はあんまりだけど歌詞が好き/音も歌詞も好き のレイヤーに、
別の要素としてインパクト大なのが、「その曲を聴いていた時期に思い入れのある想い出がついてくるかどうか」で、
音も歌詞も好きで想い出がある曲、だからといって他レイヤーの曲よりも好き、というものでもないのが、好きの直感の繊細なところだなと思う。


「PARADE」は、一節の歌詞が引っかかり全ての歌詞が刺さるというわけではなかったけど、そこを除けば歌詞も恋に可愛く、音の素っぽさも気取ってなくて素直で好きな曲だった。
そこからyoutubeやらを色々漁っていくうちにリリスクへの気持ちがどんどん育つ。



大学4年。
就活は、かなり歳上の大人たちにあまり関心のない話を熱心なフリして話すのが辛いと感じる一方で、他校の人とお話しできる機会がグッと増えたのは楽しかった。
コミュニティ外の、知らない人と話すのはいつだって楽しい。人と話すことや新しく人と出会うことは好きで、自分のことを話すのも知らない相手の話を聞くのも好きで、だから就活で人と会うことは全く億劫じゃなかった。(ですので、みんな、気軽にお喋りしましょう)
熱心なフリして嘘ついて、身を置く場所を決めることがとにかく苦痛だった時、支えてくれた音楽はPerfumeの「Dream fighter」と、リリスクの「brand new day」だった。
Perfumeの「Dream fighter」は言わずもがなの名曲 静かに決意を固められる曲『最高を求めて終わりのない旅をするのは きっと僕らが生きている証拠だから』‥ 今回は割愛、リリスク「brand new day」は、これまた私的ファイターソングとして名曲、歯を食いしばり涙し挫けそうなときでもチャーミングさを失うことなくGOしていくその精神性に共感を抱く、と共に辛い時に視界が霞み何か自分の中の大切な精神性を見失いそうになる時いつでも色鮮やかに思い出させてくれる。



「brand new day」がGO最中を歌う歌 リアルタイムのGOへエールを送る歌としたら、GOを迷う場面にすこし俯瞰した後押しファイターソングとして君臨したのが「OK!」だった。

迷いって停滞じゃなくてもう既に戦ってますからね。パワーが、外に出力されてるか  内に反射しながら放出されてるかの話だと思ってます。
辛い時 迷ってる時 いや、本当は早々に決めてるくせに、決行を渋っている時、リリスクが私にいつも問いかける、
『365×5のマーチ 一番盛り上がるのはどのパーティ?』




夏が大好きになったのも、リリスクのアシスト&ブーストがあったのかもしれない。
社会人になっても序盤に登場した先輩たちとはまあまあな頻度でつるんでいて、夏、じっとりしたあの季節、最高な空気が漂えば、私が「夏は?」とフリをする。すると「あ あ あ…アイスクリームは〜」と歌が始まる。仲良しのマイメンらでコールアンドレスポンスして始まるウチらの「そりゃ夏だ!」はとびきり楽しくって夏って最高じゃん!と上機嫌で腕を組む。



リリスクは夏の歌がかなり多くて、そしてどれもいい。トロピカルな音というよりかは、夏の軽快さ、快活さ、仲間とワァとアクティブにさ、海行こう言って好きな音楽かけてドライブ、車内ではしゃぎすぎたから海に着く頃には疲れちゃってるね、なんて音が多い。

『忘れられない出会いはスローモーション』
スローモーションに感じた出会いは3つ、これからも増えていくと思います。





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ここまでリリスクを私の短めの軌跡になぞらえながら話したのも、一瞬アンニュイな表情になったニュースがあったから。

リリスク現体制が2022年7月24日に開催されるライブ「lyrical school tour 2022 “L.S.”」ツアーファイナルを以って、終了する、というニュース。
メンバー5人中4人が卒業することが発表された。

残った1人のメンバーも、

「正直言うと、この文章を書いている今もまだ少し迷っているけれど、私は続けてみようと思います。」___公式HPより

のように話している。

迷いの末に存続の答えを出したメンバーが、これからこの先も望む活動が出来る様に心から思う。もちろん卒業メンバーも皆好きな人生をやって欲しい。

残るメンバーは言葉を続けていて、

「リリスクがいるから頑張れると言ってくれたあなたが、リリスクの存在が救いだと言ってくれたあなたが、これからも続く毎日をどうか落ち込まずに過ごせますように。」___公式HPより

感謝の気持ちでいっぱいになった。祈りは愛で、受け取った愛であたたかくなった私も小さく祈り返す。こんなにも長く聴き続けている しかも熱量このままに、な音楽はそう多くない。

人生の節目を支えてくれた、またこんなにも日常に溶け込んだ音楽は、たとえグループが解散しても色褪せず残り続けるとは思う。ただ、グループが生き続け音楽が新たに生まれるということは、リアルタイムで音楽と共に人生を進んでいけるようで嬉しく思う。

(新メンバー募集?もうわたし、リリスクになりたい。私も歌いたい。ほんとはずっと歌いたい。)

ヤオン、行きます。泣いちゃうと思う。

『ちょうどいいサイズの永遠』の完走まで私はいちファンとして、これからもずっと追い続けると思います。


ありがとうlyrical school。






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