笑えば切れ長の二重がヘニッと折れ、だけど歯は見せずに口角が上がる、優しそうな見た目の人だった。 でも私の彼への第一印象は優しそうな人ではなく、なんだか不思議な雰囲気の人だなあ、だった。 エイヒレをつまみながら彼は、低めの身長に昔は悩んでたけど今でこそ個性と思え、気に入ってる、僕より小柄な君は新鮮だなぁ、と言った。 新鮮だ、とポジにもネガにも属さない丁度いい表現をするところがいいと思い、彼のことを好きになった。 古着と音楽が好きな彼は、同じく古着と音楽が好きな私を、高円寺の
ライブと飲み会だけ参加するような、ほとんど幽霊部員な私を、嫌な顔せず、迎え入れてくれる緩い音楽系のサークルに所属していた。 1つ上の先輩ではなく、2つ上の先輩とばかり仲が良かった。 2つ上の先輩たちの中で、音楽プレイヤーの中に互いのオススメの音楽ギュッとさせた、プレイリストデータを入れるっていう波が来ていて、私もデータ欲しいなあと漏らせば、その代でも一番気軽に話せる先輩が、ほらとデータをくれた。そこに入っていた音楽は大体知っていたもので、ふんふんとカーソル回す中で見慣れない文