私がとあるボーイズグループの沼に落ちるまで(3)
前回まではこちら
8.投票、はじめました
「私がとあるボーイズグループの沼に落ちるまで(1)」にも書いたように、このProduce 101 Japan(通称:日プ/プデュ)というオーディション番組は視聴者による投票で上位11人がデビューできるというシステムなので、私もただの一視聴者ではあるけれど「デビューにふさわしい人とは」「私が見たいボーイズグループとは」「アイドル/アーティストとは」などと一丁前に考えたりもしていました。
…というのも、以前にも書いたようにこの時点での投票は必ず11票(11人)入れなければいけないのです。
(この先オーディションが進んでいくにつれ、練習生の数は絞られ投票数も減っていきます)
この子に投票したいと思った練習生がいてもその練習生だけに票を投じることはできないし、かと言っていきなり応援したい人を11人見つけるのも難しく自分なりに判断基準を見つけようと試みたのでした。
スキル、ビジュアル、アイドルとしての愛嬌や愛され力のようなもの?、個性、協調性、人間性、華やかさ、カリスマ性、国際感覚、思考が時代に則しているか、11人で見たときのバランス……
いろいろ考えましたが、今でも答えは出ていないしよく分かってもいません。いや、まったく分かりません。
きっと人それぞれ求めるものも違いますよね。
散々考えた挙げ句、結局は「好きだという本能の部分で決めるしかない」という結論に至ったわけですが、そんなこんなでポジションバトルですっかり本田康祐という人の魅力にハマり、応援したいと思うようになり投票をはじめた私。
このあと、101人いた練習生は60人に絞られチームバトル、その後さらに35人に絞られコンセプトバトルとオーディションは進んでいきます。
ここもいろいろと触れたい話はあるけど細かく書きだすと永遠にこのシリーズが終わらない大長編になりかねないので、一旦この辺のエピソードは割愛します。
9.オーディション最終回
本田くんは当初の101人の練習生から20人まで絞られたファイナリストに残っていました。
GYAO!で配信され続けていたオーディションは地上波TBSで19時から2時間の生放送という大きな舞台に場所を移し最終回を迎えます。
幕張メッセの巨大な会場の客席にはたくさんのファンとファイナリストには残れなかったがここまでともにオーディションを戦ってきた練習生、ファイナリストのご家族たちで埋め尽くされていました。
私は自宅で緊張しながらその放送を見ていました。
テレビを見ながらこんなにも緊張することもそうそうないと思います。
終始ずっと泣きそうな気持ちで祈るように見ていました。
デビュー組のグループ名が「JO1」となることが発表され、10人ずつの2組に分けたグループでそれぞれ違う楽曲をパフォーマンスし、最後の投票を待ち、そしてついにデビューできる上位11名の名前が呼ばれます。
センターステージに緊張の面持ちで立つ20人のファイナリスト。
名前を呼ばれた「デビュー組」は他の練習生に祝福されながら、ファンからの大きな歓声を受けながら、花道を歩きまぶしいほどに輝くメインステージへと渡っていきました。
一方でセンターステージ側にはデビュー組に入れないことをすでに察して泣きはじめる練習生、表情を変えず凛と立っている練習生、名前を呼ばれたデビュー組を祝福しながら送り出す練習生。
残念ながら、私の1番の“推し”である本田くんもデビュー組には入れず、名前を呼ばれぬまま最後までセンターステージに残されていました。
彼は涙を流してはいませんでした。
そういうわけで、私の“推し”はこの日を境に一般人へと戻っていきました。
9.オーディション後の長い日々
オーディションが終わって本田くんはインスタやインスタライブなどで時々様子を伝えてくれることはありましたが、今後どうするかについては具体的には語られず“一般人のファン”になってしまった私たちは毎日どうにかまた彼が芸能活動をしてくれるようにと祈るような気持ちでいました。
また、推しをデビューさせられなかった私は反省の日々でもありました。
もっと早くに見つけてあげて投票していればとか(票数は途中で幾度かリセットをされるので最終順位は票数の積算ではないのですが、まあそれは置いといて)、周りにもっと投票をお願いしていれば、もっと布教してファンを増やしていれば。
もっとやれることがあったのではないか、そうすれば彼はデビューできていたのではないか、彼の運命は変わっていたのではないか……すでに出てしまった結果にたらればを言っても仕方ないのですが、なんせ自分たちの投票数がそのまま推しのデビューできる、できないに繋がるので推しをデビューさせられなかった国プ(こくぷ/国民プロデューサーの略。投票していた視聴者=私たちのことです)の多くたちは否が応でもそんなことを考えてしまっていたのではないかと思います。
本田くんの場合はオーディションの前から芸能活動していたこともあり、芸能活動は続ける旨のメッセージは出してくれていたので、その点で多少は安心感というか今後二度と会えないということは多分きっとおそらくないだろう……とは思うことができましたが、どういう形で活動していくのかはまったく分からずやはり不安な毎日でした。
同じ元練習生と会っている様子を見ては「新グループ結成かもしれない!」と勝手に沸き立ち、そうではなさそうと分かって落ち込み、SNSの過去の投稿が消されると「所属事務所が決まって消すように言われたのかもしれない!」と推理をはじめ、何かどこかで動き(らしきもの)があるたびに「もしかしてデビューの準備かもしれない!」と「違ったみたい…」を繰り返す日々。
あまりに私たちがあらゆる出来事に無限の想像力を巡らせ、勝手に一喜一憂しては騒いでしまうので、しまいには本田くんに「ごめんよ」「気長に待っててください」と言わせてしまう始末。
本田くんにとってはこの時期「言えないこと」の方が圧倒的なはずの中、勝手に大騒ぎしては困らせて大変申し訳ございませんでしたという感じですが、デビュー組に入れなかった推したちが今後どうなるか分からないあの永遠にも思える待つだけの時間というのは今思い返してもなんとも言えない気持ちになります。
10.推しグル爆誕
そんな日々を過ごしていたオーディション最終回からちょうど4ヶ月が経った2020年4月11日、本田くんの25歳のお誕生日でもあるその日、本田くんより吉本興業への所属と、オーディション時代に一緒だった練習生とともにグループが結成されることが発表されたのでした。
なんで吉本興業!?と思われた方に説明をすると、本田くんたちが受けたオーディション番組「Produce 101 Japan」の主催者のひとつが吉本興業だったからです。
そのご縁で同じオーディションの練習生だった中川勝就くん、浦野秀太くん、佐野文哉くんとともに吉本興業に所属しグループを結成することが決まったそうなのです。
実はこの結成の裏には、本田くんがアルバイトをしながら日プのプロデューサーだった方を訪ねて吉本興業に通い、デビューできるよう交渉し続け、またメンバーも自分で声をかけて集めていたというエピソードがあるのですが、当時の私たちはそこまで詳細なことは知りませんでした。
このあと約1ヶ月後に「OWV」(オウブ)というグループ名が発表され、9月にメジャーデビューすることが発表され、FCが開設され…と一見順調のようにも見えますが、実際はコロナ禍真っ只中に生まれたグループゆえ、苦労も耐えなかったようです。
(その辺の話は割愛しますが、もしご興味があればこちらも読んでくださると嬉しいです。)
(4)へつづく↓
【宣伝】
2023年のOWV春ツアー「CASINO」が決まっています。
現在(2023年1/11まで)はFC会員のチケット申し込み期間中ですが、その後FC2次のあとに一般もありますので、ご興味を持ってくださったらぜひライブを観てください!
【公演名概要】
OWV LIVE TOUR 2023 -CASINO-
3月11日 (土) 【福島】けんしん郡山文化センター・大ホール
[第1部]開場14:30/開演15:30
[第2部]開場18:00/開演19:00
3月19日 (日) 【大阪】NHK大阪ホール
[第1部]開場14:30/開演15:30
[第2部]開場18:00/開演19:00
3月21日 (火・祝) 【福岡】福岡国際会議場
[第1部]開場14:30/開演15:30
[第2部]開場18:00/開演19:00
4月1日 (土) 【東京】NHKホール
開場17:00/開演18:00
【チケット料金】
[福島・大阪・福岡]公演:全席指定 7,000円(税込)
[東京]公演:全席指定 7,500円(税込)
※東京公演のみ金額が異なりますので予めご了承ください。
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