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私に力をくれるもの

三連休の最終日は夫とふたりで阿蘇・小国へ。夫のもうひとつの職場が小国町にあるので便乗させてもらって、夫が仕事をしている間ひとりでドライブしてきました。

まずは町の鎮守、両神社へご挨拶。

そこから1分ほど歩いて、ケヤキ水源へ。

町の中心部に位置するケヤキ水源には、水神様がお祀りされています。写真では見えづらいけど、ポコポコと池の底から水が湧き出ている。

どれだけ暑い日でも、ここに来るとスーッと涼しい風が吹いてきて、末っ子が小さい頃は川辺の浅いところで水遊びさせながら、私はケヤキの木の下で涼んでいました。大きなケヤキの枝にすっぽりと抱っこされている感じ。

この町で過ごしたのは10年間ほどだったけれど、良い時期ばかりではなく、辛い時期のほうが長かったかもしれない。移住してきたので親戚もいなければ、馴染みの友だちもいない、仕事もしていない、しかも子どもたちは保育園に行かないし、学校に行かないし。そんな状況のなかで、私は得体のしれない孤独感の中にいました。

いろいろともがいたけど、全然うまくいかなくて。今、思えば、手を差し伸べてくれる人や心を寄せてくれている人はたくさんいたのに、私の目にはそう映らなくて「友だちの顔して、ほんとうは違うくせに」とか「寄り添っているフリだけで、ほんとうはみんな敵なんだだ」とか。そんな勢いで、人と関わっていたのだと思います。

当時はまっとうなことをやっているつもりでいたけれど、とにかく私は自分を守りたい一心だったんだなあと、こうやって振り返ってみると思います。それだけ怖かったし辛かったし弱かった。そして何よりも、どうしたらいいかがわからなくて不安だった。(今もそう変わってない気もするけど)


だけど、この町に来てよかったこともたくさんあって、どこを見ても自然だらけの豊かな環境の中に身を置くことができたことは、何にも代え難い経験でした。居間のカーテンを開けたら、田んぼと杉林が広がっていて、視界の中に民家は1軒もない。車を5分も走らせれば、温泉がたくさんある。夜が暗いから、星空もくっきり見える。

岳の湯・地獄谷温泉 裕花
小国町には入れ替え式の家族風呂、貸切風呂がたくさんあります

旬のものをあちこちからいただくから、初めのうちは使いきれずに無駄にしたことも多かったけれど、おかげでその季節ならではの食材を使い切る知恵、保存食に仕立てる知恵を身につけることができました。

当時はコンビニはなく、いまだにファストフード店もファミレスもないけれど、だからこそ工夫して食を楽しめたんだなあと思います。

辛かった時期に私に力を与え続けてくれていた豊かな自然。だからちょっぴり元気がなくなったとき、前に進む力が欲しくなったとき、ここに戻りたくなるのです。

魂のふるさとで命の洗濯。


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