【栄養学】ハーブとスパイスの健康効果
インフルエンザやコロナの感染が心配なこの時期に!
皆さんは何種類のハーブとスパイスの名前を思い浮かべることができますか? オレガノ、タイム、パセリ、セージ、ローズマリー、ディル、バジル、ミント、コリアンダー、ターメリックなど…
他にもありますか?
ハーブとは、ほとんどが草本植物(木にならない植物)の葉で、一方スパイスとは、芳香族の植物の種子、花、樹皮、根から作られます。
ハーブとスパイスは料理と薬用の両方で何世紀にもわたって使用されてきました。料理や飲み物に使って、風味や色、香りを楽しむだけでなく、様々な慢性疾患から体を守る効果があり、研究者たちはハーブやスパイスを治療薬として使うことを検討しています。
なぜ様々な慢性疾患に役立つのかというと、ほとんどのハーブやスパイスは、他の食べ物より多くの抗酸化物質*を持っていて、体を酸化ストレスから守るからです。
体の酸化は活性酸素が過剰になることで起こり、細胞のDNAを傷つけ、がんをはじめ多くの慢性疾患の要因になることが知られています。
ハーブやスパイスに含まれる豊富な抗酸化物質が活性酸素を無毒化し、多くの慢性疾患に対して有効だと考えられます。
*抗は「さからう、抵抗する」という意味で、抗酸化物質とは酸化を抑制する物質のこと。また、抗酸化作用とは酸化を抑制する働きのこと。
さらに多くのハーブやスパイスは強力な抗菌や抗ウイルスの特性を持っています。
近年、感染予防のための抗菌剤や抗ウイルス剤への関心が高まっていますが、抗菌剤は多くの副作用を引き起こす可能性があります。特にフリーラジカルなどの活性酸素を増加させることが研究で示されています。
ハーブやスパイスの強力な抗菌、抗ウイルス作用は、抗生物質や化学抗菌剤に代わる感染症の治療薬として期待されています。
今回は、『Antioxidants(Basel)』という学術雑誌で2020年に発表されたレビュー論文と、『Journal of ADAC International』という科学ジャーナルで発表された二つのレビュー論文をはじめ複数の研究より、ハーブやスパイスの科学に裏打ちされた情報をお伝えします。
インフルエンザやコロナ感染が心配なこの時期に、特に抗菌や抗ウイルス作用の高いハーブやスパイスの特性と、特にお薦めのハーブとスパイス、風邪やインフルエンザに罹った時のハーブやスパイス、さらに使い方などについて見ていきましょう。
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