【栄養学】Q&A シュウ酸について
今回はプラントベース栄養アドバイザーコースのテキストの中で、ご質問が多かった「シュウ酸」についてお答えします。
シュウ酸は植物の中に自然に存在し、容易にカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルと結合する特性があります。
一般的にはシュウ酸の摂取量が多すぎると尿中のシュウ酸濃度が高くなり、腎臓結石などのトラブルが起こる可能性があると考えられています。
特にほうれん草はシュウ酸の含有量が多く、そのほうれん草の中に含まれるカルシウムと結合して、体内でカルシウムが利用できなくなる、あるいは腎臓に代表的な結石である「シュウ酸カルシウム結石」を形成するとして問題にされることがよくあります。
では、シュウ酸を多く含む植物は食べない方がよいのでしょうか?
まずはご質問の内容から見ていきましょう。
Q. ほうれん草などが生の状態の時はシュウ酸がオーガニック(有機)の状態にあるので問題ないと聞いていますが、いかがでしょうか?
A. 確かにご質問のとおり、ジュースダイエットのパイオニアであるノーマン・ウオーカー博士(1886~1985 年)は、自著『Fresh Vegetable and Fruit Juices』の中で、シュウ酸は生の状態の時はオーガニック(有機)の状態にあり、カルシウムの吸収を妨げることはないが、加熱されるとシュウ酸がイン・オーガニック(無機)の状態になり栄養素を破壊する、あるいは腎臓に結晶(増えると結石が形成される)を形成すると述べています。
しかし、近年の研究では、むしろ加熱する(茹でる)とほうれん草のシュウ酸が 60%ほど減少することが判明しています。
では、ローフードコミュニティ内では、生の状態のシュウ酸はカルシウムの吸収を妨げることはなく、加熱するとカルシウムと結合して結晶を形成すると考えているのでしょうか?
プラントベースのローフードを推奨する、カリン・ダイナ博士 と リ ッ ク ・ ダ イ ナ 博 士 の 著 書 『 Raw Food Nutrition Handbook』の中から見ていきましょう。
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