【栄養学】甲状腺の機能低下は流行病?
機能を高めて元気になりましょう!
なぜか女性に多い甲状腺のトラブル。皆さんの周りでもお困りの方はいらっしゃいませんか?
甲状腺機能低下症は、世界中の多くの女性の間でよく起こる症状で、潜在性の甲状腺機能低下症の有病率は10%にも上ると報告されています。日本では高齢女性の15%、高齢男性の10%に生じるそうです。
甲状腺のトラブルは遺伝的要素があることが分かっていますが、現代の環境が及ぼすほうがずっと大きいと考えられています。
私たちは予防や改善することも可能だということです。
今回は、女性の間でほぼ流行病となっている甲状腺の機能低下を、改善へ向けて多方面から探っていきます。
甲状腺機能低下症にはどんな症状がありますか?
疲労倦怠感、体重増加あるいは減少、寒がりになる、コレステロール値の上昇、うつ状態、不眠症、物忘れがひどくなる、むくみ、かすれ声、便秘などさまざまありますが、首が腫れていたり、違和感があったりする場合もあります。
これらの症状のほとんどが他の疾患でも見られる症状なので、甲状腺のトラブルを見過ごしてしまうかもしれません。
まず、甲状腺機能低下症の実態を知りましょう!
病院で検査を受けると、ほとんどの医師たちは検査結果を見て「甲状腺ホルモンが足りませんから薬を飲んでください」としか言わないでしょう。患者側は詳しいことは何も知らないまま、ただ医師の言う通りにするだけでいいのでしょうか?
まず、自身の体の中で何が起こっているのかをきちんと知って、私たちができる最善の対処法をさがしましょう。
甲状腺は首の前方で、のどぼとけのすぐ下にある臓器です。
甲状腺機能低下症はその名の通り、甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンが十分に分泌できなくなる症状です。そのほとんどが、橋本病(慢性甲状腺炎)が根底にあると考えられています。
橋本病は体が自身の甲状腺を攻撃する自己免疫疾患で、初期のうちは甲状腺機能が正常で甲状腺ホルモンも正常に作られていますが、進行するとホルモンを十分に作れなくなり、血中のホルモン値が下がり甲状腺機能低下症と診断されます。
診断は、血液検査で甲状腺刺激ホルモン(TSH)と甲状腺ホルモン(T3とT4)、甲状腺自己抗体(抗Tg抗体、抗TPO抗体)を測定します。またエコー検査も行われる場合もあります。
甲状腺抗体TgかTPOのどちらか一つでも陽性であれば、橋本病と診断されますが、陽性でなくても橋本病である可能性はあるようです。
甲状腺機能低下症ではTSH値が高く、T3、T4の値が低くなりますが、T3とT4は正常でTSHだけが高い場合もあります。この場合は無症候性甲状腺機能低下症(潜在的な機能低下症)と呼ばれますが、治療は甲状腺機能低下症と同じように行われます。
投薬は一般的にはT4(レボチロキシン;チラージン)が処方されます。
T3は活性型の甲状腺ホルモンですが、体内でT4からT3に変換されます。体内にT4が増えると、体は十分にT4があることを察知して、甲状腺刺激ホルモンの値を下げるのです。
医師はTSHが下がると、適切な治療が行われたと判断します。
それでも、まだ気分は良くならなかったらどうでしょう?
T4からT3に変換されていなかったらどうでしょう?
根本的な原因を取り除かないと、投薬量がどんどん増えていく可能性もあるのです。
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