フィールドアシスタント|ネイティブ編集部

NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。ここではそのテキスト版をお届けします。

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    NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンはnative note版です。

最近の記事

ラジオネイティブでつかんだことと、これから

今井 いよいよ村上さん今回で記念すべき100回目ですね 村上 そうですね、いよいよ迎えたなと思いますけど、僕はこのポッドキャストってものは初めてなんですけど、ラジオ番組は以前パーソナリティーとして3年ちょっと持たせていただいたことがあるので、こういうふうに話すのは違和感はなかったですけど、今井さんは初めての経験ですよね。 今井 はい、トークは不慣れで、それは100回やっても「変わらなかったこと」ですね・・・ 村上 変わらなかったですか(笑)。逆に変わったところというか、

    • 訪問者でも住民でもない、間の人たちの声

      19人の、支える人たち2021年3月から毎週続けてきたラジオネイティブがいよいよ100回をむかえようとしています。これまでに出ていただいたゲストは19人。特徴は、さまざまな地域やフィールドで活躍されていながら、その地域・フィールドの生活者ではなく、かつ、一時的にやってきた訪問者でもない。その間に立って、誰かと誰かをつなぐような、舞台裏で活躍する人たちだったと思います。多くのヒントから何を受け取ることができたのか、今の思いを2回にわたり、フィールドアシスタントの村上祐資と、この

      • コミュニティーの無名性と、身の丈の規模感

        不在の人も含めた街今井 前回からここ3回のシリーズの振り返りをしています。前回は、地域に根付いて暮らしていくにあたって、まず個が必要だという話と、暮らしていくためには仲間にあたるコミュニティーが必要という話にもなりました。このコミュニティーという言葉について、村上さんはどういうイメージを持っていますか。 村上 一般的にいえばコミュニティーっていうと、そこには社会、ソサエティーみたいな意味も裏にあるような気がしています。それなりの人数がいながらコミュニケーションをしているよう

        • 限界集落で生まれる新たなコミュニティーの可能性

          土地の魅力を置き換えながら残していく今井 3回前からのゲストを振り返ると、石川県加賀市の大土町という人口1人という町に関わる映像作家の木村紀之さんにご登場いただきました。その後、ガラリと場所は変わって北海道白老町で彫刻家をされる国松希根太さんですね。1980年代から始まった飛生アートコミュニティーというところを拠点に制作活動されている方でした。同じ場所で、今、アートを中心としたコミュニティー作りをしている木野哲也さんに前回までお話を伺ったという流れでした。 村上 このお三方

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          コミュニティーづくりで探る「共生の方法」

          なぜ人って歌を歌うんだろう今井 今回も北海道で文化芸術プロジェクト作りに関わる木野哲也さんにお話を伺います。今の木野さんのお仕事「アートディレクション」というのでしょうか、この仕事にどういうふうに行き着いたんでしょうか? 木野 さかのぼると、高校生ぐらいかもしれないですね。「こういうことやるぞ」って思ったわけじゃないんですけど、アートというか、文化事業だったり文化活動を仕掛けることが今は多いですけど、元々プレーヤーだったんですね。例えばパンクバンドをやってたり、ヒップホップ

          コミュニティーづくりで探る「共生の方法」

          「アート×地域資源」で始まる新しい1ページ

          森から町へ「降りていく」今井 今回も北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんにお話を伺います。これまでのお話の中で、飛生には本当にいろんな人たちがいろんな地域から集まってくるという話を伺ったんですけれども、飛生アートコミュニティーの活動が地元にはどう広がっているんでしょうか? 木野 きっと「飛生の活動をものすごく知ってます」っていう方はそんなに多い気はしてないです。でもこれまでにやってきたことが、メディアに載ったり、ずいぶん飛生に人が行ってるなとかという印象は

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          ここで積み重ねてきた時間そのものが作品

          物事をつくるプロセスを知る今井 北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんにお話を伺っています。前回は北海道白老町の飛生にある芸術家のための共同アトリエの横で、森づくりをされているお話を伺ったんですけれども、木野さん自身はこの森に関わるようになって何か変化って感じていますか。 木野 そうですね。僕自身、これが変わったかなって思うのは、一つあげるとしたら飛生に出会うまでも、いわゆる文化芸術に関わったり立ち上げたり、仕掛けたりすることを札幌市内とか北海道でやってきた

          ここで積み重ねてきた時間そのものが作品

          アート拠点で森づくりをする意味

          放置された学校森に人を呼んだ今井 北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんをにお話を伺います。実は前回まで出ていただいた国松希根太さんとは飛生で一緒に活動されてると伺っています。 村上 実は前回出ていただいた国松さんと、今回出ていただく木野さんとは飛生アートコミュニティーで実際にお会いして、お話をさせてもらって、お酒もたくさん飲ませていただきました。アートコミュニティーっていういろんな人が集う場所が飛生を拠点にあって、代表は前回出ていただいた国松さんですけど、

          アート拠点で森づくりをする意味

          出会った景色から広がる心の風景

          写真のように写し取ることはしない今井 国松さんは今、どんな作品を制作中、あるいは展示中でしょうか? 国松 制作拠点にしている場所から見える風景みたいなもの、それが作品のヒントになっているというのがあって、主には水平線とか地平線ですとか、山でいうと稜線みたいな、ちょっと境界線になるような場所に引かれる部分があり、水平線や地平線を題材にしたHORIZONという平面作品のシリーズが一つあります。  あと立体彫刻だと、GLACIER MOUNTAINっていう、氷河の山っていうような

          出会った景色から広がる心の風景

          人や風景に出会い、変化していった制作プロセス

          子どものころのように夢中に 今井 今回も北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺いたいと思います。これまで白老町の話をいろいろ伺ってきたんですけれども、国松さんの作品が生まれるまでにはどういうプロセスを経るのでしょうか。 国松 僕は主に彫刻ですとか、木の板を題材にしてそこに描く平面作品を作っています。プロセスというと、素材があったり、イメージがあると思うんですけど、それを形づくっていって、最後完成する流れなんですけども、昔はちゃんとスケッチをし、模型を作

          人や風景に出会い、変化していった制作プロセス

          時間をかけて近づいていった飛生という地域

          この土地との出会い 今井 北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺っています。 今活動されている白老の飛生という地区に、最初出合われたのはどういうきっかけだったんですか。 国松 元々「飛生小学校」という学校だった場所が1986年3月に閉校することになったんですけど、その時に跡地利用について白老町の方でどういう活用方法があるかっていうところで、数名の芸術家に開放して共同アトリエとして使ってはどうかっていう話があって、その時に僕の父も彫刻家なんですけども、僕

          時間をかけて近づいていった飛生という地域

          北海道の森に残る小学校をアトリエに

          四季を感じながら制作する時間今井 今回から、北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺います。 村上 今日は自宅のある札幌から多分ご出演いただいてると思うんですけれども、国松さんは元小学校だったところをアトリエにしています。そこは周辺の森も含めていろんなアート作品が森の中にあるような場所です。僕も先月訪れさせていただいて、いろんなお話をさせていただいたんですけど、その場所というのは、国松さんの世代の前からいろんな方がアトリエとして使っていたのが今、オープン

          北海道の森に残る小学校をアトリエに

          ドイツでの経験から、加賀での挑戦へ

          デュッセルドルフのアート拠点 今井 この番組は暮らしをつなぎ続けるためのヒントについてお話を聞いていますが、ここまで3回お話を伺って、大土町はまさに暮らしをつなぎ続けるのが難しくなってると思います。暮らしをつなぎ続けるってどうしたらいいんだろう、ネイティブとはなんだろうと、本当に考えさせられました。 木村さんは加賀に来る前はドイツにいらっしゃったと伺ったんですが、ドイツのどちらで、どういうことをされてきたんでしょうか。 木村 デュッセルドルフっていうドイツの西側の街に住んで

          ドイツでの経験から、加賀での挑戦へ

          住む・住まない。限界集落とのかかわりのカタチ

          町の中での立ち位置を探る今井 これまで映像をアーカイブする活動を続けられているということですけど、木村さんは今後、どのようにこの町と関わっていこうという気持ちですか? 木村 そうですね。限界集落とか、人がいなくなっていく場所に対して、自分がそれを救いたいみたいな立場ではないところに今来たなっていう感じなんですね。それよりも自分にとっては秘密基地みたいな状態なのかもしれないと思っています。僕は大土町の魅力の一つとして、直径が200メートルぐらいの中に、水が山の上から流れてきて

          住む・住まない。限界集落とのかかわりのカタチ

          町に残る古い映像をアーカイブして残す活動

          映像を通して見える町の暮らしと過ごし方今井 石川県加賀市の大土町は、山の中に囲まれた元炭焼きの町だったということで、まるで日本昔話に出てくるようなイメージを僕は思い浮かべているんですが、木村さんは今、この町の様子をアーカイブする市の事業をされていると聞きました。具体的にどういう活動をされているんでしょうか? 木村 市からの委託事業として受けているものとしては加賀市全体の範囲にわたるんですけれども、そもそもその委託前の段階で僕が自発的にやっていた活動がありまして、それを引き継

          町に残る古い映像をアーカイブして残す活動

          森の中に残る、人口1人の町に出会って

          森の中に残る丸い村村上 今回から石川県加賀市の木村悟之(のりゆき)さんにご登場いただきます。映像作家として活動されています。今、加賀だけではなく、いろんな場所で人口が減っていったりとか、伝統が途切れるみたいなことが起きていますが、木村さんや木村さんの周りにいる人の方々は、映像を通して、僕の雰囲気で言うとなんとなく風通しをよくして、木村さんたちの存在みたいなところから、いろんな人たちによって文化がうねりを作ってまた息を吹き返すみたいな、そういう活動されてるように僕には見えるんで

          森の中に残る、人口1人の町に出会って