国際結婚(1)私たちが結婚記念日を忘れる理由
毎年、結婚記念日を忘れてしまう私たち夫婦。
結婚8年記念の今年も例外なく忘れてしまい、私はもう友達とランチの約束をしてしまっていたので当日は何もせず、その翌週にレストランを予約しました。
ネットで予約を取ったので、念の為、きちんと空いているか当日に電話したら「今月は準備の為に空いていません、予約できたんですか?おかしいな、システムの方をチェックしておきます」とがっかりしながら電話を切って、よくよく予約完了メールを確認したら翌月に予約してました 笑
なんでそんなに結婚記念日に執着していないか、という話をしたいと思います。
私はアメリカ人の旦那とパリで知り合いました。
私たちが結婚した理由は、語弊があるかもしれませんがビザの為です。
「フランス婚」という概念があるように、結婚はせず子供がいるカップル、15年一緒に住んでるけど結婚してないカップルなど、さまざまな”事実婚”の形を見てきました。
一度結婚してしまうと離婚が大変という理由で皆さん躊躇するそうです。
当然、私たちも結婚する気もありませんでした。
そこでやったのが、”PACS”
正式名称は「民事連帯契約」
メリットとしては
1: 結婚よりも制約が少ない(例えばPACS<パックス>を解消する時には弁護士の必要は無い)
2:税制上で結婚とほぼ同様の法的優遇権
元はといえば、同性愛者の為に作られた法律だったのに、今は異性のカップルの割合の方が高い様です。手続きは簡単だよ〜とフランス人PACSのカップルに言われましたが、
全然簡単じゃない。笑
まず揃える書類が(私、彼、別で)各自10枚ほど。
かいつまんで説明すると:
★出生証明書・・・日本には無いので、市役所からもらう戸籍謄本に、外務省から”アポスティーユ”という「この書類は日本から発行された正式な書類です」という証明書をつけたもの。
=>それをフランス語に翻訳します。
★身分証明書・・・パスポートほか、市役所から、「本人は成人しており、無破産です」という証明書が必要。
(無破産って何?ってツッコミたくなる)
★アメリカ側の書類で日本と違ったのは「本人は成人しており、アメリカ合衆国で結婚していません」という証明。
=>これらもアポスティーユが必要で、更にフランス語に翻訳
★フランス側からもらう書類
他の人とPACSしてませんよ、という証明や、成人してます、共通の住所はココです、私と彼は血のつながりはありません証明まで出します。
★PACSの誓約書
これは二人で作るもので、いわゆるPACSに置ける決めごと。
何を入れても良いそう!
私たちは、オーソドックスな、財産分与や、PACS解消の際は・・・なんて入れましたが。
変な話、「洗濯・家事・炊事は全てxxが行う」とか、「オムツは彼が変える」なども入れようと思えば入れられるそうです(?)
ここまで必死になってお互い3ヶ月かけて揃えた書類。(この時点で妊娠7ヶ月、2012年11月末)いざ、裁判所に電話したら、「クリスマス前忙しいから2013年1月末に来て」
(ヨーロッパあるある、なんですけど。)
その上、私のビザは2月までだから、1月末だと間に合いません、子供が生まれてくるのでなんとか早めてください、と涙ながらに直接裁判所に出向いて、ワケを話したら、
「じゃぁ、2週間後の12月12日に来て下さい」と!
晴れて2012年12月12日にPACS届けを出した訳です。
(素敵なぞろ目♡)
そして、ビザの書類も送って一息ついていたら、思いもよらない出来事が!
「ビザ却下」
彼の仕事場を通して書類を出してもらうはずが、
「結婚してないとウチから出せないんだよね〜」と。
今までの苦労は何・・・?
気を取り直して、仕事経由では無く、自分でビザの申請をする事に。
「では、次回の予約が取れるのは・・・そうですね・・・7ヶ月後です」
なめとんのか・・・フランス政府!
予約しました、という紙が、ビザの代わりを果たすと言われましたが。
不安。
不安!
子供が生まれるのに、ママ違法滞在なんて!
というワケで彼と話し合った結果、
「入籍しよっか・・・・」と。
でも上記の書類を再度揃える気力もないので、ダメ元で両親に実家の市役所に問い合わせてもらったら、
「本人不在でも入籍届け出せますよ」と!
早速パリのアメリカ大使館で彼が結婚してないという証明書と、二人で記入した入籍届けを送付。さすが日本は対応も早い!3日で戸籍謄本も出来上がり、見事に郵便で結婚した二人でした♡
本人不在、郵送で、パリからアメリカ人男性と結婚した日本人、いないんじゃないかな。
*補足* 結婚相手がフランス人だったら、本人不在では結婚できません。日本に居ました、という証明を在日フランス大使館に出してもらう必要があり、郵送で結婚はできません。アメリカに提出する用のビザであれば同様に、本人が日本で婚姻届を出しました、という証明が必要。アメリカ人がフランスのビザの為だったのでこういった法律の抜け道みたいな結婚ができた訳です。
その後にすぐ子供が生まれ、落ち着いたと思ったら香港へ転勤、翌年にベルギーへ転勤、引っ越しばかりで結婚式もしていなく、私の両親が婚姻届を提出してくれたので何日に提出して、何日に受理されて、というのもあまり分かっていないまま結婚してしまったので、毎年忘れた頃に
「あれ、そろそろ結婚記念日じゃない?」と気づくわけです。