コミュニケーション武者修行
「一緒に一橋学園駅まで行きませんか?」
大学生の頃、一橋学園駅の近くにある寮に住んでいた。
中央線の国分寺から一駅だが、西武多摩湖線という知る人ぞ知る線路だから、終電が早い。さらに東京都なのに、車両が4両ぐらいしかない。
つまり、都内で飲んでくると、国分寺までは帰れても多摩湖線ユーザーはタクシー帰りとなるのだ。
金曜日は12時を過ぎると30人は並ぶ。
しかし並んでいてふと気付いた。
①1人or2人組が多い。
②タクシーがよく一橋学園方向から帰ってくる
この二点から、相乗りの需要があるのではと考えた。
実際に行動に移してみると、上手くいくわ行くわ。一番先頭から順に、一番最初の声をかけていく。すると大体4組目までには乗れて帰った。
大学生という利点もあり、サラリーマンのオッチャンやマダムが優しくしてくれた。
そこで心掛けていた事は、いかに相手に気持ちよくなってもらうかだ。
飲み会帰り、残業帰り、みんなの顔は疲れている事が多い。「お疲れ様でした。」という気持ちを込めて話を聞き、どんな話にも頷く。そして、笑顔で「凄いですねー!!」と褒める。
今まで10回程度行ったが、
タクシーを降りる時に、財布は出してもお金は出した事がない。
一緒に乗ったおじさんに、
「次に若い子が乗ってきたら、奢ってあげな」
と言われたことは忘れない。
相乗りはいつでも歓迎である