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【後編】握力計を用いた社内コミュニケーション
待ちに待ったランチタイム。みんなが弁当を取り出す中、一人握力計の箱を開けて取り扱い説明書を読み込む。人生で握力計の説明書を読む機会があるとは・・・。
手始めに自分から計ってみる。
右:33kg、左32kg 全年齢の平均値がインプットされている握力計のディスプレイには
「weak」 と表示されていた。
気を取り直し、各人が弁当を食べ終わり始めた頃に、まずは隣の上司から攻める。
僕:「Fさん、握力測りませんか?」
上司:「・・・・。何で持ってんの??」
至極真っ当なリアクションである。皆んなとコミュニケーションをとりたいとは恥ずかしくて言えず、
僕:「アマゾンにオススメされまして・・・。」
謎の返答をしてしまう。また一歩窓際に近づいた気がする。
上司の結果は44kg。本人も結構嬉しそうだった。
次は、ジム通いの後輩I君に。胸筋がワイシャツから出してくれんと言わんばかりの身体付きで、就業時間中にプロテインバーを食す彼の結果は・・・。
44kg。 期待はずれである。本人も気まずそうに「昔は50あったのに・・・。」 僕も気まづかった。先行きが危ぶまれる中、奇跡が起こる。I君の隣のTさん(4年目の女性)がこちらに熱視線を送ってきているではないか。
Tさん「私、握力強いよ。」
ジャンヌダルクきた。かつて自分から握力アピールする女性に出会った事があるだろうか。Tさんは細身で、いつもギターからウクレレかしらんが会社に持参してきている吹奏楽部系女子だ。その子が自分からアクションかけてきてくれるとは・・・。そして彼女の握力は・・・、41kg!!! 強い。聞くと、小三で握力が33kgあったと言うから驚きである。 そうしてなんやかんやあり、22人全員を測り終えた。女性も握力ぐらいならと、全員が応じてくれた。20代〜50代までいるが平均28ぐらいだった。Tさんのぶっちぎりで一位だった。トータルの一位は家で信長の野望をやり込んでいる部長が49kgで一位だった。ちゃんとバランスのとれた結果となり、部長も満足。何とか首の皮一枚繋がり、ぎこちないながらも皆さんと話す事が出来た。
今、握力計は他の部を渡り歩いている。たまたま昼休みきた同期が別の部署へと持って行ってしまった。僕の手を離れてしまったが、今頃誰かに握られているのだろう。
最後に、全員のデータを纏め、書体一つにも気を配り結果を送信した。
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