『グノーシア』プレイレビュー
どんなゲーム? ー RPG要素のあるテキスト人狼ゲーム
『グノーシア』は、人狼ゲームをベースに「シナリオ」や「育成要素」などのRPG要素を掛け合わせたテキストアドベンチャー。
ゲームの舞台は宇宙のはざま。主人公を含む宇宙船の船員たちは、おなじく船員として紛れ込んだ「グノーシア」という、異生物の脅威を対策し、排除するために討論を繰り返していく。
討論を繰り返す、と言ったが繰り返すのはメインとなる人狼ゲームだ。主人公たちは「グノーシア」を見つけてはループし、「グノーシア」に襲われてはループする…。
ここでいう1ループ=1ゲームとなっていて、1ループするごとに登場人物やそれぞれの役割(「グノーシア(人狼)」なのか、「船員(市民)」なのか)はリセットされる。
このループの繰り返すことで、世界の謎が少しずつ明らかになっていく。
1ゲームは15分ほどで決着が着く。1回のサイクルが短く、区切りをつけながらサクサク遊べるのがいい感じ。
(ゲームが進行するごとに規模が大きくなり複雑化していくが、後々参加人数や役割のON/OFFはカスタマイズできる。)
魅力①:キャラ育成で自分だけの勝ち方を追求
特徴的な点は、キャラクターの育成要素があるところ。
ゲームには立ち回りが有利になる「能力」が複数用意されていて、プレイヤーは自身の裁量でそれらのステータスを育成し、スキルを習得していくことができる。
たとえば「カリスマ」というステータス値を上げると、発言力が高まり、周りの人物がプレイヤーの発言に同調しやすくなるなどの効果がある。
他にも嘘を見抜きやすくなる「直感」、怪しまれたり、ターゲットに選ばれたりがしにくくなる「ステルス」など、その効果は様々。
(ステータスはゲームで得た経験値ポイントを消費して振り分けていくことができる。)
このように、好みの能力を身に着けていき、自分なりの勝ち方を見つけながら人狼ゲームを戦っていくのが面白さのひとつだと思う。
魅力②:少しずつ明らかになる謎。気になるストーリー展開
人狼ゲームに勝つことに熱中していると忘れそうになるが、「グノーシア」とは一体なんなのか、なんで同じことを何度も繰り返させられてんねんっていう、この世界の謎に迫っていくのが大事な目的。
ゲームは、要素の追加とストーリーの進展のペース配分がいい感じだった。
頭使ってちょっと疲れたかな…と思えば、イベントが発生し新情報が明らかに。新たな刺激が投入される。続きが気になって、ついつい「もう一度」と夢中にさせられた。
ゲームを進めるとキャラクターの性格や特技などが明らかになっていく。性格も読む必要あるのか?
『グノーシア』の良いところ悪いところ
私は人狼ゲームなるものをやったことがなかったが、ゲームが懇切丁寧にレクチャーしてくれた。人狼ゲームをやったことがなくても楽しめる一作であることは間違いないだろう。
最初は最低限の要素から始まって、徐々に新しいルールが追加されていき、順を追って覚えていくことができた。「人狼知らないから。」という理由ですっ飛ばすのにはもったいないゲームだ。
ちょっとマイナスに感じたのは下記の点。
①キャラクターのセリフが一定なのでやや退屈。
②自分の考えとは裏腹に、CPUたちがグノーシアを特定してくれる流れにもっていってくれることがあり、置いてけぼり感を抱いてしまうことはあった。(自分がへたなのかもだけど)
まだエンディングにまで到達していないので、ストーリーの面白さについてはあまり言及できなかったが、「物語の真相が気になる」ことが本作のモチベーションになっている。
上記のマイナスポイントは相殺して楽しめていると思う。