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#1 コワーキングスペースで”ふつうに”つながる。友達も ビジネスも 新しい政策も!?「つながり」から生まれていくもの(赤井北斗)


那須塩原市に移住された先輩移住者から、移住後の暮らしについてお話を伺う「なすしおばらLife style story ー先輩移住者reportー」。

今回は2020年に埼玉県から家族でⅠターン移住をされ、コワーキングスペース「エンカク」を通して新しいコミュニティづくりにチャレンジされている赤井北斗さんにお話を伺いました。

チャレンジの理由はなんともシンプル。
そこから広がる赤井さんの夢とは…?

interviewer:相馬(移住促進センター)、KSK(企画政策課)
photos:安藤(移住促進センター)
words:相馬(移住促進センター)


なすしおばらLife style story #1 :赤井北斗さん

1. 移住のきっかけとは?

つながりを保ちながら移住する


──お世話になっております。移住促進センター相馬です。
今日はよろしくお願いします。
早速ですが、赤井さんが那須塩原市に移住を決めるまでの経緯やきっかけを教えてください。

もともと「都会から離れて、日常的に自然に触れ合いながら子育てをしたい」と思っていました。私は九州生まれですが、転勤などで地元と言える場所がなく、子どもたちにはそんな場所を作ってあげたいという思いもあって地方へ移住することを決めました。

当時、埼玉に住み、東京へ通勤していたため、周囲の友人関係も東京・埼玉に多くて。
できればそのつながりを保ちながら移住できる場所を探し始めました。

そこで、東京・埼玉から車で1~2時間圏内の長野、山梨、群馬、静岡、そして栃木など、複数の県を候補地にして、実際に足を運んで比較検討しました。

東京・有楽町にあるふるさと回帰支援センターも利用して、各地域の担当者と話をしたり、移住体験ツアーにも参加して現地の方とも話して。

そうそう、お隣の大田原市の移住体験ツアーにも参加しましたよ。

──大田原市も見学されたんですね!
那須塩原市の移住支援は受けましたか?

受けませんでした。
当時の那須塩原にはそういった移住支援がなかったので受けられなかったんですよ(苦笑)

空き家バンク制度や新幹線通勤補助金はありましたけど、他にはなくて。

そういった移住支援制度が整っているかどうかなどを含めて市区町村単位で細かく移住先の候補をみてきましたが、正直、制度だけで見ればもっと充実している自治体はありましたね(笑)

──すみません!(苦笑)
当時は今ほど移住支援制度が整っていなかったんですね…。
そんな中でも那須塩原に移住先を決めたポイントってなんだったんですか?

それでも最終的に那須塩原を移住先に決めたポイントは
新幹線駅と高速道路I.Cが市街地にあって「交通の便が良かったこと」暮らしに必要なものは揃っていて「ほどよく生活するのに困らないこと」

もうひとつ大事だったのは「埼玉や東京にいる友人・知人たちが、こちらに来る動機があること」です。

観光地だったり、それに近い場所であれば、東京の友人・知人たちが遊びのついでに寄ってくれるじゃないですか。

そういう意味で「東京との接点を保ち続けられるだろう」と考えて、最終的に那須塩原に決めましたね。

人気の観光地でもある那須エリア(観光牧場・千本松牧場)

土地を探すために


──那須塩原に移住先を決めた後はどう動いたんでしょう?

土地を探すために、毎週那須塩原に通いました。
娘がまだ小さかったので日帰りで。

キャンプが趣味なので、キャンプ場や観光では何度か訪れていましたが、住むとなったら別。土地勘なんて全然ないわけですよ。

土地探しのエリアも全く絞れていなかったので、黒磯も青木も西那須野も那須塩原駅周辺も全部見ました。

当時は新幹線通勤をしていたので、通勤に困らないエリアかどうかは意識して探してましたね。

那須塩原駅から東京駅まで新幹線で約70分。新幹線通勤をされている方も多い。


──毎週ですか!?それは大変でしたね!

そうですね。でも前向きなことなので楽しかったですよ!
そこにストレスとかはなかったです。
不動産会社もわからないのでネットで調べたり、現地で声をかけて教えてもらったり。

──不動産会社のリストアップ、土地の販売状況の確認、エリアごとの特徴の把握、スーパーや学校などの距離感の確認…ひとつひとつの土地を見て回って、開拓しながら知っていった感じですね。

今、私たちが移住相談や現地案内ツアーでご案内している内容そのままです!それをすべてご自身で調べて動かれていたと…!(驚愕)

え!今はそんなサービスがあるんですか?!
いいですね。やってほしかったですね(笑)

僕は自分でGoogleマップを作ってましたよ。
物件情報にある住所をGoogleマップで検索し、示された住所に向かって、現地を見て、ピンをさしての繰り返しです。

今になってようやく「あの土地って市全体でみるとこのエリアにあったんだ」って思ったりしてます。

現在は、不動産会社の一覧表のお渡しも、エリアごとの特徴のご案内も、
それらを実際に確認しながら市内をめぐる無料のオーダーメイドツアーも
移住促進センターで提供しています…!使ってほしかった!

2. 日常生活はどうなってる?

暮らしの満足度


──実際移住してみていかがですか?

やっぱり自然が豊かなところに住めたので満足度は高いですよ。
虫や動物も身近ですし、毎日自宅の庭でたき火もできますし。

日常的に自宅で楽しむたき火(イメージ)

たき火もそうですけど、都会では禁止されていることを、子供たちに適度に体験させてあげられるのはいいなって思いますね。
都会だと公園でも禁止事項が多くて…ボールとか自転車とかね。

──え!自転車もですか??!

そうですよ!自転車の練習を禁止している公園もあるので。
遊ぶのに気を遣わなきゃいけないっていうのは窮屈ですよね…。

その点でも、家族単位でみると暮らしの満足感は上がりましたね。

趣味のDIYで小屋やお子さんの遊具、たき火エリアづくりなども行う赤井さん。
職人さんと見紛う出来栄え…!すごすぎます…!

──お家も素敵ですよね!

ありがとうございます。
アウトドアも好きだったこともあり、移住が決まった時からログハウスを建てたいね、と妻とは話していました。
那須塩原市内で実際に土地を探し始めてみたら、気づけばログハウスが馴染む土地を選ぼうとしていることに気づきました。

個人的にログハウスは、建築したタイミングで完成してない点が良いと思っています。

それこそ床に傷がついてしまったり、子どもたちが落書きしてしまったりしても、それを喜べるところがあります
いつか綺麗にし直したり、塗り直したりすればいいだけですしね。

薪ストーブもこだわって作ったので、薪割りも一種のライフワークです。

家の中でも外でも楽しみがある家ですね。



那須塩原の風景になじむ素敵なご自宅。

暮らしの困りごと


──逆に苦労したり、困ったことはありましたか?

やっぱり車が必須な地域ってこともあって移動コストがかかりますよね。
僕の場合、あえて駅周辺の市街地ではなく、観光地に近い山の麓を選択して自宅を建てているためなおさらです。

ふらっと歩いてどこかに行くことは基本なく、幼稚園に行くにも、コンビニに行くにも、とにかく車に乗らなきゃいけない。
身の軽さがないというか。そういう大変さはあります。

駅周辺以外、特に郊外にお住まいの方はどこに行くにも車が必須。(イメージ)

──エリアによってはどうしても車が必須になってしまいますよね。
その他に都会と比べて不安や不満などはありますか?

教育面は、不安というほどではありませんが、気がかりなこともあります。

子どもたちの通う予定の小学校は1クラスあたりの人数が10数人なので、人間関係をうまく作れなかったときはどうしても心配ですよね。

更にその先、高校・大学へ進学となった場合、その選択肢は都会と比較すると少ないことは自覚しています。

──1学年100人以上のマンモス校も街中にはありますが、郊外、特に観光地エリアの小学校は小規模校ですもんね。
先生たちの目が行き届きやすいメリットもありますが、そうはいっても心配もありますよね。

そうですね。でもそれらはこの場所を選んだ時に予想していたことではあったので、まあ強いて言えばってところです。

全部が都会と同じようにあるわけじゃないので、その人が何を選ぶかじゃないですかね。

──そうですね。それらを優先するなら別の場所に移住という選択もあったわけですもんね。何を求めて移住するのか、そのために何をあきらめるのか。優先順位の明確化は大事ですね。
他は大丈夫でしたか?

そうですね…つい最近のことですが、娘の習い事を探すのも苦労しました。
ピアノを習いたいという希望があって教室を探していたのですが、どこの教室も生徒がいっぱいで、通わせたいなら枠が空くのを待つしかない状態でした。

しばらくどうしようか悩んでいたのですが、たまたま当時知り合った
近所の友人から、同じく近所に住んでいる音楽家がのんびりとやっている教室をご紹介いただき、今ではそこに通っています。

──え!すごい!それはいいですね!
「ご近所さん」ってつながりの中で知り合って、教わって…

そうそう。そういう意外性が面白いですよね!
那須にはそういった多彩な方がいらっしゃるなと、交友関係が広がるにつれて強く感じています。

那須エリアには隠れた有名人、業界で名の知られた方も。
さらっと出会った方が実は…というパターン、多いです。(イメージ)

地元の友達をつくりたい


―赤井さんご自身の苦労はありますか?

そうですね。やっぱり交友関係がないことですかね。
引っ越してきた以上は那須塩原に腰を据えてコミュニティを形成したかったんです。

ただ、俗にママ友やパパ友と呼ばれる子育てに関連する知人は広がるのですが、それ以外にどう人と仲良くなればいいんだろうと

当時は職場も東京だったので、仕事を介して交友関係が広がることもないですし…。

―そうだったんですね…交友関係がないのは寂しいですよね。

そうですね。
住まいのエリア的にも、隣の家が500m先、という感じで、近所の方と道端で出会って交流する、などという機会もないので…。

―それがこの「エンカク」という場所にもつながるんですか?

まさにそうです。
先ほども出ましたが、那須塩原の界隈には興味深い方が意外といらっしゃるんですよね。

でもそれは実は移住者だけじゃなくて、元々この地にいらっしゃっていた地元の方も当てはまると思っているんですよね。

ただ、私自身がそういう人たちとつながっていない。
なにかつながりを作りたくてこのコワーキングスペースを開設しました。

2024年9月にオープンした赤井さんが運営するコワーキングスペース。
今回インタビュー会場としても利用させていただいた。
窓からは雄大な那須連山や那珂川、晩翠橋も一望でき、
美しい景色を楽しみながら作業に没頭できる。

もちろん一利用者としてこのスペースを使ってくださる方との接点を作りたくて始めたのが本質ではあるのですが、もう一方で、市内で活躍している方と対等に出会える肩書的なものが欲しかった気持ちもあります。

これまで長く都心で働いてきていますが、いざ那須塩原市に来た時点では良くも悪くも一般市民。

移住してきただけの市民が「つながろう」っていってもなかなか きっかけは生まれないじゃないですか。
出会いが深まればこれまでの経験がお役に立てることもあるかもしれませんが、接続しないことには何も生まれない。そういった気持ちでこういう場所を作ろうと思い至りました。

すごく端的に言えば友達を作りたかっただけです(笑)

3.那須塩原ではじめたこと

「ふつうの人が」「ふつうに」つながれる場所づくり


──「エンカク」はどういったコンセプトの場所ですか?

ここのコンセプトは「仕事でつながる」を基本としていますが、「なにかを誰かと一緒にやる」ことだと捉えています。

私も本業は東京にある会社の一社員ですが、日頃は「エンカク」で普通に仕事をしています。

このスペースを利用する中で、今までの経験や経歴、自分が得てきたものを、目の前で働いている誰かの仕事で困っているところに補完できたりしたら面白いだろうし、それぞれ「こういうことやってるからここを起点になにかやろうよ」も面白い。

たまたまここで一緒に仕事してたら、そういう出会いがある可能性がある。そういう会話ができるような場所にしたいですね。

コワーキングの「共に」という意味の接頭語である“Co”と、「働く」という意味の“Working”がまさにひとつのテーマ。

「エンカク」は、リモートワークの「遠隔」だし「縁を描く」場所。

同じような性質の人だけじゃなくて丸・円(エン)の人も四角(カク)のひともいる。

そういった多様な人々の出会いやつながりが生まれる場所になればと思っています。

──いいですね!「エンカク」の名前の由来も素敵です。

積極的に活動されている方と出会いたい一方で、普通の方が普通に出会えることも大事にしたいと思っているんです。

那須塩原に移住してくるほとんどの人が「なにかをやりたい」という志みたいなものを持って移住してくるわけじゃないじゃないですか。

ただ、「出会いがない」「交友関係を広げたい」といった悩みは普遍的だと思うので、そういう方々がちゃんと出会える場所みたいなものがあったらいいなと昔から感じていたんです。

──わかります!移住後にいただく相談の中で、友達が欲しくて「どこで出会えますか?」って質問を私たちもいただくことが多いんです。
でもどこを紹介したらいいか…なかなか難しいんですよね。
結局ワークショップやイベントをご案内することが多いんですけど…。

あくまでも持論ですが、ワークショップやイベントって目的を持って参加される方が多いので、「ただただ誰かと出会いたい」では、そもそも参加しにくかったりするじゃないですか。普段付合いできる方と出会う場所ではないというか。

エンカクは、現時点では仕事をしていないと来ないかなとは思うんですけど、普通に仕事してる人が普通に仕事に来て、たまたま隣の人としゃべるみたいな普通の出会いができるんですよ。

それこそ肩書なんてなくても出会える。つながれる。
そういったコンセプトは大事にしたいなと思っています。

隣の席の人とのおしゃべりからラフに始まる普段づきあい(イメージ)

──それは最高ですね!
那須塩原は環境的には申し分ないけど、人間関係を作れなくて都会に戻っていくって方もいると思うんですよね。
エンカクは仕事でつながる、ワークショップやイベントは同じ目的でつながる、移住者交流会は移住仲間で、ご近所さんは地域で…みたいな、いろんなグラデーションやパターンでつながることが大事だと思いますね。

それはあると思いますね。

私も那須塩原市は気に入っているので、移住者を増やしたいと強く思っています。いわば同士が増えるようなものですし。

でも移住することで新たな交友関係ができない、古くからの人間関係を一旦諦めなきゃいけないことがボトルネックになるのがもったいないなって思っています。

私自身ももちろん交友関係を増やしていきたいし、エンカクがその懸念を払拭する場所のひとつになるのであれば、ぜひご活用いただきたいですね。

──つながりや交友関係ってそれだけ大事ってことですよね。
赤井さんは移住先を選ぶ段階からずっと気にされているポイントですもんね。
そういえばこのビルにエンカクが入るきっかけはなんだったんですか?

紹介ですね。

元地域おこし協力隊で、移住促進センターでコーディネーターも務められていたTさんとは2019年くらいに移住促進センターで出会って。その後もSNSでゆるくつながっていたんですね。

そのTさんにコワーキングスペースを作るにあたり色々相談してみたら、市役所の方につなげてもらって。
その方からこの場所を紹介してもらって、ここに入ることに決まった感じですね。

──ご紹介だったんですね!ここでもつながりが重要でしたね。
やりたいことは口に出していかなきゃですね!


エンカクが入るパラダイスビル外観。晩翠橋横のアーティスティックな建物。
1階にはカフェ、地下にはイベントスペースも。エンカクは2階。

気軽につないでいいよネットワーク!


──私たちも本当はつながりを渡していきたいんですよね。
移住してきて「寂しい」という思いは極力させたくないんです。

仕事や趣味や居住エリアなど、共通項をつないで、那須塩原に住んだからこそ出会えた人や生まれたつながりを「面白い!」と思っていただきたいですし、楽しんでいただきたい。

ただ、いただいた個人情報をもとに勝手につなげることもできないという事情があり、難しさを感じています。

今現在、移住相談をいただいてる方は1200人くらいいるんです。でもそこをつなげきれてない。すごくもったいないんですよね。

こういうことはずっと考えてるんですけど…うーん!どうしたらいいですかね?(笑)

そんなお悩みを抱えていらっしゃったんですね。
せっかく連絡先をご存じなのであれば、無邪気に連絡しちゃえばいいんじゃないですか?(笑)


連絡先をご存じということは、過去に何らかで移住促進センターと関わりがあったわけじゃないですか。

全員がそうか?と聞かれると自信はないですが、少なからず「これから移住を検討される方の力になりたい」と思っている方は多い気がしています。

私なんかはまさにそうですし、ラフに相談いただいて嫌な気をする方の方が少ないんじゃないでしょうか?

話は飛躍しますが、そういった協力的な移住者の皆さんをネットワーク化してしまってもいいんじゃないでしょうか?

──わ!いいですね!それ!!!いいよネットワーク!(笑)
「こういう相談きたんですけど、つなげていいですか?」って相談して、「いいよ!」って言ってくれる人たちのネットワーク!

相談というより、何かあったら何でも声かけていいよってネットワークですかね?そもそも移住検討時点で明確な悩みや懸念があること方が少ないと思うので。

こういったインタビューもそうですし、移住相談の中で先輩移住者の声を聞きたいとか。

つないでいいですか?いいよ!っていう。
気軽につないでいいよネットワーク!

──わー!いいですね!
それができたら色々次に進めそうです。

それこそ私も今の土地を決める前に、Instagramでつながった那須塩原市内の先輩移住者に直接DMして、ご自宅に遊びに行かせてもらったことがあって。

そこで日常生活のことや教育・医療のこと、かなり赤裸々に教えていただいたのもあって、その時点でこの土地いいなって思ったんですよね。

解像度が上がって、実態が知れて、不安が解消された。

──そういう移住前からの相談でつながるのって、めちゃくちゃいいですよね!その時点でひとつ、那須塩原につながりが生まれるじゃないですか。この人がいるなって。相談させてもらったなって。

センターでも移住前に先輩移住者にお願いしてお話を聞いてもらえるようにセッティングした事例はあるんです。
たまたまかもしれないですけど、その相談者の方はその後は移住してくださいましたし、移住後も相談した先輩移住者と仲良くされてると聞いています。

こういうことをもっとやりたいんですけど、今までは特殊な相談の時だけ、私たちだけじゃ対応が難しい相談だけ頼らせてもらっていました。
それを緩和して、もう少しラフにつなげられたらとも思いましたね。

先輩移住者の方が、誰でも、どんな相談にも乗れます!というわけではないと思うので、グルーピングが必要だったり、得意不得意の案件もあると思いますが、やってくれると思いますよ?

──それは赤井さん第1号になってくれるんですよね?
いいよネットワーク会員、会員第1号!

全然いいですよ!
ナンバリングされてくんですね(笑)

4. つながりがつくっていくもの

中島さん登場!


あ!じゃあ隣にいる人、会員番号2番にしましょう!(笑)

ここでエンカクを利用していた中島さん(写真右)を紹介いただき
一緒にお話をうかがいました。

──中島さん、こんにちは!
中島さんも移住してこられたんですよね。

中島さん:僕も移住ですね。奥さんの実家が那須塩原なんで、Uターンに近いのかもしれないですが、神奈川県からの移住ですね。
仕事も那須塩原にもあったり、テレワーカーでもあるので、奥さんの実家に近い方が子育てしやすいかなって思って来たんですけど、期待以上に良くて。食べ物もおいしいですし、黒磯駅周辺のあの雰囲気とか、あの辺の人のコミュニケーションとか…大好きですね!
アートも好きなので色々なアートイベントも嬉しいです。
移住してきて満足してます。

──えー!!!めちゃくちゃうれしいです!
おふたりの出会いって聞いていいですか?

中島さん:共通の知人がいたことがきっかけです。
僕がコワーキングスペースを探してて、それなら今度新しく立ち上げる人いるから紹介するよって言われて。
それでついこないだ、黒磯の日用夜市で3組がばったり会ったので、その場で紹介してもらった感じです(笑)

──おお!ここでもつながりが効いてますね(笑)
エンカクを利用してみていかがですか?

中島さん:すごく気に入っています。
今までは図書館や自宅、カフェなんかで仕事をしていたんですが、基本プライベートと仕事の場所をしっかり分けたいタイプなんですよ。
図書館みるるにもサイレントスペースがありますし、すごく好きな場所なんですけど、本が好きだから誘惑が多くて…。
楽しくなっちゃって仕事スイッチが入らないんですよね(笑)


那須塩原市図書館みるるのカフェスペース。奥にはアートスペースも。
本にカフェにアートの展示…確かに誘惑が多いですね(笑)

中島さん:でも、ここなら仕事の場として設定されてますし、設備も充実してる上に1階でおいしいコーヒーも買える。
あと、那須の自然が好きなので、このロケーションは最高ですね。

建物の雰囲気も内装も好きですし、ぴったりはまりましたね。
最近はここしか来てないですね。

赤井さん:私より いますよね(笑)

中島さん:そうかもしれないです(笑)

那珂川にかかる晩翠橋を眺めながらテレワーク。
この日はあいにくの曇りで見えませんでしたが、
晴れの日には那須連山も眺められる最高のロケーション…!

──コミュニケーションの部分はどうですか?何かありますか?

中島さん:つながりの場にもなってますね。
ここで知り合って外でプラプラしてたら「あ、こんちわー!」って挨拶したり。されたり。
ここに来るだけで知り合うきっかけになってるのがいいですよね。
SNSでつながってるけど会ったことなかった方とここでようやく会えたり。

あ!そうそう!赤井さんはオンラインコミュニティも作ってくださってて。

赤井さん:そうなんです。ビジネスチャットツールを活用しているだけなのですが、エンカクを利用してくださった方限定でオンラインコミュニティを作っています。

9月末時点ですでに参加していただいている方は20数名はいるのですが、もっとアクティブな方を増やしていきたいですね!

──そういう仕掛けも作っているんですね。

中島さん:やっぱりみんな面白いことをやってるから、ここで話をしてると面白いですよ。

赤井さん:地元の方はまだ少ない印象です。

中島さん:確かに。それなりによく話す方は移住されてきてる方かな。
この辺はリモートワークの仕事はないんですかね?

──うーん…いないんですかね?地元の方?

ひろがる、つながる


──カフェで仕事をすることを考えたら、利用料1時間300円でこの環境を使えるのは安い気がします。ぜひみんなに使ってほしいですね。
移住促進センターの仕事は拠点に来てもらう仕事だから難しいけど…企画の仕事はどうですか?KSKさん?

──(KSK)こちらで仕事したいですね!
職場としての環境の良さだけではなく、「つながる」ってコンセプトがいいなって思います。
僕自身も市民の方とつながりを作るってすごい大事だなって、ニットプロジェクトをやっていてすごく感じているところなんですよ。

みんなが住み続けたいと思うまちにするために、
那須塩原市のブランディングをみんなで考えるプロジェクト。
「みんなで考える」を大事に、結果のみならず過程をnote、HP等で発信しています。

──(KSK)結局市民の方と話していかないと、本当に必要な政策、施策とか考えられないと思っているので…上司にお願いしてみようかな?(笑)

赤井さん:ぜひ!(笑)

中島さん:絶対いいですよ!
こうした雑談から次の施策のアイデアわいてくると思いますよ。

この辺でやってる面白いイベント、企画政策課がやってること多くないですか?

──(KSK)ありがとうございます!
ゲストもお話を聞きに来た方もお酒を飲みながらのトークイベントとかですか?(笑)

そうそう!(笑)
僕もこの間ニットプロジェクトのイベントいきましたよ!
岡埜屋酒店さんの公開インタビュー!
こういうイベント、市役所でやるんだって思いました(笑)

正直、今までは「役所の人」ってだけで色眼鏡で見ちゃうところがあったんですよ。硬いのかな?って。
全然そんな感じじゃないから、いい意味でびっくりしちゃいました!

──エンカクで出会ったら、名乗らない限りお互いどこの誰かはわからないし、そういう色眼鏡もなくお話できそうですよね!
気軽に1~2時間しゃべってたら実は役所の人だった!みたいな。良くないですか?(笑)

──(KSK)いいっすね!そういう出会い方!
お互いかしこまらずラフにお話ししたいですよね。

エンカクからどんな出会いがあり、どんな交流やプロジェクトが生まれていくのか…
想像がふくらみ話が尽きません!(写真右前方:相馬 後方:KSKさん)

5. 那須塩原に思うこと

──最後に、今後「那須塩原がこんな街になってほしい!」という思いはなにかありますか?

赤井さん:現時点では明確に不足しているものはないですが、強いてあげるとすると、より多様性が生まれていくといいですね。

もともと、那須塩原市と一口にいってもエリアによって特性や特長が異なるのが面白いポイントですが、それをさらに尖らせていってほしいです。


中途半端にどこも一緒にしないで、いろんな個性を内包していくっていうか。

──そうですね。今も駅前ごとに特徴があって、観光地にしてもエリアごとに特色がある。どこに住んでも一緒じゃない。
住みたい場所を好きに選べるのがいいですよね。

中島さん:那須塩原って色々ちょうどいい、程よいみたいなのが多いですよね。東京との距離、街中と自然との距離、生活に不便がない程度のお店や病院…程よく何でもありますよね。

特に程よいサイズのコミュニティがちょうどいいですね。
僕の場合、黒磯駅前のコミュニティがそうなんですけど。

観光地なので友人が家まで遊びにきてくれることも増えましたし、ほんと!期待以上です。

仕事の種類とかお給料とか、その辺はまだ課題あるかもしれないですけど、地方都市なんかたくさん出張で行きますし、旅行も趣味で全国回ってますけど、那須エリアほど洗練された地方都市ってないと思いますよ。

──ほんとですか??!なんか中島さんめちゃくちゃ褒めてくれますね!
赤井さんより褒めてくれてるかも(笑)

赤井さん:僕全然出なかったですね(笑)
でも僕の場合めちゃくちゃ調べてから移住してきたので、想定通りという意味で驚きがなかったのはあるかもしれないです。

中島さん:たしかに!僕は1度住んだこともあったし、あんまり期待も吟味もしてなかったから、想像以上によかった!ってなってるのはありますね(笑)

──今、移住を検討されてる方も、過度に期待しないで来てもらったらいいのかも(笑)「こんなもんだろ」を超えていく街!

たくさん調べた上で那須塩原市を選んで満足いただけたたことも、期待しないで暮らしてみたら予想以上に良かったということも、どちらも知ることができて非常に嬉しいです。

次は中島さんにもフォーカスしてお話を伺いたいです!
本日はありがとうございました。

取材あとがき

「ふつうの人が」「ふつうにつながる」──
取材後、この言葉がぐるぐる回ってしばらく頭から離れなかった。

ほとんどの方が「那須塩原でこれをやるぞ!」と意気込んで移住されてくるわけではない。それは本当にそうだと思う。

一方で、そういう場を作ろうと思い立つことができたことは、やはり「那須塩原ならでは」な気がするのだ。

つながれる場を作りたいという思いを、つながってきた人に託して場所が見つかり、その場所を利用する方とも 新しいつながりの中で出会ってきた赤井さん。

このエピソードがなんだか那須塩原らしくて、とっても気に入っている。

那須塩原には、面白いことを、そのチャレンジを、温かに応援してくれる風土みたいなものがあるような気がしてならない。

だから、ふつうの人がふつうに出会って、知り合って、話をしていくうちに、「ふつうの人」が「面白いことにつなげてくれる人」になることがあるし、「チャレンジを応援してくれる人」になることもある。そして「共に新たなことをはじめる人」になるかもしれない。

そして、いつの間にか自分も、そのリレーをつなぐひとりになっていく。

そんな「自分事」がゆるやかに広がっていくワクワク感と、肩ひじを張らず、ほんわりとした体温のような人と人のつながりが次々に生まれていくところが、私が那須塩原という街を好きな理由のひとつだ。

コワーキングスペース「エンカク」もそんなつながりをきっといくつも生み出してくれることだろう。

この場所から今後どんなつながりが生まれ、どんなワクワクが創出されていくのか ───楽しみで仕方がない。

(相馬)

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