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2月の雷

昔から大きい音が苦手だった。

わたしの家族は喧嘩すると怒鳴りあいになることが多かった。それは双方の関係にとってはある意味では健全で、ある意味では子どもにトラウマを植え付けたわけだが、物心付いてくるとそんなしおらしくも言ってられず結局その子どもも怒鳴るというスキルを身につけてしまった。とはいえやはり大きな音ってのは今も慣れない。
野球場の観客席、往来の多い道路、日中の工事現場の真横の歩道、吠えぐせのある犬の住む家の前など小さなストレスは溜まる。しかし雷は昔から怖くなかった。
どうやら雷を怖がる方が女の子らしいぞなんて聞いて実践してみたこともあるが、バカバカしくて一回こっきりで辞めてしまった。確か当時そう言ってた女の子はくしゃみの音も気にしていた。

雷の音をスルーできるのは雷自体が美しいからだろう。美しさの余韻に浸っている間に音が鳴るからあまり気にならないのかもしれない。突如空に白い光が走ったと思ったらものすごい音が空を埋め尽くす。それはここオーストラリアも同じだ。土地が広いからだろうか、まさかここには落ちないだろうという変な安心感がある。

日本で2月に雷が鳴ると、根拠はないが良き方に向かっている気になる。遠い春を見越すからかもしれない。オーストラリアはこれから冬に向かっていく。どんな季節になるのやら。2月の初めに鳴った雷がどうかいい方向に連れて行ってくれますよう。


そしてわたしの日々の綴りも1ヶ月続けてくることができました。イレギュラーもあったけど、まぁ、概ねいいんじゃないかと花丸を自分に出そうと思います。
いつも読んでくださる方、覗いてださる方ありがとう。これからも引き続きよろしくお願いします。

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