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GLP-1アゴニストのセマグルチドはSGLT2阻害薬よりもHbA1c、体重が下がる。
【背景】
2型糖尿病と心血管疾患を持つ患者の血糖管理で薬剤を追加する場合、過去の研究よりSGLT-2阻害薬やGLP-1アゴニストが心血管疾患に良い影響があることからこれらの薬剤が好まれています。
メトホルミン単剤治療にGLP-1アゴニストであるsemaglutide(商品名オゼンピック)1㎎週1回皮下注射またはSGLT2阻害薬であるempagliflozin(商品名ジャディアンス) 25mg 1日1回内服を追加してHbA1cや体重がどのように改善するかを比較しました。
過去に行われた4つの臨床研究から患者のデータを集めて解析を行ったもので、直接比較試験ではありません。下記図が対象となった臨床研究の概要です。
【結果】
解析対象者はSemegluatide 群995人、empagliflozin群410人です。
試験開始時の平均HbA1cは8.2%です。その他の患者背景は、おおまかに年齢56歳、BMI 32、2型糖尿病罹患年数7年、空腹時血糖170mg/dl、eGFR 90台です。
HbA1cの変化はsemaglutideで1.44%低下、empagliflozinで0.83%低下でsemaglutideがより低下させたことが示されました(推定治療差-0.61%、95%信頼区間−0.72; −0.49)。体重の変化はsemaglutideで5.3㎏、empagliflozinで3.6㎏と、体重もsemaglutideの方がより低下させたことが示されました。(推定治療差−1.65 kg 、95% 信頼区間−2.22; −1.08)
下記グラフの青がSemegluatide 1mg 、黄色がempagliflozin 25mg群です。HbA1c、体重ともにSemegluatide の方がより低下する結果です。
【個人的感想】
この論文のサポートがsemaglutideを製造しているNovo Nordiskであることは一応留意点ですが、少なくともSGLT2阻害薬と同等の効果は期待して良い印象です。本解析Semaglutideは週1回皮下注射ですが、すでに経口薬も発売しているため今後使用が増えそうです。
コストが高いというのは新薬である以上避けられませんが年数が経過すれば徐々に薬価が下がり使用しやすい状況になります。