禍いの科学:世界に害をもたらした科学発明の話
結果として、世界に害をもたらした科学発明の話。人類幸福のために良かれと思って作ったものが、後に悲劇的な結果をもたらした7つの事例。
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本の目次
第1章:神の薬 アヘン
第2章:マーガリンの大誤算
第3章:化学肥料から始まった悲劇
第4章:人権を蹂躙した優生学
第5章:心を壊すロボトミー手術
第6章:『沈黙の春』の功罪
第7章:ノーベル賞受賞者の蹉跌
第8章:過去に学ぶ教訓
以下、読んだメモ。
マーガリンの不健康
脂肪を制限する国策とも相まって、マーガリンは普及した。不飽和脂肪酸が多いマーガリンの方がバターよりも心臓疾患を引き起こしにくいとのことだった。ただ後の研究によって、実際にはマーガリンにはトランス脂肪酸が含まれており、その心臓疾患リスクを高める効果の方が大きいことがわかっている。
アヘン、モルヒネ、ヘロイン
この3つは名前は聞いたことはあったが、同じルーツだとは知らなかった。アヘンの優れた鎮痛作用を中毒性なしで使える化合物を探し、普及後に中毒性発覚の繰り返し。アヘン→モルヒネ→ヘロイン→オキシコドンで計3回。オキシコドンは今でも多く処方されており、米国では250万人が中毒の状態。
時代の空気、科学、再現性
それぞれの事例は、時代の要請や商業的な成功がその背景にあった。また著名な科学者や有名科学雑誌が賛同する場合もあり、その方向に押し進む時代の空気ができていた。そのような場合には再現性への警鐘を挙げることの効果は薄かったようだ。
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