「BATORA is POWER!」の「パワー」のメロが上がらない理由
なすと申します。今回は某RTA走者の配信で流して頂いているこちらの曲につきまして。
このイントロとサビにある「POWER!」のメロディについて、コメントで「パワーが上がらないの草」とあったので、なぜ上がらないのか解説します。
まず上がる上がらないってなんだよ
「バトライズパワ」をメロに分解すると、
レ ド# レ ミ ミ ラ ファ#
バ ト ラ イ ズ パ ワ
となるわけですが、おそらく「なんで上がらないの?」と言っている人はこういうメロを想定しているのかと思います。
レ ド# レ ミ ミ ラ シ
バ ト ラ イ ズ パ ワ
「パワー」という単語からして確かにメロ的には上がったほうが自然です。私もそう思います。しかし、このメロディを採用できなかった理由があります。
どうしても使いたいコードがあった
「まーーーたコードの話してるよ」と思わないで黙って聞いてほしいのですが、私はたびたび分数augと呼ばれるコードを使いたくなる衝動に駆られることがあります。巷では「イキスギコード」と呼ばれてたりする(※)アレです。
さて、Aメロの頭にくるコードを先に決めた上で、それに繋がる分数augを決めるわけですが、Aメロ頭のコードのルート音は B にしました。したがって、それに対して半音上のルート音からアプローチする Daug/C を採用。細かい話置いておいて、この Daug/C の構成音はド、レ、ファ#、ラ#の4つなのですが、「パワー」の「ワ」をシの音にしてしまうとコードの構成音、特にこのコードで一番美味しいラ#とバッティングしてしまうため、不採用。代わりにファ#を採用した、というわけです。
ま、要するにコードを先に決めちゃったから使えるメロディに制約があった、ということで理解していただければと思います。
※厳密には分数aug=イキスギコードではありません。「分数augのうち、ルート音が他のどの構成音とも半音で隣り合わないもの」がイキスギコードと呼ばれています。
ちなみにこの曲はJAM Projectを意識していたんですが、ちらちらと気づいている人がいましたね。ちょっとうれしかったです。