見出し画像

お節介上等

夫が会社でパブロくんというボリビア人と仲良くなったのを機に、スペイン語の勉強を再開しました。勉強の一環でNetflixに入ったので、私も便乗して観たい映画を探す。

最近、長澤まさみがきている。ならスオミを観ろよとツッコミたいところでしょうが「マザー」を見ました。なんの前情報もなく。

これね、本当にあった事件が元になっている、殺人というより児童虐待の母親の話でした。あらすじとしては、子供を学校にも行かせず、決して働かないでお金は遊びで浪費、男と息子を金づるにし最終的に祖父母殺人させるというハッキリ言って超絶クズの話。長澤まさみが母親役なのだけど、演技に魅入ってしまい終盤はまさみを嫌いになりかけてしまった。映画としてはとても良かったです。長澤まさみ欲は満たされたものの…ちょっとこの事件気になるなあ。

私は気になったらとことん調べる性質があり(オタク気質?)今度はこの事件のドキュメンタリー本「誰もボクを見ていない」山寺 香 を読みました。

知りたかったのはどうやってこのクズ母親が出来上がったのか。だったのですが、意外にも穏やかそうな家庭の子供でした。私は、大概の事件は犯人の家庭環境に原因があると思っています。なので生まれ持ったクズ性なんてあるのか?とこの点はスッキリしなかったので、これは保留にしておく。

筆者はこの事件を調べる前、多くの人が無関心だったのではと思っていた。しかし、インタビューした殆どがこの息子をハッキリ記憶して、何かしてあげたいと気にかけていたそうなのです。ただ、誰もがそれだけだった。

どんなに同情したり心を痛めたりしても、行動を伴わない「善意」には現実を変える力はなかったのだ。

という一文が突き刺さる。

お節介ってマイナスなイメージの言葉ですよね。そのせいなのか、現代日本はお節介が少なくなっているんでしょう。

私もお節介は好きじゃない。ただ私が嫌いなお節介って、相手が自分を全面に出してくるやつ。「私があなたにやってあげて(良い気持ちになりたくて)とにかく、いいから、やってあげるの!!」というやつ。相手の気持ちが不在の、ありがた迷惑の類い。善意の押し付けとも言う。

それでなければ、誰かに気を配り目を配り「力が必要ですか?」というぐらいのやつはどんどんやっていこうと思いました。断られたらすぐ退けばいいだけ。相手の気持ちにさえ焦点を当てていれば、日本人もっとお節介になって良いと思うのです。

そしてこれが現在服役中の彼の「そういう子供を助けて欲しい」という願いの一助になったらいい、とも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?