🏥 父が脊椎圧迫骨折で再入院した話の続き6/22
さて、これはこの話⬆️の続き、午後編である。
ともかく一度帰宅して雑用を済ませた私は、母から電話がかかって来ないなあと気にしていた。
あまりにかかって来ないので、こちらからかけるべきか?と思った午後3時21分、母から着信があった。
私が直ちに出ると、母は息を切らしながら言った。
「お父さん入院したとよ。
それでね、あんたに電話かけるの忘れて、水田さんとこまで来とるとやけど。」
だから水田さんって誰だ。
よくよく聞きだすと、整形外科から歩いて帰ろうとしたらしい。
まだ実家から1キロほど離れているあたりにいるらしいので、車で拾いに行った。
乗せて連れて帰る途中、母は言った。
「なんか、入院の荷物とか用意して持っていかないかんのよ。
病院が6時までやって。」
そうだろうね。
前回の入院でもそうやったやん?
準備が完璧なわけも無いと思いつつ、母を連れて帰った。
帰宅して、母が玄関先に置いた荷物がこれである。
緑が父、青が母。
父の「用意は完璧」レベルの話は、「保険証は持ってる」レベルの話で、それ以外は何一つ持って行ってなかった。
とりあえず右往左往する母を宥めながら、前回の入院セットを出してくれと頼むが、うちの母はボケているので、無駄の整理整頓癖を発揮して、全部バラして、入院セットは無になっていた……。
まあいい。
気を取り直して、着替え、洗面道具etc用意していく。
これも忘れてはいけない。
老眼鏡。
筆記具。
ボックスティッシュ。
あと尿取りパッド。
細々。
父の部屋からボックスティッシュを持って行こうとすると、使いかけの開けたやつが四箱もあった。なんでだ。
簡単に書いているが、この間に、母親は届いた生協の食品類を冷凍庫に詰め込もうとして何故か私に助けを呼んだり(明らかに頼み過ぎ)、ちょうど電話をかけてきたお友達の渡鳥さん(仮名)と長電話を始めたり、中々のカオスであった。
5時過ぎ、やっとこさ出発したのだが、実家から1キロ行った辺り、ちょうど母を拾ったあたりで携帯が鳴る。
もしやと思って路肩に停めて着信を見ると整形外科からだった。
整形外科の職員さんは言った。
「すみません、奥様にも掛けたんですけど出られなくて…。」
私はちらりと母を見た。
母はしっかりと言った。
「さっき鳴りよった。」
……出ろよ!
職員さん曰く。
「ペースメーカー手帳をお持ちでなかったので、家にあれば持ってきていただきたいんですけど……。」
うちの父の「自称完璧」は、ペースメーカー手帳さえ持って行ってなかった。
荷物を差し入れて、後日介護認定のための説明をしたいと言われながら、この日、父は再入院した。