🎹音楽の先生が弔問に来る 12/1
この日は(父の)音楽の先生が弔問に来ると言っていたが、予定は午後3時だった。私は、午後は昼から用事があったので、夕方行く予定にしていたのだが、何故か午後2時45分ころ、母から電話がかかってきた。
「あんた今どこにおるとね。
公民館に挨拶に行きたいけん、乗せちゃらんね。」
……。
「いや、音楽の先生、3時にくるんやろ。
出掛けんで待っとき。
公民館は明日連れてっちゃるけん。」
と言うやりとりがあった。
夕方に実家に顔を出す。
年金の手続き書類が届いていたので確認するが、まあとにかく非常に煩雑だ。
これはぼちぼちやるしかないなあと思う。
そして、書斎のテーブルの上にバーンとCDとUSB、そして香典袋と菓子が載っていた。
音楽の先生からのものであった。
先生奮発し過ぎでは。
CDとUSBが母親に再生できるわけがないので、私が実家に持ち込んでいたノートパソコンを持参で母親の部屋に行く。
CDとUSBにはそれぞれ2019年11月、コロナ直前に行われた先生の教室の発表会の写真と音源が収められていた。
写真は実に64枚もあり、デジタルの時代だと痛感する。
曲を流しながら父の写真を再生するのは私個人としては不愉快な時間だったが、母が喜んでいたので良しとする。
先生は香典とUSBとCDと箱菓子まで持ってきたので、別途お礼が必要だなと思う。
そう言えば、前日の不意打ち弔問客の近所の鈴木さん(仮)をはじめとする四人組については、直接言うわけにはいかないのでここで暴露しておくが、四人で五千円の香典しか持ってこず、しかも鈴木さん(仮)は夫婦で来たのにきっちり一人一箱二千五百円(計一万円分)のコーヒーとお菓子の返礼をもらって帰ったと聞いて非常にイラッとした。
さすが、うちの父が老人会の仕事を溜め込んでいた時、父にはもう無理だから老人会の仕事を引き上げてくれと言ったのに知らんぷりをした鈴木さん(仮)なだけはあると思う。
そう、意外と根に持っているものである、私が。
そしてこの日。
ゴミの日である。
母にゴミはないのかと聞くと、ゴミの日を忘れていた。
なるほど、老人はこうやってゴミの日を忘れるのだなと納得して、この日も二袋出して帰った。