ナマケモノは葉っぱ四枚
「お金について考えていること」というお題を目にして
最初に思ったのは
「そんなに沢山いらなかった」
ということ。
若い頃はもっと必要だと思ってた。
ただでさえ貧乏な家に生まれて学歴もなければ才能もない。
社会不適合なのは分かりきってるので
せめてお金くらいなくては生きられない、と。
しかし残りの人生、予想がつく歳になって気がついたのは
私、他の人より圧倒的に少ない金額で生活できる。
ということだった。
元来ナマケモノなのである。
用事がなければ家から出たくない。
服は着心地さえ良ければ良いし、化粧は面倒だからしたくない。
人に会うとくたびれるから仕事以外で関わりを持つ余裕がない。
美味しいもの食べて動画見たり絵を描いたりしてれば
なんの不満もない。
活動的な人たちは、もっと世界を広げたいとか、
子供を持ちたいとか、社会の役に立ちたいとか思うんだろう。
でも私はそういうことをあまり思わない。
時たま奮起しても、何か成せるほどの能力がないと思い知るので
その度、欲も消え失せる。
かといって絶望しているわけでもない。
ああ、自分はこの程度だったんだなと身の丈に合った
余生を過ごせれば良いと思えるようになった。
そうすると本当にお金を使わない。
我慢している訳ではないのに月10万でお釣りが来る。
それに気付いた時、私が真っ先にしたのは
仕事を減らすことだった。
だって別に好きな仕事じゃないし。
人に会うと疲れるし。
結局、自分にとってのお金って
苦痛を避けるためのアイテムだった。
そんな話をすると周りの人は呆れた顔をする。
けれどもう、そんなんじゃダメだ、と非難されることはない。
コイツはこうしか生きられんのだと諦めてくれたらしい。
人間にもいろんな種類がいて、きっと私はナマケモノなのだろう。
ナマケモノは動かない代わりに食べる量も少なくて
日に葉っぱ四枚だって聞いたことがある。
私もそんな感じで、人より少なく働いて少ない金額で生きている。
割と早い段階でそれができて良かったなと思います。
本当に、お金って有り難い。