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【ミニコラム】UIデザイナーに行動経済学の学習をオススメしつつ、Tiktokの「回遊システム」の仕組みをUIに応用したら面白そうと言う話

三連休にだらだらツイートしては消したりしてた話を形に残しておきます。


※1: ほぼ自分用のまとめなので、わかりづらいかもしれません。
※2:他言語に翻訳する用に書いてるので、ところどころ日本語がおかしいかも。

行動経済学の本を読みました

日本は三連休だったので、私は行動経済学の本を1冊買って、カフェで読んできました。行動経済学はずっと興味がある分野なので、時間があるときには独学でそれっぽい本を読んでにわか知識を吸収したりしてます。

私は10歳のとき、学校の勉強を通じて「人がどう考えて行動し、何を作ってきたのか」に興味を持ちました。ゲーム業界を目指した理由は、それが目で見ることができる”人類シミュレーター”を作りたいと思ったからです。

この考え方は、現在の私のUXデザイン(とレベルデザイン)のスキルに結びついています。

行動経済学とUXデザインは親和性が高い

行動経済学は、経済学と心理学を融合させた学問らしいです。人々がどのように意思決定を行うかを研究します。合理的な選択を前提とする伝統的な経済学とは異なり、行動経済学は人々の非合理的な行動も考慮するので、実際のナマの人間の行動をより正確に理解することに近そうです。
(現在は行動経済学もちょっと古くて、ニューロなんとかという脳科学の話になったりするらしいですけども)

行動経済学とゲームUIデザインには多くの共通点があるように思います。
どちらもプレイヤーの行動や心理を理解し、それを基にデザインを行う点でよく似ているなと思います。UI/UXデザイナーが行動経済学を学ぶと、プレイヤーの行動を促せるような、悪く言えば操れるような、魔法のようなUIが作れるかもしれません。


行動経済学の概要を素人がざっくり書いておく(怒られそう)

本職の人に怒られそうですが、必要な言葉をピックアップしておきます。

概要1:選択アーキテクチャー
選択アーキテクチャーとは、選択肢の提示方法を工夫することで、人々の行動を自然に導く手法です。選択肢を制限せず、その配置や見せ方を変えることで、より良い意思決定を促します。

概要2:ナッジ
ナッジとは、「行動しようとする人の背中をそっと後押しする」的な意味らしいです。
小さな仕掛けや工夫を用いて、人々の行動を無意識に後押し・誘導する手法。インセンティブや強制や、制約をかけるのではなく、軽いきっかけを提供することで、人々が自然に望ましい行動を取るように導きます。

概要3:データ分析
いちおう説明挟んでおくます。データ分析とは、ユーザーの行動データを収集し、それを解析することで傾向やパターンを見出す手法です。これにより、ユーザーの行動を数値的に理解し、デザインの改善に役立てることができたりします。


TikTokのコラムから考えるTikTokの仕組み

参考:TikTokのコラム(TikTok For Business オフィシャルユーザー白書)

↑ ちょっと古い記事ですが、面白かったので読むべし!おすすめ!

このコラムでは、TikTokが従来のゲームのような能動的な選択システムではなく、受動的でゆるい「回遊」の仕組みを採用しているという興味深い話が紹介されていました。(Nashi所感)これを基に、TikTokの「回遊」の仕組みを行動経済学の言葉に当てはめて解説してみます。

1)選択アーキテクチャーを利用した回遊の仕組み
TikTokでは、ユーザーがアプリを開くとすぐにおすすめ動画が自動再生されます。この仕組みによって、ユーザーは動画を選ぶ必要がなく、動画を見始めることができます。
また、動画が終わると次の動画が自動的に再生されるため、ユーザーは手間をかけずに次のコンテンツにアクセスできます。これにより、ユーザーは「回遊」を自然に行うことができます。

2)ナッジを利用した回遊の仕組み
TikTokでは、「いいね」や「シェア」のボタンが目立つ位置に配置されています。このナッジにより、ユーザーは気に入った動画を簡単に評価したり、共有したりすることができます。
このユーザーの行動を元に、アルゴリズムがユーザーの興味に基づいて動画を推薦(リコメンド)し、ユーザーは次々と興味深い動画に出会うことができ、「回遊」の促進につながります。
ユーザーが目的を持たずに「回遊」するだけで、新しい発見や興味に出会える仕組みが勝手に構築されていきます。

3)データ分析を利用した回遊の仕組み
TikTokは、ユーザーの視聴履歴や反応(いいね、コメント、シェアなど)をデータとして収集し、解析しています。これらのデータ分析によって、ユーザーごとにカスタマイズされたおすすめ動画を提案&提供し、視聴時間を最大化しているようです。

(元記事を読んだ前提で捕捉)
「検索」と「購買」の相関関係が0.51であるのに対し、「興味」と「購買」の相関関係は0.8と強いことが示されています。つまり検索して商品にたどり着くより、興味が引かれる方向に回遊してたどり着いた方がエンゲージメントが高い的な話。

まとめ

つまり、ユーザーは「能動的」であることを実感することなく、無意識下に近いところで、過去の自分や、運営の方針、世間の流行りに乗っかることができます。
「自分で探す」「選択する」のストレスなく、ごく自然に、気付かないうち行動を選ばされているという仕組みですね。

この仕組みを利用すると、従来の能動的選択を行うUIとは違うアプローチが出来そうだなと思ったので、私これを利用して新しいUIの仕組みを作って社内テストしてみようかなと考えています。



みなさんも、ぜひ行動経済学を少し学んでみてください。
新しい発見ができて、気分転換になるかもしれません~。


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