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就労継続支援事業所B型に通う理由・工賃について

 こんにちは、ナシロです。
 自己紹介にも書いた通り、私は就労継続支援事業所B型に通っているのですが、目的は「体調管理」「通勤訓練」「リアルな人と一緒に同じ空間にいる」「生活リズムの改善」などです。ここに「生活費のたしにするために工賃を貰う」という目的は入ってません。では、それはなぜなのか?
 その目的について語る前に、そもそも工賃ってなんでそんなに安いの?みたいなところになるんですが、私たちってそもそも「一般就労」とか「障がい者枠での就労」が難しいんですよ。
 体力がそこそこあって、きちんとコミュニケーションがとれて、病気ともうまい付き合いができている。毎日通勤が可能である(リモートワークの場合でも少しでも体を動かすために周囲の散歩くらいは必要だと思っている派閥に所属してます)。正社員を目指すなら週五日から六日勤務。時間は大体八時間は必要だと思います。
 さて、こういうのはできるのだろうか。過去の私ならできました。でも、今の私は生活支援センターですら一時間で無理。作業所でも一時間やって休憩してを繰り返して、ようやく午後三時に退勤カードが押せる。実際、労働時間は四時間です。それでも体調が悪いときは、ソファで休ませてもらったり、随時スタッフさんに相談してなんとか頑張る感じです。
 そこでもらえる工賃は八百円です。果たして、このお金の重みは?と考えたいわけです。

就労継続支援事業所B型は生活の足しになるようなお金は貰えない。

 結論からいうと、これなんですよ。クソつまらない作業を延々と繰り返して、労働とお金が見合わない。クソ。とか考える人、いると思います。じゃあ、一般就労できるか?という考えになるんです。障がい者に厳しすぎる、弱者ビジネスだ、という人が一定数いるのは理解しています。ただ、私は彼らと一生わかりあえないと思っています。
 そもそも一般就労の人たちは、私たちの倍は仕事して、休憩時間も昼食時間くらいは決まっていても、本当にそれが確実にとれるかはわからない。作業内容も、もっと難しい。
 私が事務員時代にしていたのは、経理だったので銀行振込や現金管理、伝票入力、勘定項目の振り分け。本社勤務だったので、支店の経費の確認。
 仕事は午前八時半から始まります。その前に仕事をするための準備をします。私の場合は、八時にはきて制服に着替えて、とにかく準備をしていました。ようやっと準備ができてから、少しカフェラテを飲んで休憩。八時半になってから、もくもくと仕事。この頃はうつ病になっていたことを黙って就職をしていた(いわゆるクローズ)ので、眠気がこようが、イライラしようが何をしようが、相談は不可能。なんとか体調を保つために、安定剤をばくばく飲んでいました。それこそカービィー状態です。
 ついでに経理だったので、お金が絡んでくる。銀行から大金をおろして、それをいれた鞄をもった状態で会社に帰る。怖いです。でも、経理だからこそやっていました。現金管理もしていたので、お金が一円でも足りないと大騒ぎなんてざらです。
 そんな中、私は発達障害(ADHD、アスペルガー症候群)の症状に加えて不眠症がたたり、気が付いたら仕事中に寝ていました。誰も何も言いませんでしたが、営業部の方では噂になっていたと思います。この状態では社会人としてお金を貰うのはいけません。そのあと、同期との相性があわなくてうつ病が悪化して退職しました。

 私は前の会社と同じようにクローズで働くことは不可能だと思いました。そもそも療養していると、どんどん体力は落ちるし、リアルな人との接点が減ります。家族と医者以外と会話をしない状態が続けば、社会性はどんどん低下していきます。

 だから、B型にしたんです。工賃が安いのは知っていました。
 作業所の見学は今の場所を含めて三か所行きました。必死に考えました。まずは、休める場所があるのか、スタッフの対応はどうか、作業内容は自分にあっているか、無理ない範囲で働くことができるのか、など。
 作業所によってはとてもうるさい。休む場所がない。苦手な人がいる。作業自体、眠くなる。
 自分の中での基準はたくさんありました。体験をするまでもなく、あまりにもうるさいところはやめました。体験をしているときに、変な人に目をつけられて、我慢できるか自分に問いかけた結果、無理だと判断しました。
 院長先生は「自分に合わないところで働くのは避けろ」と言っていたので、それに従うようにしました。
 その結果、今の作業所と出会いました。
 なお、今の作業所と出会う前は精神保健福祉士さんに「作業所なんて無理」「親が死んだら生活保護で生きる」と言い切って、引きこもり宣言をしていました。院長先生にも「生活保護で生きるから、もうつらい場所に行くことを勧めないで!」とぶちぎれてました。私はよく院長先生と親に怒りをぶつけることがあるので。

 次、作業所の通所が決まると、私は精神保健福祉士さんにこういいました。「はやく就職しないとお金が足りない」「生活保護を許してもらえないなら、なるはやで障がい者枠で働かないといけない」「一体、いつになったら仕事をする許可がおりますか」と。
 そうしたら精神保健福祉士さんは「一年間週五日、何事もなく通えるようになってから、次のステップを考えましょう」と提案してくれました。
 なーんだ、そんなこと。簡単に決まっているだろ、とその時は思いました。社会復帰は近いと。しかし、実際に正式利用になってからそうそうと私は本気で死ぬことを考えました。
 次に、なんの目的で作業所に通うのか、家族と話し合った結果「体調管理」「通勤訓練」「リアルな人と同じ空間にいることの訓練」「生活リズムの改善」ということになりました。
 ちなみに、今の作業所はお弁当はでるけども、交通費はでないので、結果として手元に残るのは帰宅するときに飲み物を一つ買う金額程度になってます。

 でも、それでもよかったです。だって、あくまでもここはステップアップの場所。最悪、ここで一年間継続して働くことができなかったら、定期的に精神保健福祉士さんと面談しているので、相談ができます。一年間継続して働くというのは「一年間、週五日、メンタル的な体調不良にならずに、五時間(休憩時間が一時間ある)作業ができる」ということです。

 正直なところ、作業所って自分に合うところじゃないと本当に苦痛です。自分にあってると思っていても、死にたいくらい辛い波がやってきます。本当に合わないなと思ったら、そのまま行かないという選択肢をとります。
 でも、どこの作業所でも共通して言えたのが、生活費の足しになるようなお金は貰えないなってところです。だから、生活費の足しにするぞ!と思うことはやめました。だって、無理だし。その分、自分が働きやすい作業所選びに力を入れました。

就労継続支援事業所はA型だろうがB型だろうが職場です。

 次に私はイラストを描いて納品することを仕事内容に選んだので、一つの悩みができました。
 それは「就職するときに有利な資格がほしいけども、それは作業所では学べない」ということです。その次に「イラストがうまくなっても絵で仕事をする予定はないし、小説を書くのは好きだけども、それは趣味にとどめておこう」「じゃあ、一般の事務員を目指すか、前のように教育に携わるか」となりました。
 じゃあ、どうやって資格を取るのよ?というところですが、幸いにも作業所が終わるのは午後三時。電車に揺られるのは、片道三十分程度。隙間時間と帰宅後資格試験の勉強をするだけの時間はあります。
 問題は体力。まだ作業所に慣れていないので、休みの日を中心に勉強をすることを決意。

 作業所によっては勉強してもいいよ!みたいなところもあります。私が通っている作業所でもイラストを描くので、描けば描くほどうまくなる(人もいる)から、そのままフリーランスとして独立を目指す人もいると思います(たぶん)。
 でも、あくまでも職場なので結果として資格をとれるかとれないか、独立できるか否か、は全て個人の努力になります。
 ちなみに、フリーランスとも呼べないのですが、動画に関する台本を書いて月7万くらい稼いでいたこともあるのですが、安定した金額を得るには営業スキルが必要だとひしひしと感じました。次、有償依頼で小説を書いていた時は、営業スキルと、仕事上欠かせないコミュニケーション能力、あとは最低限これだけは決めておけという条件など、必要なスキルがたくさんありました。私は、全て一人で管理するのは無理だったので、そうそうと病みました。それでも、一文字一円で書いていた時は三万文字書けば三万円もらいました。多いときは十万近く貰えそうなときもありました。でも、マルチタスク無理です。

 じゃあ、作業所に通っていても次のステップなんて助けてもらえないじゃないか!!とぶちぎれる人、いると思います。

 そういう時のための就労移行支援所、あとはハローワーク。就労移行支援所に関してはお金は貰えないし、二年間の制限があります。だからこそ、生活リズムを整えるぜ!のノリでいくと、ずっと居残りの可能性がでます。なんなら、私はWebデザイナーになるぞ!と高望みをした結果、体力がないのでとにかく眠くなりました。二年間しっかりいて就職するぞ!という目標を掲げていましたが、当時の自分に言いたい。「愚かである」と。
 まず、行く前に生活リズムを整えて、体調管理もできるようにしておこう、みたいな。そのあと、ビジネススキルを学ぼう。だって、二年間しかいられないから。
 もう時間がないからさ!とにかく就職したいんだ!作業所で体調管理とかできるようになったし、就労移行支援所に行くだけの時間もないし、なんなら二年間使い切ったよ、という人はハローワークに自力で通います。でも、できればサポートしてくれる人欲しいですよね。そういう場合は区役所の人に相談して、就職の手伝いをしてくれる施設を紹介してもらいましょう。そして、そこを使いながらハローワークに通って、就活を進めましょう。

就労継続支援事業所に通う目的は人それぞれ。

 私が書いた内容はあくまでも私の意見です。一人一人、作業所にいく目的は違います。ただ、一つのところを見て、作業所ってクソじゃん、と思うのはよくないです。
 地域にもよります。作業所があそこしかないんだよ、そういう場合はどうしたらいいんだよ、と言われても無責任ですが何も言えません。ただ、メンタルを壊すくらいなら行かないで、行政の支援を受けて色々な施設を教えてもらう方が建設的かな?と。
 もう区役所がクソなんだよ、となったら、次に頼るのは病院。病院がクソ……な場合に関しては、もう別の病院を探すしかないです。せめて病院だけは自分にあった場所にしましょうよ。私は近くにいいところがなかったので、電車で通ってます。
 あとは、体力をつけるために散歩はしたほうがいいと思います。太陽の光を浴びるのです。熱中症危険アラートが出ているときに、水分もない状態で歩き続けるのはお勧めしないので、自分の好きな場所に行くのがいいです。近くのカフェでもいいし、図書館でもいいし、コンビニだっていい。最悪、自宅を一周でいいです。体を動かすのは大切だと実感しました。雨が降っても歩く人もいるくらいです。雨の日に出かけるのが億劫でも、近所のコンビニには行けました。

まとめ

 作業所って頭おかしい人しかいないよな、ガイジだらけだよな、とかネットの人は叩きます。もしかしたら、私が通っている作業所の人でも同じような考えの人がいるかもしれない。でも、人の頭が覗けるわけじゃないので、私は自分の目的のために通っています。
 工賃が安いのにも理由があるんです。私はA型には行ったことがないので、そこでの給料がどうなっているのかはわかりません。でも、何かしら理由があるはずです。
 自分にあった作業所が見つかるといいですね。では。



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