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会社に評論家がいるのなら大事したほうが良いと思います。

「評論家」という言葉がとても貶められていると感じます。
しかし評論家足りえない知識で足を引っ張る人がいるのも事実です。

評論するには知識と知的であることが必要です。知識と経験だけでいえば「顧問」や「ご意見番」という表現になりますでしょうか。

評論
① 政治、時事、文芸その他物事の価値・善悪・優劣などについて批評し論ずること。また、その文章。
② 特定の問題について協議すること。

批評
事物の善悪・是非・美醜などを評価し論じること。長所・短所などを指摘して価値を決めること。批判。

精選版 日本国語大辞典

価値・善悪・優劣など批評するには知識と知的態度でつくられた「ものさし」が必須です。批評の精度が高まるほど仮説の精度が高まります。このVUCAといわれる時代に満場一致なんてあるのでしょうか。経済学者のピーター・F・ドラッカー氏はこう指摘します。

成果をあげる者は、意図的に意見の不一致をつくりあげる。そのようにして、もっともらしいが間違っている意見や、不完全な意見によってだまされることを防ぐ。

ゼネラルモータースのCEOアルフレッド・スローンは会議で、"この決定に関しては、みんな意見が一致していると思っていいか"と聞き、出席者全員が満場一致の時は、"この決定の結果がどうなるか、もっと理解するための時間が必要だ。よってこの件については異なる見解を引き出して、さらに検討することを提案したい"そう言って、その場での決定を避けて、決定の期日をあえて先に延ばしにした。成果をあげた企業のトップ、そして、実績を上げたアメリカの大統領、リンカーン、セオドア・ルールヴェルト、フランクリン・ルーズベルト、ハリー・トルーマンはいずれも、"この決定がどんな結果をもたらすか"ということについての理解を深めるために、意見の不一致を生み出していた

ピーター・F・ドラッカー

会社に評論家足る人がいるからこそ、いろいろなアイディアが初歩的なミスや致命的な失敗からのがれ、活かすことができるのではないでしょうか。

アドバイスや批評のみだろうと、率直に言えるということが心理的安全性でしょう。

評論家と批判するだけで何もしない人は分けて考えるべきではないでしょうか。「評論家はいらない」という言葉は、意見の封殺ともいえるのではないでしょうか。

しかし評論家足る人には、そうそうなれるものではないので、気持ちは分かります。ですが評論家足る人がいるなら、それは財産だと思います。

お読みくださりありがとうございます。

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