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人生初の食事介助

 先日、人生で初めての食事介助をする、という方のサポート、というよりは、教えるために入った。

 この職場での初、ではなく、人生で初。

 教えるにあたって、何となくではあるが、自分の人生初の食事介助はどうであったか、を振り返り、さすがに詳細までは覚えてはいなかったのだけれど、残されたメモを読む限りは、さまざまな情報をまとめ上げるのには苦労していたのがわかる。

 さてどうしたものか、と思ったけれど、私はすなおに、自分の大事にしていることを伝えることにした。

 それともうひとつ、あくまで、ここでのやり方、ということも伝えることにした。

 ようは、それがすべてではない、ということだ。

 私が大切にしている食事介助というものは、

「安全に楽しく食事ができる」

 である。

 それが、私にとって一番大切なことであり、食事介助をする基本だとも思う。

 食事は安全に提供されるものだと思う。いくら早く終わらせようとしてパクパク食べさせ、結果飲みこみ確認を怠って誤嚥させることはありえないし、安心感もないであろう。

 食事は楽しいものである。楽しくなければ気持ちも下がり、意欲は低下するであろう。結果、誤嚥のリスクも高まるし、そもそも食べられなくなってしまうこともありうる。

 それだけ、危険性のあるものだという認識を持ちながらも、楽しめるような声かけ、雰囲気を作ること。

 それこそ、支援の役割だと思う。

 それぞれ、大事にしていることは違うと思う。どうしていきたいか、それぞれ。そうした自分の想いを持ちながら、介助にあたること。教わったことがすべてではなく、自分がどうしたいか、考えること。

 そんなことも大切にしてもらえたら、と願っている。

 その方にうまく、伝えられたかはわからないけれど。

 この先、さまざまな経験をしながら、どんな存在になっていくのか。

 少しでも、何か、感じられるものがあったなら、幸いだなぁ、と思う。

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ふみ
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。