しーっ

　何をしているの？　と声をかけようとして、さっちゃんは、人差し指を口元に持っていき「しーっ」って、教えてくれる。

　かくれんぼでもしているのかな？　私は「しーっ」って、何も言わずにさっちゃんのほうに近づいていった。

　さっちゃんは相変わらず「しーっ」って感じで、何かを見ている様子だった。それが気になって、さっちゃんが見ているほうに顔を向けると、そこにはかわいいねこちゃんが二匹いた。

　仲良く日向ぼっこしているみたいに隣同士くっついて、なんとも気持ちよさそう。

　私は「わーっ」って声が出そうになって、慌ててごっくんする。さっちゃんもそれに気づいたみたいで、キリッとした顔をしてから、うんうん、と首を縦に振った。

　さっちゃんは、ねこちゃんを見ながら　だらしなく　表情が崩れていて、本当にいい顔をしていた。

　ねこちゃんの顔はなんとも心地よさそうで、一緒になって眠ってしまいそう。

　そうして、私はそんなさっちゃんと猫ちゃんの三人に癒されながら、思わず、にやにやしては、静かに笑うのだった。