風景描写
しだいに白くなっていく部屋を見つめながら、半覚醒の目で朝を意識すると、さわやかな鳥の囀りが耳に届く。初めはささやかに思えたその声も、どことなく騒がしさを覚えると、雨が上がったのか、と錯覚する。
冷えを覚える空気に、肌が輪郭を帯びて浮かび上がる。
期待が胸を膨らませるように、明るげな窓を開けてみると、音もなく振る雨が線を描くように絶え間なく降り注ぐ。
そのときになってようやく、鳥の囀りだけではない、雨のリズミカルな音も存在していたことを、認識することができた……。
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