みんな同じになればいい
いつの日か、それは叶うものなのだろうか。
心に広がる街並みに、そっと窓を眺めながら見つめる世界を思い、羽ばたくときを 待っている。
外の世界は明るくも暗い色合いを纏い、陽射しのぬくもりも刺激も、そのときの心模様によって受け取られ方は変わるもの。
雨の雫に映る逆さまの世界は真っ逆さまに落ちるように天へとのぼり、何を描いた線となる。
暁も夕闇も似たような郷愁を胸に抱いて儚げな空気に あなたはだれ? と聞いてみても しーん とした静けさに鼓動ばかりが聞こえてくる。
いつの日か、いつの日か。
それは、叶うのだろうか。
この世界が終わりを迎え、完全なる闇に包まれるそのときを 待っている。
一点の光も見えない、闇が産まれることを、待っている。
そのときに、ようやく、何者もわからない、何者でもない、すべてが闇の眷属たる存在になる。包まれる、そのやさしさに、不安もなく、みんな同じ。
そのときを ただ 待っている
羽ばたける そのとき 待っている
いつの日か、それは、叶うのだろうか。
窓の外に広がる灯りを眺め しん と、瞳を、閉じた。
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。