見出し画像

千文小説 その1183:通せんぼ

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 機能としては、MacBookは、Airシリーズが、ちょうどいい。

 しかし、いざ、Airに決めてしまうと、iPadの新規購入や、手放したはずのデバイスの再設定が、したくなる。

 欲望の渦と、楽しくたわむれたいのであれば、それでいいのかもしれないが。

 僕は、物書き。

 MacBookは、執筆機器。

 びしっと決めて、迷いがないようにしたい。

 …ということは、次代以降のMacBookは、Proなんだな。

 今代の13インチを初代として、僕のMacBookは、永劫、Pro。

 あらゆる条件を満たせる解は、もはや、それだけ。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 稼ぎが乏しいので、インチや容量は、最小で。

 シルバーは苦手なので、スペースブラックで。

 OSの期限切れを目安に、購入の準備に入り、借金しない範囲で、そのつどの最新版を、新品で。

 無理をしたり、気合いを入れ過ぎたりしない。

 MacBookは、長寿。

 大事に使えば、十年は保つ。

 初めから飛ばさないのが、長距離レースの肝で、スパートは、ラストのみ。

 今から、お金、貯めとこう。

 今代には、長生きして欲しいけれど、いつ壊れるかは、神の領域。

 余裕を持って、次代を迎えられるよう、日頃から、心がけておきたい。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 iPadとiPodは、もう買わない。

 おそらく、iPhoneのSEシリーズも、迎えない。

 MacBookは、Proシリーズ、スペースブラック、最小構成単位。

 では、SIMカード入りの、現役iPhoneは?

 …アップグレード終了の予告と同時に、その年の最新モデルに、乗り替える。

 そこは、揺るがさない。

 MacBookは、多少、古くても、iPhoneは、常に、OSを、アップデート可能に、保ちたい。

 となると、毎回毎回、三眼のProシリーズでは、きついのでは?

 無印のiPhoneが、斜め二眼だった時は、なんとなく、デザインが落ち着かず、買う気にはならなかったが。

 現行最新版が、縦二眼に戻った今、これだったら、買えるのではないか。

 Pro一択よりは、やや迷いが出てきた、と同時に、MacBookが、Proシリーズに定まって。

 iPhoneもMacBookもPro、だと、金銭的にも、精神的にも、厳しい。

 どうなの?

 次代は、無印にする?

 それとも、Proでも無印でもいいよ、くらいにしておく?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 おやつのするめをかじり終え、満腹で、寝落ちした愛猫を、ひよこの毛布でくるんで、抱き直し。

 食べ残しのイカを口に、天井を仰ぎます。

 容量は、256GB。

 インチは、スタンダードサイズ。

 色は、白黒銀赤以外。

 これらの必須条件だけでは、Proか無印か、決定づけることはできない。

 ならば、iPhoneにおけるシリーズとは、ひとえに、趣味の領域なのでは?

 MacBookは、際限のない欲望を抑えるために不可欠な投資、という意味合いもあるが。

 iPhoneは、Proでも、無印でも、必須条件を満たせる。

 無印のiPhoneを買ったがゆえに、新型iPadが欲しくなる、ということはない。

 今代の14 Proが、名機であり、筆頭愛機であることは変わらないけれど、だからと言って、次代以降もProで、とまでは、言い切れないのではないか。

 あくまでも、物書きという観点から、思い入れを、脇に置いて。

 iPhoneは、Proなのか、無印なのか?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 炬燵の上、細長い、薄い箱を、そっと開け。

 鎮座する、小さな、白い、二眼のiPhoneを、見つめます。

 うどん職人に扮した梨の妖精が、陽気に、生地を踏んでいるステッカーが、背を守っている。

 …結局、この、iPhone12 miniともめたから、反動で、14 Proに、しがみついたんだな。

 容量は、128GB。

 インチは、ミニサイズ。

 色は、ホワイト。

 上記の必須条件の、完全なる裏返し。

 ではなく、上記の必須条件は、12 miniの完全なる否定として、生み出された。

 確かに、12 miniは、iPhone史上で、さほどの価値を認められていないし、実際にも、使いづらかった。

 しかし、人情として、そこまで、むげに、駄目出ししなくてもいいのでは。

 罪悪感のようなものが、12 miniを使い終わってから、梨の妖精のステッカーを貼らせた。

 人質、ならぬ、妖精質。

 愛せますか?

 あんまり、使い勝手は、良くなかったけれど。

 …さすがに、再設定は、できないな。

 思い出の記念としてなら、仕方ない。

 じゃあ、無印には、帰らないんだね?

 そうだね。

 このまま、Proで、行こうかな。

 梨の妖精が、両手を広げて、無印への道を、通せんぼです。それでは、また。

いいなと思ったら応援しよう!