![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160502804/rectangle_large_type_2_27d9bbc158f6ea1bf2f08e4d75062db0.jpeg?width=1200)
千文小説 その1136:肌風
こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。
黒が、悪いのではない。
黒と白が、ハイコントラストで迫るから、きついのだ。
そう気づいて、無印の第九世代のiPad。
黒縁のケースに、太いブラックベゼル、とにかく、ひたすら真っ黒な機体の画面設定を、ダークモードにしてみました。
ブック、ミュージック、Safari。
よく使うアプリの背景が、ものの見事に、漆黒。
書籍や音楽やショートカットが、暗い背景に、ぽつぽつ浮いて、神秘の小島のよう。
そして、これまで気になっていた、縁と画面の境目の、ぱっきりとした白黒の対比が、かなり、ぼかされた。
これなら、いける。
使ってみよう。
そうしよう。
ぬふぬふー。
ぐふぐふー。
こらこら。
むんぎー。
タブレットと僕の顔の間に割り込んで、なぜか、画面ではなく、こちらをガン見してくる、可愛い妨害工作を、いなしつつ。
秘技、毛布掛け、を繰り出して、膝の上で、休んでいただき、どうにか、操作を続行します。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
結論から言うと、…引き分けか。
YouTubeで動画を観る、のは、素晴らしく、観やすい。
しかし、ブックで読書をする、のは、なんとも、落ち着かない。
黒地に白文字、というのは、白地に黒文字、で育ってきた身には、一朝一夕には、なじめないもの。
あまりにも、見た目に気を取られて、肝心の、文章の内容が、うまく受け取れない。
なので、電子書籍だけ、ライトモードに戻してみるも、それでは、これまでと同じ。
やはり、白黒コントラストにやられて、いっそう、落ち着かず、すぐにアプリを閉じてしまう。
…困ったな。
iPadの役目は、主に、電子書籍リーダーなのに。
ネットの動画は、これまで通り、必要な分だけ、iPhoneやMacBookで、観ればいい。
読書は、やっぱり、無印の第五世代のiPadが、最高なんだよな…。
iPhone12 miniの時は、白との格闘に敗れて、あえなく、リセット。
先代の、シルバーの、無印の第九世代のiPadの時は、銀との死闘に負けて、知人に譲渡。
今代の、スペースグレイなのに、ほとんどブラックな、無印の第九世代のiPadの際は、黒との激闘を繰り広げて、…どうなるんだろう。
僕が勝てば、すなわち、無印の第九世代が、見事、炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンの仲間入りを果たせば、今後、ブラックの機体が参入するハードルが、うんと低くなる。
だが、僕が散れば、すなわち、無印の第九世代が、リセットしかないね、という結論に達せば、必然的に、白も黒も銀も駄目。
次代のボディーカラーの選択肢が、狭くなる。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
…黒ではない、となると、MacBookの将来にも、影響が及ぶ。
というのは、次代を、Proシリーズにする、となると、スペースブラック、もしくは、シルバー、の二択になる。
シルバーは、キーボードの真っ黒との対比がきつ過ぎて、無理。
だが、スペースブラックは、文字通り、どこまでも、黒い。
果たして、耐えられるのか。
MacBookは、とにかく、高価。
貴重な所持金を無駄にしないため、Airシリーズの、スペースグレイ、ミッドナイト、スターライト、のどれかにするべきなのでは。
無印の第九世代のiPadともめることで、このように、MacBookの次代が、ぐらぐらに。
いいかげん、忍耐の限界。
そもそも、電子書籍が読みづらい、という時点で、アウトだよな…。
noteの原稿も、外付けキーボードがないと、書けないし。
読み書きができないデバイスを、物書きとして、いたずらに、養い続けて、いいものか。
あきらめるか、ふんばるか。
いらいらします。
じりじりです。
それでも。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
自動で、手が動きます。
無印の第九世代のiPadを、手に取って、そっ。
天板から、床に置きます。
ふわっ。
安心の空気が、辺りに広がるのを確認し。
天井を仰いで、ため息を。
これにて、無印の第九世代のiPad、リセット、確定。
ですよね…。
我ながら、さすがに、粘り過ぎ。
ケースは、処分、本体は、箱詰め。
頃合いを見て、リサイクルに回そう。
いいも悪いもない、心身が拒むから、そうせざるを得ない。
割り切って、振り切って、さて、どうする。
カメラレオンは、総勢、六台。
今のところ、みなさん、元気で現役、早急な増員は、必要ない。
ここを基準に、始めればいいのでは?
累々たる過去は、さしあたり、脇に置き。
数々の試練を乗り越えて、丈夫で長持ちしている、真の愛機たちを、バッテリーの寿命まで、大事に、お世話申し上げるのが、ユーザーの僕の、第一の務めなのでは?
古い殻を破り、新しい風を、肌に浴びたいです。それでは、また。