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千文小説 その1195:望遠

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 久しぶりに、最寄りの電器店を訪れ、じっくりと、売り場を見て回りました。

 やっぱり、僕は、iPhoneが好きだ。

 最新モデルの、縦二眼も気になるし、もちろん、三眼も。

 資金が許すなら、毎年、買い替えたいくらい。

 対して、やっぱり、iPadには、愛がない。

 かっこいいね、とは思うけれど、無印でもProでも Airでも、似たり寄ったり。

 どれでもいいんじゃない、となって、いまひとつ、買いたくならない。

 せめて、クローゼットに眠っている、無印の第九世代に、ケースを付けてみたら?

 アクセサリーコーナーで長考するも、…いや、いいかな。

 結局、買わずに、店を後にしました。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 炬燵の中、爆睡の愛猫に、布団の裾で、換気の風を送りつつ。

 天板の上、静かに並んだ、五台の愛機たちを見やります。

 iOS搭載機器に関しては、iPhoneのProシリーズを買い継ぐということで、決着を見た。

 iPadも、iPodも、追加しない。

 残るは、MacBook。

 先ほどの店では、MacBookの店頭販売は実施しておらず、MacBookについては、やっぱりこうだね、という確信は、得られなかった。

 こうして、部屋で眺めても、…どうなんだろう。

 Windowsよりは、MacBookだよね、くらいの感想しか浮かばず、MacBookが好きかどうか、義務で付き合っているだけなのか、判然としない。

 判然としないまま、なんとなく、毎日使っていて、問題はないのだが。

 一つ、言えることがある。

 僕は、少なくとも、この機体を、noteの記事執筆にしか、使いたくない。

 電子書籍を読んだり、ミュージック・ビデオを観たり、インターネット検索をしたりは、できれば、したくない。

 そう思っていることは、どうやら、確からしく、よほど、iPadが充電中、とかでなければ、プライベートタイムには、開かない傾向にある。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 じゃあ、新型iPadを買って、キーボード付きカバーを添えて、簡易版ノートパソコンにして、使えばいいのでは?

 やってはみたものの、惨敗。

 カバーというカバーは、廃棄処分、本体は、リセットのうえ、封印。

 もう二度と、同じことをする勇気はない。

 残る可能性としては、初めから、専用キーボードのない、iPad miniを購入し、完全に、無印の第五世代の後継機として、すり替える。

 でも、小型のiPadより、iPhoneが、好きなんですけど。

 となってしまい、いまいち、そちらへも、向かえない。

 …やっぱり、MacBook、必要だよな。

 本業だけではなく、プライベートでも、仲良くお付き合いしたい。

 友達に、なりませんか?

 しーん。

 しーん。

 …まあ、当たり前だよな。

 急に、そんなこと言われても、僕だって、どぎまぎしてしまう。

 まして、相手は、一般に、感情はないとされている、無機物中の無機物、ノートパソコン。

 心を開く、以前の問題で、心って、何?

 哲学的な領域に足を踏み入れざるを得ない、実に無謀な試み。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 しかし、実際問題、MacBookと親しくならないことには、先へ進めない。

 iPhoneには、画面とバッテリーが小さ過ぎるという限界があり、どんなに好きでも、あらゆるデジタル作業を負担させることはできない。

 iPadで代用できれば、万々歳なのだが、無印の第九世代ともめ抜いたことで、その線も、潰えた。

 無印の第五世代が、あと十年保つとは思えないし、将来的には、SIMカード入りのiPhoneとMacBookの二台で、業務と日常を、回していくことになる。

 頼むよ、MacBook。

 せめて、もう少し、出番が多くなってくれないか。

 必要最低限の関わりしか持ちません、では、いかにも、冷淡。

 どうして、僕は、なかなか、MacBookに、触ろうとしないのか。

 先代のAirの際は、バッテリーが、あまりにも速く減るものだから、かなり節約傾向にあったけれど。

 今代の、13インチのProは、購入後、まもなく三年になるも、バッテリーの最大容量は、未だ、100%。

 今のうちに、じゃんじゃん使わないと、ほぼ新品のまま、OSの期限が切れてしまう。

 …なんて、下心満々で、友達になりましょう、とか言ってるから、信用されないのでは。

 どうなの?

 実のところ、僕は、MacBookを、どう思っているの?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 書けていれば、それでいい。

 その他は、使っても、使わなくても、どうでも。

 …それだけ?

 それだけ。

 …真の友達への道は、かなり、遠そうです。それでは、また。

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