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千文小説 その1210:天井知らず

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 人生、何が起こるかわからない、というのは、真理だとしても。

 なんとなく、こうなるよな。

 やっぱり、そうはいかないよな。

 予感・予測というものは、確かにあり、おおよそ、外れることはない。

 僕は、多分、これから、背広にネクタイで、会社に勤めることはない。

 知人の経営するウェブマガジンに、本格的に参入することはあっても、定時出勤や退社は、ないだろう。

 そして、物書きと言っても、賞を受けるような作品を、世に出す確率も低い。

 noteで、有料記事を販売する、というのが、今のところ、最もありそうな路線。

 しかし、それはかつて、一部、試したことがあり、見事に、滑った。

 以降、記事に値段を付けることに対しては、慎重になっており。

 もし、必要なら、千文小説とは別に、有料用として書き下ろした方がいいな。

 でも、何を?

 という段階で、止まっていて、まだ、その時ではないらしい。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 同様に、MacBookに関しても、おそらく、もう二度と、Proシリーズは買わない。

 将来、収入が増減しても、僕は、電子機器一台に、二十万円以上は出せない。

 基本的に、中古もなしなので、新品を、Apple社の公式オンラインストアで、となると、必然的に、Airシリーズ一択。

 型落ちにするか、最新モデルにするか、迷いどころは、それくらいで、色は、スペースグレイ、容量は、最小。

 あとは、買い時を、見極めるだけ。

 なのか?

 …なんだろうな。

 強い意志を持って、流れに逆らうことができる人もいらっしゃるでしょうが、僕は、そうではない。

 諸々、残念無念はありますが、大筋では、従容と、従わせていただきます。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 だが、やはり、人生、何が起こるかわからない。

 ほんのわずかな細部の差が、めぐりめぐって、大筋を、書き換えてしまうかもしれない。

 今、僕は、四十歳ちょっと。

 昔で言うところの、男の大厄、いろいろな意味で、人生の岐路に差し掛かっている。

 ぴちぴちの若さは失ったが、老け込むには、まだ早い。

 がらりと一掃することもできるし、穏やかに閉じていくこともできる。

 こればかりは、パーソナリティーと密接な関係があり、他人様のご意見を、そのまま当てはめることは、無理。

 つまるところ、自分は、どうしたいか。

 見えない事実として存在する大筋には、僕の個人的な感情は、反映されない。

 あくまでも、そうなんだろうな、という程度で、それと、僕がどうしたいかは、違う話。

 僕は、どうしたい?

 書き続けたい。

 これは、即答。

 でも、今のままだと、お金が…。

 …その通り。

 成人した社会人として、明らかに、一人前以下の稼ぎしか得ていないことが、フリーライターになってこのかた、心の隅に、常に、重くのしかかっている。

 年齢を重ねるほど、心身のメンテナンスに、エネルギーを費やすようになる。

 幸いなことに、今はまだ、恒常的に病院のお世話になる事態には至っていないけれど、いつ何時、動けなくなるとも限らない。

 炬燵で爆睡のぬいぐるみの猫とふたり暮らしの、貧しいおじさんに、いったい、何が、できようか。

 どうすれば、大筋に真っ向から立ち向かわず、さりとて、大筋に忠義を尽くし過ぎることもなく、これしかないよな、という生き方を、生きながら、探り当てるに至れるの?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 ここで、細部が、登場です。

 大筋の細部を、見ようとするのではない。

 一見、大筋には関係ない、ほんのささやかな何か。

 それこそが、抜け道。

 天から与えられた、と言って過言ではない、差し違えず、飲み込まれず、真に人生をエンジョイするための合鍵は、どこ?

 これもまた、人それぞれ、時と場合による。

 今まで愛用していたのでもなく、好きになっていきたいと意気込むのでもなく。

 ふっと現れて、またふっと消えていく、心動くものに、最近、出会わなかった?

 …どうだろう。

 ずっと、MacBook問題にかかりきりで、周りを見る余裕などなかった。

 どう考えても、MacBookは、僕にとって、大筋に属する。

 だから、はっきり言って、MacBookがProだろうがAirだろうが、拘泥する必要は、どこにもない。

 そうではなく、そういう細部にこだわるのではなく。

 気持ちのいい未来、を思い浮かべる時、思いつくものは、何だろう?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …息がしやすいこと、かな。

 今は、なんだか、窮屈。

 もっと、のびのびしたいな。

 閉じ込められている感じが、嫌なんだ。

 何に、閉じ込められているの?

 上限。

 撤廃すれば?

 そうしようか。

 というわけで、今後のテーマは、天井知らず、です。それでは、また。

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