[短編小説]GTO物語 ターン編15
いくつかあるうちの出来るだけ客が少なそうな喫茶店を選んだ。平日の昼間に制服姿の女子高生と行動を共にするのは人目が気になる。裏通りの喫茶店に入るまでも通り行く人からちらちらと視線を送られるのが気になった。
喫茶店はチェーン店ではなく昔から続いてそうな趣のある店にした。ドアを引くとコーヒーのよい香りが鼻の奥まで通った。テーブルや椅子、内装は木製で店全体が濃い茶色、古い本棚には漫画本が並んでいてゆっくりとした時間が流れている。店内に入っても特に「いらっしゃいませ」の案内も聞こえず