CM ・イズ・デッド①
TV-CMが本当につまらない。
かつては時代の最先端を行き、誰もみたこともないような景色、マイケル・ジャクソンやシュワルツネッガーなど大物外国人タレントを起用するなど、びっくりするようなキャスティング、時代を彩る音楽、贅沢に作り込んだ奇抜な衣装、そして何より発想の新しさ!
かつて、TV-CMは数々の流行、カルチャーを生み出していた。
しかしネット時代になり、誰もが驚くような映像を毎日のように見ることができるようになってしまった。
さらに見るだけでなく、誰もが映像を作り発信するようになった今、CMは全く新しさを提示できなくなり、完全に衰退してしまった。
最近では新しいものを生み出そう!とか、みんなをびっくりさせてやろう!という気持ちもみられない。
そう思わせるのは一連のビール関連のCMだ。
どのメーカーも、テーブルひとつだけあるセットにタレントが数人いて、一人がビールをすすめ、すすめられた人が飲んでただ『うまい!』というだけ。違いは背景の色だけ、やってることは驚くほど同じ。
最初はキリンだけやってたような気がするけど、最近はどのメーカーもこの手法を使っている。
ここにはクリエイティブのかけらもない。
ただタレントをキャスティングするだけでおしまい。
正直ディレクターなんていなくてもできちゃいそうなレベルだ。
かつてビールのCMといえば、CMの花形だった。
そのビールはどんな人が、どんな気分で飲むものか?
そのビールならではの世界観を競って描いていた。
その世界観を描くために、世界中でロケをしたり、みんなが憧れるようなセットを作った。
しかしもはや世界観なんでどうでもいい、クリエイティブなんていらないということになったらしい。
そんなものなくても商品は売れてるから、無駄な金を使う必要はない、というところか。
そもそも若い人はTVを見ないし、たとえ見ても録画してCMは飛ばしている。
見る人もいない、作り手もやる気がない。
そんな状況で、今の時代、高い広告費を払ってTV-CMをやる必要があるんだろうか?
CM大好きだったから、悲しいけど
CM・イズ・デッド。
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