魂は今どこにあるの?
年齢だけみると、いい大人なので「ちゃんと考えなきゃな」ってことも色々と増えている。
私が小さいころ。40年ぐらい前。
居間から襖をあけると、その隣の和室には仏壇があって、おばあちゃんが、毎月お坊さんを呼んで、お経をあげてもらっていた。お線香の香りがしたり、仏壇に手を合わせたり。それは日常なことであった記憶がある。
それから、おばあちゃんが亡くなり、父と母の世代になったころ。今から15年ぐらい前に、父と母は一軒家からマンションに移り住み、仏壇もマンションへと移った。お坊さんを毎月呼ぶことは無くなっていたが、私が年に数回帰ったときには、お線香の香りがしたり、仏壇に手を合わせることはあったように思う。
2年前、父が亡くなり、認知症の母は高齢者住宅に入居した。仏壇は母が住むその部屋へと移ったが、火気厳禁のその部屋からお線香の香りがすることは無くなり、手を合わせるのは、ほとんど私だけになった。その頃から、実家と呼ぶ場所が無くなったと自覚したように思う。
このたび仏壇は私の家にやってきた。新築には違和感のある、古くて大きくて、黒々としたお仏壇。私が小さかったころの、あの実家から、巡り巡ってやってきた。中に乗っている方々もさぞかしキョロキョロしてることだろう。
これから、仏壇、先祖の方々とどう付き合っていくか。それは自分しだいとなった。
北海道は本州ほど先祖代々受け継ぐ習わしや本家分家などのしがらみのようなものは薄いと言われている。ただ、ここで全てを断つ理由もないし、反発するほどのこだわりもない。だから、私なりに仏壇を引き受け、必要な時季にお坊さんを呼んでお経をお願いすることはしていこうと思う。
まずは、この古い仏壇を買い換えることにした。新しい仏壇は来週届くのだが、今朝初七日に来られたお坊さんが、古い仏壇の『魂抜き』をしていった。
来週、新しい仏壇が来たら『魂入れ』をするという。
今、魂はどこにあるのだろうか。
わからないことだらけだ。
これから理解していきたいと思う。
ま、それなりにだけど。
いつも読んでいただきありがとうございます。