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はなればなれになる覚悟。

「東京のプロジェクトをなさじに任せたいという話が社内で出ている」と聞かされて、二週間が経った。

もし、その話が進むと、単身赴任になる。

家族を札幌に置いて、東京に行くことになる。


今夜、上司とその件について打合せをすることになった。東京にいる部長とオンラインで。

家族と離れ離れになるのはつらい。

お兄ちゃんはそろそろ引退だが、息子たちの野球が見られなくなるのもつらい。
 

つらい思いをするからって、大きな報酬があるわけでもない。それなりに手当は付くだろうが、二軒分の生活費が掛かるのだから大幅な赤字が予想される。
 

「物分りが良いなさじなら」と上司が軽率な態度で来たなら、許さない。

「こういうこともあるよね」「仕方ないよね」「サラリーマンだし」なんて、言葉は聞きたくない。まもなく勤続30年を迎える会社。

どうか失望させないでほしい。

どうしても私が行く意味を、納得できる言葉で、誠意を持って伝えてくれることを強く願っている。


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なさじ
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