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『ポケットモンスター バイオレット』を2025年にプレイしての感想
はじめに
はじめに申し上げておくと、純粋な初見プレイではありません。DLC前編あたりまではゲーム実況動画を流し見してストーリーを知っていました。その上で改めて遊び、大変楽しかったということ、またたくさんの感動をもらったということを詳細に感想として残すためのnoteとします。noteはあまり使わないので、機能がうまく使えていなかったら申し訳ありません。
ストーリーの内容に大きく触れます。プレイ前の方はここでブラウザバックされるかもしれませんが、一文だけ書かせてください。
このゲームめちゃくちゃ面白いです。
1.プレイに至った動機
ポケモンがやりたい。これだけです。その思いの高まりに逆らわずプレイを始めました。
2.『ポケットモンスター バイオレット』というゲームに対する感想
先に自身のポケモン遍歴を軽くお伝えします。ポケモンシリーズ初プレイは20年前ほどのエメラルドで、ブラック2までは全てのシリーズをプレイしていました(探検隊やその他の形式のポケモンゲームは含みません、いわゆる大元のシリーズに関しての話です)。
そこからはゲーム自体から離れており、今回バイオレットを完全(ではない)クリアしたのが、恐らく長編ゲームでは10年ぶりぐらいの出来事になります。
『ポケットモンスター バイオレット』は、長らくゲームから離れていた人間が強く遊びたいと思う、そしてクリアまで夢中になれるパワーのある素敵なタイトルだったと感じています。
個人的に最も惹きつけられたのはポケモンバトルを主軸とするヒューマンストーリーです。赤緑の頃からポケモンには“勝つ、負ける”に時に振り回され、時に何かを学んでいく少年少女の姿が強く描写されていると思いますが、今回のタイトルではその要素が前面に出ていたと感じました。
いじめや不登校、粗悪な家庭環境や度を超えた科学技術による環境破壊の危機、生物に及ぼされる被害……現実とリンクする様々な問題に関して、あくまで主人公はポケモントレーナーとして“勝つ”ただそれだけのことを繰り返し、持ち前の人好きのする態度もあってか周りの人間たちに良い影響を与えていく(DLCに入るまでは……)といった大筋ではなかったでしょうか。
設定としては勉学も立つということですが……プレイヤーの操作できる範囲で主人公にさせられることはやはり、ポケモンバトルで目の前の相手を、負かせてやること。道端のトレーナーを、ライバルを、ヌシを、ジムリーダーを、ボスを、四天王を、チャンピオンを、マジボスを、ダチを、そしてプログラムまでもを、負かせてやること。
主人公は、負けた相手が敗北の先に何かを見つけていく姿や、自らがもたらした勝利が相手にどう利するかといった顛末を見届けていく。そうして出来た思い出こそが、主人公の、プレーヤーである私の“宝物”になる。
流石にここからは人によるでしょうが、私にとって!今回のタイトルで大事なのは、どれだけポケモンを強くしたか、どれだけ集めたか、どれだけ勝ったか、といった内容や数値ではありませんでした。
最初から最後まで運命を共にした相棒6匹、アカデミーの仲間や先生たち、ジムリーダーや四天王、そしてキタカミやBB学園のみんな、通りすがり時に捕獲した様々なポケモンたちに出会えたこと、それぞれに残る思い出。やはり思い出こそが今回得た宝なのだと思います。
そこまで思わせてくれる人間たち、ポケモンたちのストーリー。これが素晴らしかった。今までプレイした全てのポケモンで一番心を動かされたタイトルだと自信を持って言えます。
3.本編クリアまで
ストーリーの概ね全てを見届けた今、本編クリアまでは気の良い仲間としっかりした大人に守られたピカピカの青春だったんだなあ、と思います。唯一エリアゼロは大人の庇護から外れる部分にはなりますが、そこですら仲間たちやAIのあたたかみ、アギャッスとの絆に守られていました。
具体的な本編プレイ中の話をすると、まず難易度にまつわるプレイミスがあり、ちょっとあたふたしました。
どういうミスかと言うと、最初の頃はマップから目的地の詳細情報をちゃんと読まずに遊んでしまいました。想定された順番から外れてチャレンジに挑んでしまった結果、急に難しいチャレンジにぶつかり……急いでレベル上げをした後、簡単なチャレンジをサクサククリアしてしまうことに。途中からはマップの情報に気がつき、概ね順番通りに遊べました。
うっかりミスの話は以上にします。というか、オープンワールドゲームなので、ミスでもなんでもないかな?好きな順番で遊べばいい、というものかもしれません。
本編ストーリーの話に戻りますが、個人的に熱い!と思ったのはオモダカに勝った直後行われるネモとのバトル、の、勝利後流れるムービーでした。途端に目を覆うネモ、心配そうに様子を伺うギャラリー、そして次の瞬間目をかっぴらいて大喜びする彼女。セリフが良かった。
「だって わたし 本気で 戦ったのに……」
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本気でぶつかって、それでも負ける、負けられる相手がいること。
この幸福を私は誰より、ポケモンプレイヤーとして、最強を宿命として背負う主人公を見届けるものとして、知っているつもりでいます。
ネモちゃんはこの瞬間をずっと待っていたんだと思うと、共感なのか、羨ましさなのか、眩しさなのか……それとも彼女の友としての喜びなのか。自然と涙がこぼれました。
私も本気だったから。本気で戦いました。チャンピオンへと至る道で相棒たちはまあまあレベルが上がってしまって、もしかしたら余裕の戦いかもしれない。そんなのは杞憂でした。気づけば手持ちは残り1匹、苦楽を共にしてきた相棒:ラウドボーン。本当は手が震えてしまうような大ピンチなのに、このバトルにおいては、このバトルだけは、それが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
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私だって本気で戦った。本気で戦って本気でピンチに震えて、そんなバトルがネモとできることが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
だから彼女が本気で戦ったのに、って言ってくれた時に次から次から涙が溢れ出たのだと思います。ライバルが、自分と同じことで喜んでいる。この瞬間同じ気持ちを共有している。そう思わせてくれた彼女に、あのバトルにはこの先もずっと感謝し続けるのだと思います。
ところでこのバトルは見事初見で勝利を掴み取りましたが……本編中に1度だけ初見で敗北を喫したバトルがあります。
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ネモちゃんに話は通しておきますから。
全然話すっ飛ばしちゃったけど道中のジムリーダーたちもかなり好きでした。“推し”はコルサです。あのテンションでしっかり主人公のこと気に入ってるのすっごくいい。
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コルサさんの話はまたDLCの感想でもします。アヴァンギャルド!
エリアゼロに入ってからは、正直4人で旅できるのが嬉しくて楽しくてウキウキでした。ペパー君とキュウスはずっと複雑だったよね。でもあの冒険は楽しかったとくくります。楽しかった。いっぱい写真撮った。
なんでそんなに楽しかったかというと、このゲームで唯一、あの4人で行動できる場面だったからです。そもそもポケモンというゲームは大半が孤独の修練です。だからこそ歴代シリーズでも、湖にギャラドスを探しに行ったりハクタイの森を抜けたり(ダイヤモンドパールの話ばかりだ)誰かと一緒に行動できるシーンが強く印象に残っています。
今回のタイトルはプレイヤー同士4人まで一緒に冒険ができるとのことですが……もちろん時期を逃したプレイヤーにはいまのところ縁のない話ですが……もしプレイヤー同士の通信プレイを経験していたとしても、エリアゼロの冒険は強く印象に残ったことだと思います。ネモとペパーとボタンは、とっても大事な仲間ですからね!
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どこかで彼らとまた一緒に冒険できないかなあ。ポケマス始めてみようかな……
4.DLCクリアまで
※ここからは憤りを表現するためにも文体が変わります。ゲームへの批判ではなく、感想としての憤りです。
本編では“強さ”にあたたかさ、眩しさを信じていられた。主人公の強さによって物語は前に進み、友には笑みが生まれ、やがてたくさんの人々と絆が芽生えたから。
“冒険”に楽しさを感じられた。拾い集めたアイテムはポケモンを癒し強くする道具、自らのファッションを多彩にする衣服の元手となったから。捕まえたポケモンは1匹1匹がエピソードつきのとっておきだったし、写真は1枚1枚が趣向を凝らした自慢のスナップショットだった。
キタカミの里ではどうだ。コミュニケーション不足も相まって、主人公の強さは一人の少年の心を焼き尽くした。
ブルーベリー学園ではどうだ。コツコツ静かな楽しみだったアイテム拾いは、あんなに好きだった写真は、慎重に大切に積み重ねたポケモンゲットは、無機質なポイントに換算される。ポケモンバトルの強さは積み重ねるものではなく蹴落とし合い奪い合うもの。勝てば上がる、負ければ落ちる。例外はなく。
DLC前半、「もうこれ以上勝ちたくない、これ以上特別な思いをしたくない」と吐き捨てるような気分になった。DLC後半、「こんなアイテム拾いの、こんな写真の、こんなポケモンバトルのなにが楽しいんだ」と項垂れそうになった。作り物のドームの真ん中、次に写真を撮るのは飛んでいるポケモン、とりあえず画面内に映っていればBPゲット?こんなポイントのために写真機能を使いたいんじゃない。結局最初に3,000ポイント貯めたのを最後にテラリウムドームからは足が遠のいている。
これはゲームの内容の問題ではなくて、私のプレイスタイルと内容が合う合わないという話だと思う。ただ、DLCはプレイするたび苦しかった。早くクリアしてしまって、パルデアに帰ろう。そういう思いで必死にストーリーを進めた。少しもったいない気もするけれど、それでよかったと思う。現にスグリのことも、ブライアのことも、全くプレイヤーとして私の内心では納得も解決もできていない。
特にテラパゴスについて、あれはスグリの蛮勇ではなくブライアの失態、いやもっと人道的に非難する言葉があるはずなんだけども思い浮かばない。そういうものだ。
ブルーベリー学園、生徒が困ったり壁にぶつかったりした時に手を差し伸べる大人が全く見えてこなくて怖い。
グレープアカデミーにもアレな大人はちょいちょいいるのだ。フトゥー博士は功績の偉大さ、科学者としてのストイックさは尊敬できるけども息子をあんな寂しい場所に置いてしまった責任をプレイヤーは忘れないし、レホール先生は一歩間違えば生徒の危険、パルデアの危険に繋がりかねない宝探しを教唆しているし(プレイヤーも主人公もノリノリで興じたからアレは共犯かも)、前教頭は論外。
でもその分、頼れる大人がいる。前校長は然るべき責任をとって対応したし、クラベル校長は身を粉に……ネルケに……してスター団と向き合ったし、ジニア先生は担任として主人公の様子を見にキタカミまで来てくれたし、チリちゃんはエリアゼロに無断で入った主人公をしっかり叱ってくれた。フトゥーだって、人格を引き継がれたAIは立派に役目を果たして冒険に出かけていった。
ブルーベリー学園に出てきた大人は、子どもの危険を顧みず自らの研究に没頭する科学者と、自らが巨万の富を投じた設備を自慢するだけの変なおじさんしかいない。
子どもの面倒は子ども同士で見なさい、ということなんだろうか。私は気に食わない考えだ。
※一通り憤り終わったので文体が戻ります。
ということでDLCの範囲については、暗い気持ちで過ごす時間がかなり長かったのですが、これは本編とDLCの温度差を作り出す目的があったのかな〜とか、主人公や仲間たちのやさしさ、強さは環境によって作られている部分もあるのかもよ〜という示唆なのかなとか、色々こねて飲み込んでいます。
ただ、体験として無理に「楽しかった」と落とし込む必要もないかなという感じです。遊んでよかった。見届けてよかった。気分のいい話ではなかった。
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コルサさんとまた話せて嬉しかったです。
5.番外編クリアまで
上に書いたDLCの暗い気持ちが全て清算されました。キビキビー!
私はDLC遊びながらずっと「こういう時近くにネモやペパー、ボタンがいないのは辛いだろうなあ」と主人公の心細さに思いを馳せていたので、彼らが自分の家に遊びに来てくれたこと、テーブルタウン南門前で待ち合わせできたこと、キタカミの里で(キビキビしつつ)大切な時間を共にできたこと、とっても嬉しかったです。
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キタカミに旅立つまでの道のりは、コサジの自宅から自分の足で。ミライドンにも乗らずに一歩一歩、歩いて向かいました。きっとこれが仲間たちとできる、いやバイオレットでできる最後の冒険だろうと覚悟をしたから。
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いま思い出しても、ちょっと泣いてしまいそうだ。
6.クリア後の寂寥
※ひとりごつため、文体が変わります。
もう取り立てて行くところがない。
いや、実際はある。やり残したことがいっぱいある。伝説ポケモンは捕まえてないし、強さという意味では星5レイドもおぼつかないポンコツ具合だし、図鑑なんかまだまだ穴抜けだし、そもそもテラリウムドームのBPを集めて出現するポケモンを増やさなくちゃ埋まりようもない。
そうは分かっていても、切なくてソフトを開く気になれない。
どれだけこれからやり込みに精を出しても、強くなっても、パルデアやキタカミを走り回っても、もう私が目を焼かれてきた輝きそのものを目にすることはできない。
ゲームを起動するたびに私を迎えるのは真っ白な昼間の太陽ではなく、橙に染まった夕景。物語はおしまい。ここからは私の自由。そう言われているような気がする。その自由を貪り尽くすには、いまはまだ寂しすぎる。
いずれ全てを過去の思い出にしまいこみ、新たな一歩をパルデアに刻み込むことはできるかな?
7.さいごに
なんだか寂しさばかりを前面に出して話が終わってしまいそうなので、もう少し最後に締めの感想を書きます。
とにかくこのゲームは面白いです。登場するキャラクターは一人一人が魅力的。私はジムリーダーではコルサさん、四天王ではチリちゃんが大好きだけども、このゲーム最愛キャラとしてペパーを挙げるけども、きっと人それぞれ違うんだろうなって思います。だってみんな素敵だから。私が受け入れられなかった部分含めて、とても丁寧にストーリーやキャラクターが作られているから。愛に溢れたゲームです。
このゲームを遊べてよかった。自分の遊び方で遊べてよかった。全ての運命を共に分かち合えるような相棒に、6匹に、アギャギャスに出会えてよかった。最後だからちゃんと名前を呼ぼう。ミライドンに会えてよかった。仲間に会えてよかった。ライバルと全力で戦えてよかった。ペパー君のことを大好きになれてよかった。パルデアの景色を、あとで懐かしむことができるくらい目に焼き付けられてよかった。このゲームのことが大好きになれてよかった。全てに後悔がない。最高の時間をプレゼントしてもらいました。ありがとうございます、ゲームフリーク。
これからも(まだ遊べていない間のタイトル含め)ポケットモンスターの世界を信じ、愛し、全力で駆け抜けられますように。
最後の最後に、蛇足になりますが……お気に入りの写真展です。よければ見ていってください。
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本当に、ありがとうございました。
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そしてあなたも、良い旅を。
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ボン・ボヤージュ!
おわり