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ポッケからするめいか35

最近のしょうさんのポジションはいつもとは違う。


もともとエアコンや扇風機が好きではなくて、
昔は真夏の熱帯夜ですらも何もつけずに寝ていた。

うちわですらも仰がない。

基本長袖で半袖姿は、下着の時くらいだ。

その反対にミキさんは極度の暑がり。


夏、朝起きるとエアコンも扇風機もつける。

必ず首にかけるタイプのファンをぶら下げて散歩へ行く。

“風”ぎらいなしょうさんはその場に誰もいなければすぐに扇風機を消してしまう。

その度にミキさんはイライラ。


しかしそんなしょうさんでも
近年続く暑い夏にはかなわぬようで、

エアコンだけはつけるようになった。

とはいっても、

28℃、弱風または自動。

朝起きてリビングへ来ると、
必ずこの温度に設定し直す。

だから、
その度にミキさんはイライラ。

しょうさんのいない時に温度を下げる。


というのも、あまりしょうさんは汗をかかない。
そして常に座っていたリビングのテーブルのポジションは、
一番、直に風が当たる場所なのだ。

だから、
エアコンの温度も上げてしまう。


それに気づいてからは、
毎朝しょうさんの席にミキさんが無言で陣取るようになった。


しょうさんも、ミキさんが普段座っている席の方が、風が来ないことに気づいた。

夏だけふたりはチェンジしている。


こうも猛暑が続くと、
昼間はもちろん家で過ごすことになる。


元々のミキさんの席にダイニングの椅子を3つ横に並べて、

しょうさんはそこに仰向けでゴロゴロする。


するとちょうど仰向けになったしょうさんの頭上にテレビをくる。



テレビが見にくい。

仰向けになって、頭を少し持ち上げて見る。


そんな日々が何日が続いた後。


いつものように椅子を3つ並べて仰向けで寝ているしょうさんのお腹に、

ミキさんが化粧する時に使う四角い手鏡が置いてあった。


仰向けになりながら、
自分の顔を眺めていた。


しょうさんは、
美意識が高い方なので、

顔をチェックでもしてるんだろうと思っていたが、


違う!


仰向けになって両手で手鏡を持ちながら、



テレビを見ていた。



そんなにまでして見たいのか。




何年経ってもしょうさんはおもしろい。



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