ポッケからするめいか⑥
しょうさんちは平家の一軒家です。
仕事柄、自分で設計して建築にも携わりました。
家を建てたのはかれこれ40年近く前のこと。
どの家にもその家ならではの、いつの間にかできていたこだわりや特徴があると思います。
しょうさん家も然り。
今日はしょうさん家では当たり前だけど一般的にはそうでもないことの話をします。
職人のしょうさんはかつて給料日になると仕事仲間を家に呼び飲み食いをしていた。
この月一の飲み食いがミキさんにとってはとても苦痛でした。
なぜなら酒や飯の用意をしたり夜遅くまで職人たちが家に居座るからです。
そしてしょうさんは酒を飲むと、いつもに増して気が大きくなり態度が横柄になります。
昔はよく月一の給料日には職人は家に人を呼び飲んで遅くまで騒ぐものでした。
(そう言うものだったと作者は聞きました。)
ミキさんが飲み食いで一番嫌だったのはトイレ。
飲んだお客が千鳥足でトイレに入り、便器周りが汚れるから。
毎回トイレの床はおしっこで濡れています。
もちろん便座も上がったまま。
今でこそ男性が用を足した後は便座を下げたり、人によっては座って用を出す人もいるくらいですが、昭和はそうでもなかった。
だからミキさんが家を建てるときの一番の希望は男子トイレを作ることだった。
家にトイレが2つ。
最近では珍しいことではない。
洋式のトイレを二つ、例えば1階と2階にある家はよくあります。
けれど、
男子トイレ、女子トイレがある家はそうそうない。
しょうさんには娘がいるが、
娘さんは生まれた時から男便、女便があったので、それはどの家庭でも当たり前のことだと思っていました。
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ちなみに、
しょうさん家の洗面所の電気は365日、1日だって消したことがない。
なぜなら就寝時、家の全ての電気を消すと、夜中にトイレに行くとき暗いから、という理由で。
この「電気つけっぱ」も娘さんは、どの家庭でも当たり前のことだと思っていました。
ついでに、
ミキさん発祥のルールも一つ。
夜お風呂に入ったら新しいパンツを履いて寝るものですが、
次の日朝起きたら、子供たちはまた新しいパンツ履いていました。
1日にパンツ2つも履くから洗濯物半端ないはずですが、、
でもミキさんはこれが良かった。
おねしょしてパンツ濡らす子もいたから、朝は一斉にみんな履き替えて洗うパンツの数を同じにしたかったらしい。(?)
しょうさんの娘さんは、このパンツルールもどこの家庭でも当たり前だと思っていた。
小5になるまでパンツは毎朝履き替えるもので、どこの誰でもみんなそうだと思っていた、、、。