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ポッケからするめいか24

かつて同じ寝室で並んで寝ていた夫婦も、
別々の部屋で寝るようになりました。

そんな夫婦は最近多い。
しょうさんとミキさんもそう。


※決して仲が悪くなったわけではない。


今回はミキさんメインの話。


かつて一緒に同じ和室で布団を並べて寝ていたしょうさん夫婦。

ミキさんはよ〜く寝言を言う人です。

しょうさんはちょっとの物音ですぐ起きてしまう人です。


ミキさんは実生活でのストレスを、寝言で言う傾向がありました。

しょうさんへの小言。
親戚への愚痴。

しょうさんは、
ミキさんの寝言でショックを受けることも多々ありました。

けれど、
寝言でなにを言ったのか??

しょうさんは言いませんでした。


「昨日の夜は寝言、言ってたぞ。」
とは言っても、
なにを言ってたか聞くと、
決まってだんまりを貫きます。


ミキさんが昨夜見た夢を思い出すと大抵親戚が出てくる夢だったりするのです。

きっと私は余計なことを言ったかもしれない、
と気まずく思うのですが、


まあ、もし、
私が親戚の愚痴を言ってたとしても
どれも本当のことだし、
私は悪くないし、

私も知らない間に無意識に寝言で本音を言って、
しょうさんに伝わったのならば、いいわ!


と、ミキさんはいつも開き直っていました。


ミキさんは、寝ぼけもひどい。


ある晩のこと。
ミキさんはトイレに起きました。

トイレは寝室を出て廊下を少し歩き
左へ曲がるとあります。

トイレは家の中で唯一のドア(洋式の扉)。
トイレ以外は全て引き戸です。

夜中にムクっと起きたミキさんは、
自分の足元にある押し入れの襖をガラッと開けました。

ちょっとの物音でもすぐ起きるしょうさんは、
異変に気づき、
「なにやってんだよ?!」
とミキさんに言いました。

「トイレ行くんだよ!」

そこはトイレじゃない。
と、
しょうさんが言うより早くミキさんはパンツとズボンを下ろし、
押し入れのとなりの床の間に背を向け、勢いよく腰を下ろしました。

バシャンッッ!!


床の間に飾ってあった日本人形のガラスのケースが割れました。

「なにやってんだよっ!!
そこトイレじゃねーべっ!!」


これはだいぶ前の話で、
未だにその日本人形のケースはサランラップに包まれて飾られています。


また別の夜、
真夏の熱帯夜。

トイレに起きたミキさんは、
あちいあちいと言い、
上半身脱ぎながらトイレに向かいます。

トイレから戻ると上半身真っ裸のミキさんが、
私のパジャマどこやった??と騒ぐ。

そしてまた別の夜。

「たすけてーー!!殺されるーー!!
ぎゃぁーー!!」

と、突然叫ぶ。
(もちろん夢です。)



今では夫婦別々の寝室。

こんな出来事も良き思い出。

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