ポッケからするめいか83
ミキさんは酒に強い。
ビール好きで何倍飲んでも顔色なんか変わらない。
テンションもシラフの時と変わらない。
しょうさんと外食に出かけると、出先で飲み友達がすぐできる。
だいたいしょうさんは無口でカッコつけてカウンターの端っこに座ってボソボソっと自慢話をひとつふたつ。
口下手なしょうさんをフォローするようにミキさんが饒舌に話を繋げる。
飲みの席でも陽気に話をして場を和ませるミキさんが好きなのです。
おっかぁはカウンター席のみのスナックでもやったらいい。
しょうさんはたまにそう言います。
特に人見知りをしないミキさんだからスナックのママはピッタリだとしょうさんは思うのです。
でも小料理屋の女将はダメ。
なぜならミキさんは料理がそんなに得意じゃないからw
あくまでカウンター席のみの小さなスナックを薦めます。
しょうさんと同じことを別の日に娘さんが言いました。
お母さんはスナックのままでもやったら?
でもお母さんは小料理屋の女将はダメだよ。料理そんなに美味くないから。
あんたまで!
お父さんとおんなじこと言う!
ミキさんは少しだけ膨れっ面になる。
あと10年若かったら私サポートしてあげたのに。
と、娘さんはいう。
そうすると、まんざらでもなさそうな顔をしたミキさんがテレビを見ながらビールを飲んでいる。