ポッケからするめいか51
かつてしょうさん家では最大3匹の犬を飼っていました。
昔は猟銃をやっていたこともありイングリッシュセッターや秋田犬、柴犬。
今現在飼っている老犬のチコは柴犬です。
チコから初めて室内で犬を飼い始めました。
昔外で飼っていた犬は大型犬ばかりで、
子供たちもまだ小さく手がかかった為、
ミキさんは散歩へ連れて行くことはありませんでした。
しょうさんも平日は仕事で忙しくなかなか散歩に行けないので、
朝近所の空き地を少し走らせてあげたり、
週末に車で近くの土手まで連れて行くことが多かったのです。
※犬たちは猟犬で、笛を吹くと戻ってくるよう訓練をしていました。
そのため犬たちが昼間退屈しないように、
庭に長く太い針金を埋め込んで、
犬を繋いだ紐に輪っかをつけてその針金に通し、
10メートルほど移動できるようにしていました。
親戚の家が隣に立つまでは、
庭も広かったので、
プレハブみたいな犬小屋を建て、
犬は庭の端から端へ走れるようにしてあげて、
夜は犬小屋に入れて盗まれないように鍵をかけていました。
そして、
今は決してやってはいけないことですが、
しょうさん家の周りは昔は今ほど家もあまりなく空き地も多かったので、
たまに夜、犬を放し飼いにしていました。
夜離してあげて、
朝犬小屋を覗くと犬はちゃんと戻って寝ていました。
稀に朝見当たらなくても、
日頃から訓練していたため、
しょうさんが笛を吹くとすぐに戻ってきていました。
犬たちは夜放し飼いにすると空き地を走り回って遊び、満足すると帰宅していました。
しかしある時、
一度だけなかなか戻ってこない時がありました。
いくら犬笛を吹いても気配がなく、
あきらめかけていたら、
お昼近くなってやっと帰ってきました。
その時帰宅した愛犬は、
2mくらいのはしごを引きずっていました。
はしごについていたロープが犬の足に巻きつき解けなくなったためです。
2匹放し飼いにしていたのですが、
もう1匹は、はしごを引きずった犬のすぐそばを寄り添って歩いてきて、
大丈夫?おもくない?
と気遣っているようでした。
どっから持ってきたのーー??驚
叫ぶミキさん。
黙って紐を解いてやるしょうさん。
そのあとはもちろん犬たちは疲れ果てて、
ぐっすりと昼寝をしました。