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ポッケからするめいか⑨

毎朝、特に日差しの強くなる暖かい季節になると入念に、
しょうさんは日焼け止めを顔に塗ります。

顔がおかめの様にまっちろ(真っ白)になるくらい。
首や耳まで塗ります。

お出かけ前の準備は女性よりも時間がかかります。

というのも、しょうさんは肌が弱い。
何年か前に病院で検査してもらって
日光アレルギーと診断された。

汗疹も湿疹もよくできる。
だから昔はよくお風呂上がりにフルコートをミキさんに塗ってもらっていた。

職業柄外での作業も多かったので夏は特に悩まされた。


今思い出しても恐ろしいことだけど、、、

しょうさんは一時期カビキラーで体を洗っていた。

カビキラーなら菌を殺すと思っていたしょうさん。
湿疹や汗疹は菌と認識していたのかはわからないが、
しょうさんがお風呂の洗い場でカビキラーを水で薄めて首を擦っていた光景を、
しょうさんの娘さんは見たことがある。

そして来客時に、俺はカビキラーで体を洗っていると話していたことをしょうさんの娘さんは確実に記憶している。

常軌を逸しているようだが、それほどしょうさんは肌が弱いことを気にしていたのだ。

しかしカビキラーで洗っても大して効果がないとわかったのか使っていたのはほんの一時期に数回だけだった。

※特に肌が悪化することはなかったが、決して真似しないでください。


それから数年後のある初冬、
風呂上がりに上半身肌のしょうさんがこたつに頭を突っ込んで足だけ出してうつ伏せ状態になって発見された。


(寝ていた。)

今度はこたつの、
遠赤外線が肌に良い
と、しょうさんは思ったのです。

遠赤外線効果はもちろんなかった。

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