「新旧の良さを理解する」衣莫若新、人莫若故

衣は新しきに若くは莫く、人は故きに若くは莫し
―衣莫若新、人莫若故―

[原文](晏子 内篇 杂上五 )
衣莫若新、人莫若故。

[書き下し文]
衣は新しきに若(し)くは莫(な)く、人は故きに若くは莫し。

[原文の語訳]
着物は新しいものに及ぶものはなく、人は古い友人に及ぶものはない。

[解釈]
人は第一印象、見た目で判断されるので、着古しでも大丈夫だと自分勝手に判断せず、気をつけなければいけません。逆に自身は旧友を大切にして簡単に見限ってはいけないですし、新しい友人を安易に信用してはいけないという訓戒です。

「医者と味噌は古いほどよい。女房と畳は新しい方が良い。」という言葉もありますが、どうでしょうか?

残念なトップは「古参になるとこちらの胸の内も見抜かれて気がかり」だとか「付き合いが古いからといってズケズケと言ってくる」などと自己中心的な弊害を並べてしまいがちです。当人に「では老害は潔く身を引きます」などとさっさと隠居されてしまうと大変です。こういうトップのいる組織は得てして後継者育成に疎いものであって...。

書道で考えると、古い筆は毛が抜けたりして筆力も弱まって思うように書けません。一方で手本は古くからの書物を使用しています。

開業してから月日が経過していたら、古くからの常連さんのいる店と流行に敏感な一見さんが多い店とでは違ってきますね。常に開拓して新規顧客を獲得することは大切ですが、変えてはいけない点に対しては常連さんの厳しいチェックも必要です。

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