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【ほぼ無料公開】現役配達員が見聞きした、やばい配達員・やばい客 〜配達業界改善のためにできること〜
当noteをご覧くださりありがとうございます。
この記事はほぼすべて無料で公開しており、シェアしていただければ追加の体験談も無料でチェックできます。
ぜひ最後までお読みいただき、この問題を広く知っていただけたら嬉しいです。
この記事では、Amazon Flexドライバーである私が直面してきた、日本の物流問題の末端で起きている現状について、自身の体験談を交えながらお伝えします
※この記事は主に個人事業主・業務委託ドライバーの視点で書いています。
配達員、顧客、そして企業――この記事が、それぞれが考え方を見直すきっかけになれば幸いです。
「物流問題なんて関係ない話だ」と思うかもしれません。
でも、この記事を読めば、きっとあなたも共感できる部分があると思います。
◯深刻化する配達員不足
物流業界は今、大きな転換期を迎えています。ECサイトの利用増加に伴い、配達量が急増する一方で、人手不足や労働環境の過酷さが問題となっています。
国土交通省のデータによると、日本の物流業界では「2025年にはドライバーが約25万人不足する」との予測も出ています。
これはニュース等でしばしば取り上げられているので、耳にしたことのある方は多いと思います。
こうした課題は物流業界全体の問題ですが、私たち”ラストワンマイルドライバー”にも直接影響を及ぼしています。
”ラストワンマイルドライバー”という言葉に聞き馴染みがない方が多いと思います。
簡単に説明すると、皆さんの手元に商品を直接届けるドライバーのことです。
つまり、皆さんと直接関係のある配達員のことを指します。
私は”ラストワンマイルドライバー”の一人です。
以降この記事では、配達員=”ラストワンマイルドライバー”であるとお考えください。
ECサイト利用増加の影響で、私たちのような配達員の働き方も大きく変わってきています。
人手不足・荷物量増加により労働内容は過酷になる一方です。
その結果、離職者が増え、配達員不足が深刻化しています。
配達員不足
↓
配達員一人当たりの荷物量の増加
↓
労働環境の悪化
↓
離職
↓
配達員一人あたりの荷物量の増加
↓
労働環境の悪化
そしてその影響はやがてお客様へ、そこから配達員へと戻り……負のスパイラルです。
この負のスパイラルの結果、業界全体が悪循環に陥り、最終的にはお客様にまで影響が及びます。具体的には、誤配や遅配といったサービスの質の低下がそれに当たります。
こうした深刻な問題を知っていただき、今後ますます増えるであろうネットショッピングにおいて、利用者とドライバー双方が快適な生活を送れるように、私が考える問題点とその改善案を、『配達員のモラル』『顧客の意識』という2つの視点からお伝えしたいと思います。
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①配達員のマナーとモラルの低下
残念なことに、配達員全員が善良とは限らないのが現実です。
誤配や遅配といった単なる事故ではなく、故意に不適切な行動をとる配達員の話をよく耳にします。
私自身も、そうした配達員を目の当たりにし、不快な思いをしたことが一度や二度ではありません。
例えば、荷物を乱暴に扱ったり、ながらスマホで追突事故を起こしたり――このようなニュースをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?
こうした行動は信頼を損ねるだけでなく、真面目に働く配達員にまで悪いイメージを与える原因にもなっています。
まずは、私が実際に目撃した悪質な配達員の実例をご紹介します。
【ケース1:配達指示の無視】
ある個人宅に配達に行った際のことです。
配達指示が『手渡し』となっていたため、インターフォンを鳴らしたところ、お客様がすぐに出てこられました。
開口一番、「昨日と今日の午前中に配達したの、あなた?」と、ご立腹の様子です。
私が違う旨を伝えると、「置き配はしないでって言ってるのに、しょっちゅう置き配されるのよね」と言い放ち、荷物を受け取った後にドアを勢いよくバタンと閉められてしまいました。
お客様からのメモには『盗難多数経験。絶対に置き配はするな!』と明記されていました。
それにもかかわらず、指示を無視して置き配をする配達員がいるようです。
【ケース2:鉢植え破壊からの逃走】
住宅街を配達していると、同業者に出会うことがよくあります。
ある日、私は配達員のとんでもない行動を目の当たりにしました。
その配達員が配達していたのは、道路から玄関までに5~6段の階段がある家で、階段の脇にはそれぞれ違う花を植えた植木鉢が並んでいました。
配達を終えたその配達員が車に戻ろうとした際、一番上の植木鉢に足をぶつけてしまい、植木鉢が下の段に落下。
そこからドミノ倒しのように次々と植木鉢が転がり、最終的に3つほどが割れてしまいました。階段には土や鉢の破片が散乱し、大惨事です。
私はちょうど斜向かいのマンションの階段を降りている最中で、この出来事を目撃していました。
「どうするのだろう」と見ていると、その配達員は立ち止まることもなく車に乗り込み、急いで走り去っていきました。
一部始終を目撃したわけではないため、前半は憶測を含みますが、このあまりに無責任な行動には呆れざるを得ませんでした。
上記の2つは一部であって、数えればキリがないくらい悪質配達員の言動を目撃しています。
有料記事にも書きましたが、ポストに無理やり押し込んでいたり、態度が最悪の配達員だったり、住宅街を猛スピードで車を走らせていたり。
このような行動は、顧客からのクレームにつながり、結果的に配達員自身の評価を下げてしまいます。いうまでもなく信頼も失います。
【改善案】
まず大前提として、
これは、配達員自身と企業向になるのですが、改善のカギとなるのは【研修】と【評価】だと私は考えます
配達員の不適切な行動を減らすためには、研修・評価の仕組みをしっかり整えることが重要です。
参入の壁を低くするだけで、適切な研修を行わなければ、サービスの質が低下するのは避けられません。
実際、大手の運送会社では、研修制度や補償制度がしっかり整っているため、配達員のマナーも一定の水準を保っています。
宅配ボックスやエレベーターで顔を合わせた際に「お疲れ様です」「ご安全に」と声をかけてくださるのは、皆さんもよく知っているあの運送会社のドライバーたちです(もちろん例外はありますが……)。
一方、業務委託の配達員は千差万別。
面接はないことも多く、まともな研修もないのが現実です。
それが人材確保においては強みですが、同時に、とんでもない人材も紛れ込んでしまうのです。
だからこそ、研修制度の拡充が必要です。
しっかりとした教育を受けた配達員は、顧客対応や配送品質においても優れたパフォーマンスを発揮します。
ですが、本来であれば個人事業主である以上、研修の有無に関わらず自ら一定の水準以上を目指すことは常識だと思います。
次の仕事がもらえるように一生懸命働くのは当たり前。
時代や業種が違えば「君、明日から来なくていいよ」の一言で終わりですからね。
希望者には、より実践的な研修を提供する等のサポート体制を用意してくれると親切かもしれませんね。
なので私は、研修以上に適切な評価を受ける仕組みが整っていることが大切だと私は思います。
いい評価を受ければ、配達員もやる気が出るし、サービスの質を向上させようと努力します。
さらに、評価に応じた報酬の上乗せがあれば、その効果はより高まるでしょう。
逆に、低評価が続く場合には、一定のペナルティを課すことで、自然とサービスの質が向上するはずです。
ただし、ここで問題になるのは「質の悪い配達員が必ずしもクレームを受けるわけではない」ということです。顧客が不満を感じていても、わざわざクレームを入れる人は一部に限られます。
つまり、クレームがない=問題がないとは言い切れません。だからこそ、ドライバーがしっかりと評価を受けられる体制の整備が必要です。
そこで皆さんにお願いしたいことがあります。
目に余る出来事があった場合は、ECサイトや運送会社にクレームを報告するようにして下さい。
これはクレームを推奨しているのではなく、サービスの向上につながる適切なフィードバックを行うことを意味しています。
逆に、質の良いサービスを提供するドライバーには、ぜひ高評価をしていただきたいのです。
それが積み重なれば、真っ当に業務に取り組む配達員が生き残り、質の低い配達員は淘汰されるでしょう。
公正な評価を受けることこそが、ドライバーのやる気の向上と、サービス意識の改善、それが人材の拡充につながると私は考えています。
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②顧客の意識
一方で、お客様の協力も欠かせません。
例えば、表札がない、住所表記が不明瞭、時間指定なのに不在といったケースが多く見受けられます。これにより、配達員が迷う時間が増え、結果的に配達効率が下がります。
さらに、時にはお客様からの不敬な対応に直面することもあります。これについては、配達員として業務を全うする以上、耐えるべき場面もあるかもしれませんが、過剰な対応はトラブルの原因となり得ます。
「お客様は神様だ」と本来の意味とは違った捉え方が定着して長い日本において、お客様とサービス提供者の格差は未だ大きいものです。
私たち配達員の意識を変えることと同時に、お客様も配達員への理解と意識を変えていただきたいです。
では、私が実際に体験した事例を3つ紹介し、どのようなところを改善して欲しいのか、書きたいと思います。
【ケース1:過剰なサービスの要求】
飲料物など、重量のある荷物を複数個頼まれていたお客様の元に配達に行った際、対面したお客様に実際に言われた言葉です。
「これ本当は店に配達してもらいたかったんだけど、間違って家にしちゃったから、店のほうに持っていってくんない? 〇〇町だからさ、近いからよろしく」
私が、お届け先以外の場所に配達することはできない旨をお伝えしたところ、お客様は激怒。
「荷物届けんのがアンタの仕事だろ? 車で10分くらいでつくところだから、そんぐらい持ってってよ」 ※実際は15分以上かかります。
「車で10分って、こっちは1分・1秒に追われて配達してるのにそんなことできるか!」と言いたいところをグッとこらえて、丁重にお断りしたのですが、「じゃぁ、いらない。持って帰って」と受け取りを拒否されました。
お客様のミスを配達員に押し付けられるのは正直、困ります。
【ケース2:卑猥な名前】
ニックネームのような宛先のお客様に配達することが数日に1度はあります。
例えば【ゆきぞー→ゆっきー】のような可愛げのある名前ならまだいいですが、名前を言うのも嫌になるようなお客様もいます。
一応、個人情報の一部とみなし仮名としますが、【チソチソ大噴射】のようなお名前の方でした。
表札にも【チソチソ大噴射】と書かれていれば問題ないのですが、お届け先と思われる住所には普通の名字が書かれており、確認のためインターフォンを鳴らしました。
「〇〇(企業名)です」と声をかけると「誰宛?」と一言。
これは”クロ”だなと感じ、「チソチソ大噴射様宛ですが、こちらでお間違いないでしょうか?」と尋ねると、「はいはい。そこ置いといて」とインターフォンをガチャ切りされました。
これってセクハラやんけ! と思った出来事でした。
余談ですが、笑ってしまった事例もあります。
そのお客様の名前は仮に【筋肉ムキムキ佐藤太郎】とします。
オートロック住宅で不在だったため、お電話したところ「あと1分で帰ります! すいませんっ!」と私が名乗ったとたんに走り出したかのような息遣いになるお客様。
私が「エントランスで待っています」と伝え、外の様子をうかがっていると、全力疾走で若者がエントランスへ駈け込んできました。
開口一番「お待たせして申し訳ないです! 筋肉ムキムキ佐藤太郎です!」と元気よく自己紹介をされました(笑)
思わず吹き出してしまい、お互いにっこり! そして本当に筋肉ムキムキでびっくり!
普通に名前を書いてほしい気持ちはありますが、こっちの例はいい思い出です。
【ケース3:新築住宅街】
私は住宅地図のアプリを使用しています。
これには、名前の表記と住所表記が載っている配達員御用達のサービスです。
ですが、毎日のように新しい住宅が増え、そして消えていく現在、アプリには、家の形だけが表示され、なにも記載されていない住宅がよくあります。今回の例は、T字の形をした路地に新築住宅が立ち並んだ新興住宅地での出来事です。
その住宅地に入った時点でナビは終了。
計20件ほどの新築住宅のうち、表札があるのは数件だけ。
配達先のお宅がわからずお客様にお電話。
私「〇〇(企業名)のゆきなると申しますが。近くまで来ているのですが、配達先のお宅がわからずでして、表札は出ていますでしょうか?」
お客様「出てないです」
私「でしたら、なにか目印になるようなものはありますか?」
お客様「いや、特に。一軒家です。」
私「では、ご案内をお願いできますでしょうか?」
お客様「……はぁ。別にいいですけど」
今居るところを説明し、こんなポストの家ですか?、◯◯の車のある家ですか?と聞いても「違う」との返答。
私「大変申し訳ないのですが、ご自宅の前に出てもらうことはできますか?」
お客様「はぁ……今出ます」
そして数件先の玄関ドアが開き、ようやく配達完了。
「この辺、住所同じだから分かりづらいですよねー」と言い残して家へ戻られました。
分かりづらいと思うなら、どっち側の何軒目とかでいいので、書いておいて欲しかったです。
このような事例は、今回ご紹介したものに限らず、日常的に頻繁に発生しています。こうした状況が積み重なることで、配達スケジュールが圧迫され、思いもよらぬ事故やミスにつながるリスクが高まります。
そこで、スムーズな配達を実現するために、お客様にぜひご協力いただきたいことがあります。具体的には、以下の点を意識していただけると大変助かります。
改善案(お願い)
目印があるだけで、配達はもっとスムーズに!
部屋番号や門に目印をつけるだけで、配達の効率が大きく向上します。【◯◯さんの隣】と書いてくださる方も多く、非常に助かっています。時間指定は確実に。再配達は配達員の負担に!
時間指定時に不在の場合、再配達が業務負担を増やすことをご理解いただけると助かります。知らない番号=配達員かも?お電話にご対応を!
配達先がわからない時や不在時など、お客様にお電話することがあります。
しかし、電話に出ていただけるお客様は少ないのが現状です。
確かに、見覚えのない番号には不信感を持たれると思いますが、『荷物が届く日だな』という日は、少しだけご配慮いただけると助かります。置き配でラクラク受け取り!宅配ボックスもおすすめ!
近年、置き配の活用が推奨されていますが、盗難や個人情報の観点から不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。その場合は、宅配ボックスの設置をぜひご検討ください。必ずしも専用のものを用意する必要はなく、外用の荷物入れやゴミ箱を代用している方も多くいらっしゃいます。この記事の最後に、よく見かける宅配ボックスのリンクを掲載しているので、参考にしてみてください。
これらのことにご協力いただけるだけで、配達員の負担は大きく軽減されます。
それだけでなく、お客様にとっても、スムーズな受け取りができたり、不在時の余計な電話を減らせたりと、多くのメリットがあります。ぜひ、ご協力をお願いいたします。
※Amazonのアソシエイトとして、[ゆきぞー]は適格販売により収入を得ています。
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まとめ
この記事を通して、配達業界の現状と課題について、私の体験談を交えながらお伝えしてきました。
ECサイトの普及に伴い、私たち“ラストワンマイルドライバー”の役割はますます重要になっています。
しかし、配達員不足や労働環境の悪化が進む中、配達員・顧客・企業のすべてが意識を変えていく必要があります。
配達員のモラルについて
残念ながら、一部の配達員による不適切な行動が、真面目に働く配達員の評判を損ねています。
誤配や遅配といったミスではなく、故意のルール違反やマナー違反が横行しており、その実態を体験談を交えてご紹介しました。こうした問題の解決には、研修と評価の仕組みをしっかり整え、優良なドライバーが適切に評価される仕組みが不可欠です。
顧客の意識について
一方で、配達員だけでなく、顧客の協力も欠かせません。
表札の未設置や不在対応の不備、配達員への不適切な対応が、業務の効率を大きく下げているのが現実です。
私自身が経験したケースを通じて、顧客の皆様にご協力をお願いしたいポイントを具体的にご紹介しました。
目印をわかりやすく設置する
時間指定の際は確実に受け取ることを意識する
配達時の電話に出るよう心がける
置き配・宅配ボックスの活用を検討する
こうした協力があることで、配達員の負担が軽減されるだけでなく、お客様自身にとっても再配達の手間が省け、スムーズな受け取りが可能になります。
最後に
配達員、顧客、そして企業が互いに協力し合うことで、より良い物流環境を築いていくことができます。
ここには書きませんでしたが、ドライバーの賃金についても改善して欲しいと思います。
この記事を読んで、少しでも配達業界の現状や課題についてご理解いただけたなら幸いです。
最後に少しだけお願いです。
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