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GWに夫の家の墓じまいのため、家族4人で和歌山に行った。
義父は既に他界している。義母が自宅から車で1時間のお墓の維持管理が不安になってきたこと、また、他府県に住む孫たち(私の息子たち)が将来お墓の維持管理するのは非現実的なことを理由に、墓じまいを決断された。
私は都会育ちで田舎が好きなので、結婚してから何度か訪れたお墓やお寺がある場所が好きだった。子ども達が少し大きくなると、墓参りでお水を綺麗にしたり、墓回りを一緒に掃除するのが好きだった。いい思い出だ。
今回のお義母さんの決断と行動は素晴らしいと思っている。というのも、ご住職から、お墓を建てた方や維持管理していた方が亡くなったあとに、ご家族と連絡が取れなくなり、お墓を放置しているケースがあると聞いたからだ。今のタイミングで永代供養に移行できるは理想的だ。
墓じまい当日の流れ
墓じまいは13時からの約束で、義母が当日の持ち物として聞いていた「お酒」「塩」を持参していた。
お寺に着くと、墓石を解体し持ち帰る業者の方が既に到着しており、トラック2台が止まっていた。荷台がある普通のトラックと、トラックに墓石を積むときに引き上げる重機のトラック。業者は6人という人の多さに驚くが、あとから納得することになる。
墓じまいの読経とご焼香は全部で3回。墓前、本堂、永代供養で入る塔の前で行われた。読経に迫力があり、本気でご先祖様の供養をしてくださっているのが伝わってくる。途中で夫の名前が何度も出てきたのが印象的だった。
墓前での読経とご焼香が終わったところで、墓石業者の方が、墓石を上から順番に降ろしていく。石は重いため、3つに分けてブロックのように積まれていた。一番大きな石を4人がかりで一輪車に積む。6人必要なわけが分かった。
全体の動きを把握して指示を出す親方の元、3体の墓石の移動と、墓の下を丁寧に掘り起こす作業が、手際よく進んでいった。
夫の祖父母の骨壺はすぐに見つかったが、その横の墓に眠っていた、祖祖父の墓の下を掘ってもすぐには何も出てこなかった。住職の記憶を頼りに、丁寧に掘り続けると、骨壺の破片とお骨が出てきた。
墓じまいと永代供養の費用
墓じまいは何度も経験することではないので、費用のことを知る機会が少ない。気になったので、相場を調べてみたところ、義母が支払った金額は相場の範囲内だった。
ちなみに小5次男はお金に関心が高く、「墓石撤去の業者やご住職が、義母から受け取ったお札を数えているところを見ているだろうな」と思っていら、案の定いくら支払ったかを後で教えてくれた。何にいくらかかるかを知るのは大切なことだ。
【墓じまいの項目と金額】
・墓石撤去費用 1㎡あたり約10万円
・お布施代(閉眼供養)約3万円〜5万円
・離檀料約 約3万円〜20万円
◎費用総額約 16万円~80万円
(一般社団法人あんしんの輪HPより転載)
【永代供養の種類と相場】
・単独墓 一般的な墓石の墓。一定期間経過後に合祀される。40万円程度
・集合墓 塔や樹木などの下に個別の納骨スペースが設けられている。一定期間経過後に合祀される。20万円程度
・合祀墓 合祀墓共同墓・合同墓などとも呼ばれる。モニュメントの下に他の人の遺骨を合わせて合祀される。3~10万円
・納骨堂 仏壇型やロッカー型、墓石型、稼働式、一人用、夫婦用、家族用など、種類や大きさで金額が変わる。一定期間経過後に合祀される。10~100万円
※どの種類でも、他に墓誌・墓碑刻字料などがかかる
(三菱UFJ信託銀行HPより転載)
永代供養は合祀墓で依頼し、共同で祀る塔の中にお骨を移動させた。夫がお骨を塔の中に納め、その後、3度目の読経とご焼香を行った。
お墓をどうするかは、継ぐ人の状況に合わせて、早めに判断して行動したい。墓じまいも永代供養もお金がかかることなので、お墓の話を何もしないまま突然亡くなることのないように、元気なうちに自分の家のお墓のことを家族で話題にできたらと思う。
今回の墓じまいを機に、私の父に実家のお墓のことをたずねた。すると、父は息子(私の弟)と孫が遠方に住むため、墓じまいと永代供養の手続きを既に終わらせていた。初耳で、私から質問していなかったら、そのことを知らないままだった。お墓のことは身内が最新の状況を知っているようにしておきたい。
昔のお寺は檀家に支えられていた
今回、義母やご住職から昔のお寺や檀家のことを聞く機会となり、とても貴重だった。
昔は、例えばお寺のお堂の屋根を修復する必要があると、檀家がいくら必要か見積もり、「あなたの家はいくら」というように割り振っていたらしい。
毎月8日、18日、28日に、義母が同居していたお祖母ちゃんが、自分の出身地にあるお寺に行っておしゃべりするのを楽しみにしていたらしい。夫も子どもの頃、何度かお祖母ちゃんについていったそうだ。
調べてみると、毎月8日、18日、28日は仏教の日付として、特別の意味があるようだ。
八日(はちにち): 仏教では、毎月8日は「八日忌」として知られている。亡くなった人々を偲ぶ日であり、特に親しい人々の命日を祝う日である。
十八日(じゅうはちにち): 18日は「十八日忌」として知られている。これも亡くなった人々を偲ぶ日であり、親しい人々の命日を祝う日である。
二十八日(にじゅうはちにち): 28日は「二十八日忌」として知られている。同様に、亡くなった人々を偲ぶ日であり、親しい人々の命日を祝う日である。
ありがたいことに、墓じまいと永代供養への移行が全て終わったあとに、ご住職と義母と私たち家族4人の計6人で応接間で冷たいお茶をいただく時間があった。夫がご住職に「昔はお寺のご住職に聞くと、地元の人間関係を一番よくご存じだったようですね」と話しかけると、お墓に入っている故人の親戚の話しが次から次へと出てきて、義母が話を聞いていた。
また、ご住職と義母の会話から、かつてのお寺を中心とする人の賑わいを感じることができた。開祖がお祖母ちゃんの親戚で(思ったより新しいお寺!)、地元の人が毎晩20時に念仏を唱えることから信仰が始まり、そこから現在の場所にお寺を建てることになったそうだ。
お寺が古いと、創立当初の話を直接聞くことはできないが、たまたま新しいお寺のため、人々の信仰からお寺ができ、お寺が人々の生活の中心にある様子を想像することができた。
墓じまいがとても心地がよい時間だったのは、ご住職が今までの檀家の気持ちを受け取り、全身全霊でご住職を勤めてこられた、信頼関係の証だろう。紀の川と山が美く、私は好きな場所だ。これからも、永代供養塔に手を合わせに行こう。