見出し画像

現地在住の日本人女性から聞いた、世界第5位の最貧国コンゴの今

先日、地元の公民館で「子どもの視野を広げるグローバリズム」というテーマの講演会を聞いた。話し手はアフリカのコンゴ民主主義共和国へ移住した、土井直恵さんという日本人女性。現地で2人の幼い娘さんを育てながら、NPO法人の代表として奮闘されている。看護師として国境のない医師団に参加した経験を活かし、難民キャンプを視察のうえ、妊婦と5歳以下の子供を救う病院を開業された。

今回の講演会は、第1部で土井さんの決断と現地の人々の暮らしについてお話を聞き、第2部で子どもの視野を広げるために、参加者が各家庭で実践していること等をシェアした。

【公園のブランコを使うのに1回1ドル!?】

コンゴのお話で衝撃を受けたのが、日本のように子ども達が自由に遊べる公園がなく、柵に囲まれた小さなスペースにあるブランコは、1回1ドル払わないと使えないこと。日本の子供たちには、広々とした公園があるが、同じように公園で遊べない国が存在するのだ。

これには、国の状況が深く関わっている。コンゴには金銀銅の鉱物があり、レアメタルの所有権をめぐって20年以上内戦が続いている。そのため、人口が9900万人の国で650万もの人が難民キャンプで生活しているのだ。

土井さんが難民キャンプの中を見せてもらったところ、小さいテントの中は床が土で、雨が降った時に全面が水たまりにならないように、土が盛られてその周りに溝を作っていた。テント1つに大家族全員で暮らしているようだった。

講演後に調べて分かったのが、携帯電話などの電子機器からロケットやミサイルまで、ありとあらゆる機械の部品に使われるレアメタル「タンタル」の多くはコンゴに埋蔵されている、と言われている。

大変な状況の国でも素敵だなと思ったのは、土井さんが「人々の垣根が低い」とおっしゃっていたこと。大変な生活の中でもきっと心が豊かなのだろう。

内戦の原因ともいえるレアメタルで貧困国に依存している私たち。自分のスマホとコンゴがつながっていると思うと、他人ごとには思えなくなった。私にできることは何だろう。まずは、今回のように海外のリアルな情報を知ること。そして知ったことを、子ども達との話題にすること。SDGsがよく話題にされるが、レアメタルも環境問題も、ひとつの国では完結しない。

※土井直恵さんのコンゴでのNPO活動について興味のある方は、次のホームページをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?