京丹後を教育のモデルケースに
鳴海まさのりがみなさんと一緒にやってみたいチャレンジ。それが、教育でまちおこしをすることです。
まちおこしに必要な3つのこと
まず初めにいまの生活で困っていることを思い浮かべてみてください。
困っていることつまり、みなさんの目の前にある課題、このまちが直面しているあらゆる課題を解決するためには、次の3つのことが必要です。
1.解決しようとすること
2.解決しようする人の数を増やすこと
3.解決するためのスキルを持つこと
この3つを背負ってたつのが、学校教育です。すんごいパワーです。
つまり教育の質によって、みなさんの直面する課題を解決できるのか・できないのかが決まります。課題を解決し、だれもが安心して、幸せに暮らすためには、教育の質が大切です。だから、どの人にとっても学校は切っても切れないのです。
結論から申します。
京丹後市が取り組んでいる「丹後学」をパワーアップさせることが、まちおこしの鍵になります。
1つずつ説明します。
1.解決しようとすること
だれかが解決しようと動き出さなければ、絶対に解決しません。
学校が、子どもたちの「解決しよう」という意欲をかきたてるような場でありたいと思うのです。
子どもたちは地域に出て学ぶとき、まちの人のリアルな姿を目の当たりにして、「やってみたい」や「どうすればいいだろう」と感じるでしょう。そんな主体的な気持ちを引き出すのは、直接体験だからこそです。この経験は子どもの学びにつながるだけでなく、地域の魅力を伝えることにもつながります。みなさんと一緒に学んだ経験は子どもの心に深く刻まれます。将来のキャリアの選択に大きな影響を与えるでしょう。
「地域の人に教えてもらったり、支えてもらったりしたことで、京丹後が大好きになりました。私は京丹後の人たちの役に立ちたいと思ったんです。」これは、実際に京丹後の学校で探求学習を経験した人の言葉です。
2.解決しようとする人の数を増やすこと
まちに起こる課題は、ひとりでは解決できません。多くの人が解決しようと動き出さなければ、絶対に解決しません。
学校外の活動では、すでに意欲のある家庭の意欲のある子どもが力をつけていきます。しかし、家庭によって経験の格差は広がっていきます。京丹後市立の全小中学校で行うことで、すべての子どもが充実した丹後学を経験することになります。
地域課題を解決するためのプレイヤーが激増します。
3.解決するためのスキルを持つこと
解決しようと集まった人たちの中から、その課題にふさわしい解決策を実施することができれば、事態は好転していきます。
課題解決の力は、一朝一夕で身につけられるものではありません。小学校段階から成長に合わせて経験していくことで、京丹後の子どもたちは高い課題解決能力を身につけることができます。この力を土台にして、まちが直面するあらゆる課題を解決していくのです。
効果をあげるためには
いまの学校現場は、絶え間ない業務に追われています。子どもと向き合うために時間を作ったり、授業の準備に力を注いだりすれば、勤務時間内に業務を終えることができません。その場合、残業代はいっさいありません。法律によってサービス残業のように扱われます。
教職員は、過労死ラインを越えて働く人が、他業種に比べて抜群に多いと言われています。それでも、まだまだ「〇〇教育をしましょう!」という提言が出され、業務が増えていきます。いわばパンクしている状態の学校現場にさらに空気を入れていく状態です。このままでは、教育の質は高められません。そんな状態は学校のあるべき姿ではないと感じます。
目指すべき学校像
では、どんな学校を目指すのか。私は、より多くの人と子どもが関わる学校を提案します。
今の学校の仕組みは、一斉教授というやり方です。先生の問いに子どもがこたえていくスタイルがスタンダードです。
この方法のメリットは、一人の教師によって多くの相手に物事を伝えやすい点です。つまり、コストを抑えられます。
デメリットは、教師が集団を管理することを前提としているので、学習者が受け身になりやすいことと、自分のペースで学びにくいことです。
一斉授業
メリット:1度に多くの相手に物事を伝えられる
デメリット:学習者が受け身になりがち
一方で、いま必要とされている教育は、「どのように学ぶか」という学習の過程を重視したスタイルです。探究学習といいます。ざっくりいうと、教わったことを「自分なりに」活用してみたらできるようになった、という学習です。「自分なりに」というように、学習者がどのように学ぶかが大切です。
この方法のメリットは、学習者の主体性を生かすことができる点にあります。いまの時代を生き抜くためには、つまり、ロボットやAIにできない力を身につけていくためには、「自分ならどうするか」という視点が重要です。その練習をするのが教育であるなら、学校でもそのように学ぶ必要があるでしょう。
デメリットは、ひとりひとりの学習の進度に差があるということです。ひとりひとりの学習をサポートする教師にとっては、かなりの負担です。仮に30人の子どもを一人の教師が指導するなら、30通りの答えを用意し、30通りの学び方の支援をしなければなりません。
学校はすでにパンク状態です。そこにさらに時間をかけた指導をするのは、不可能というべきです。
探求学習
メリット:学習者の主体性を活かせる
デメリット:1人ひとりへのサポートが必要で人手が要る
「丹後学」という選択肢
そこで、私は提案します。
この探究学習を専門的に指導する教員を各小中学校に配置することで、学校教育の質の向上をサポートします。
京丹後市においては、先進的な独自の取組として、「丹後学」を行っています。丹後学には、子どもたちが地域の課題を知り、ふるさと丹後へ愛着を持てるチャンスにしようという目的があります。丹後のことを一方的に教えるのではなく、地域の人と一緒に考えていく学習です。
今でも、クラスによっては丹後学として、農家さんや、商店さん、ものづくり屋さんなどと学校が連携をとって、子どもの学びの機会をつくっています。
この取組を安定させ、定着させたいのです!!
現状は、担任が地域の人と連絡をとり、打合せをして子どもたちの学びをスタートさせています。これは重要な業務ですが、「働き方改革」の波にのまれると、おぼれてしまいそうになります。そこで、すべての学校、すべてのクラスの子どもが丹後学を中心にした探求学習を経験できるようにするのが、私の提案する探究学習の専門教員です。
「丹後学専科」と名付けます。丹後学専科は、地域の課題の解決に取り組んでいるみなさんと学校をつなげます。特別な人でなく、地域で暮らすみなさんです。また、子どもたちの課題解決学習を支援します。そうすることによって、先にいった3つが良くなります。
京丹後だからこそ
この提案は、京丹後だからこそ実現可能だと感じています。その理由は、 子どもに関心を持ち、子どもの未来を考えている人がたくさんいるからです。
また、京丹後には課題を解決するために尽力している大人がたくさんいることです。人口減少に伴う産業の停滞や、福祉サービスの低下に対して、解決を目指して行動している方がたくさんおられます。
これは本当に京丹後が培ってきた力だと感じます。
私の提案を実現するためには、教育予算が今よりも増えます。そのために全国的にみても実現できている地域は多くありません。このままでは、学校のパンク状態は悪化し、社会は苦しくなるでしょう。でも、いま動き出せば確実に良くなります。京丹後のまちの人のあたたかさと子どもを大切にする思い、そして地域課題の解決に尽力してきた方々の力があれば実現できます。
子どもたちと一緒にみなさんの「やってみたい」という気持ちを実現させていく、そんなまちになればとってもわくわくしませんか?
教育によってまちおこしの一歩目を踏み出すことができます。私は、丹後学の専科教員を各小中学校に配置することで、京丹後のまちおこしの第一歩になると信じています。
「教育によるまちおこし」を実現することで、京丹後が教育のモデルケースとなります。それに伴って、「教育のまち」「やってみたいことを実現できるまち」として移住者も増えてくるでしょう。わくわくします。
これが、鳴海まさのりによる、京丹後を盛り上げるための提案です。
ひとりではできないことなんです。どうかみなさまのご意見をお聞かせください。
テルミーなるみー!意見ください!鳴海まさのりでした。
長い文章をここまで読んでくださりありがとうございます!
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