5/10雑記 ~#ELLEGARDENと私~

そんなハッシュタグが生まれたりして、思い思いに重い想いが語られるのかと思いきや、誰もそんなことしてないね、うん。

ELLEGARDEN復活のニュースが世を駆け巡り、青春を撃ち抜かれた者たちがにわかに色めき立っている今日この頃、ELLEGARDENに触れてこなかった方々はいかがお過ごしでしょうか。

ハイスタの新譜のときとかは自分もそんな感じだったので、ああ、こういう感動にぶち当たってしまう時がいよいよやってきたか、という思いもなくはない。

それだけ青春は遠くになりにけり、ということで。

だからまあ、こういう時くらいは素直にELLEGARDENの話をしよう。

思い入れの度合いではどうにも敵わないから、素直に事実を振り返ってみよう。

中学生のときに音楽を聴く楽しみを教えてくれた友人がいて、その友人とは別の高校に進んだことで、ようやく自分の好みの音楽を手探りだしていくのだけれど、そうして出会ったものの一つがELLEGARDENだった。

ご多分にもれずBUMP少年だった私が、『ユグドラシル』の情報を求めて「JAPAN」を買い始めたのもおそらくその辺りで、たぶんそうしたレールが影響してるとは思うのだけれど、やはり直接的なきっかけは曖昧だ。

通学途中にTSUTAYAがあり、そこの試聴機にも随分とお世話になった。だから、そこそこ環境には恵まれていたのだ。

高校の友人とは音楽がきっかけで仲良くなることが多かった。入学祝いとして父にギターを買ってもらったこともあって(そのギターは後に父の許へと帰ってゆくことになるのだが)、楽器仲間が欲しかったのだ。

『RIOT ON THE GRILL』に頭をぶん殴られていた私は、挨拶代わりにその話を切り出し、相手が知らないとわかるや否やCDを押し付けた。そして、ほぼ100%の確率で、興奮した声とともにそのCDが返ってくるのだった。

数多の手を経るにつれ、いつの間にかCDケースは随分とひび割れてしまっていて、それと引き換えにして、いろいろな繋がりができた。なんというか、それが正しい状態とは言えないけれど、どこかヒビが似合うジャケットなんだよ、あれ。

アルバムを聴くという行為が、今よりも遥かに高い純度を誇っていたあの頃、当然のように全曲を分け隔てなく全身に染みわたらせていた。

旧譜を少しずつ遡って買い集めるのも苦にならなかった頃だ。

洋楽に触れてこなかったこともあって、英詞で歌われているニュアンスを日本語訳で読む、という体験も新鮮で、言い回しが楽しかった覚えがある。

英語の授業で先生相手に自由にスピーチをする機会があって、クソザコイングリッシュに織り交ぜて「We are always compromised」なんて言ってやったものだよ、なかなかに。

そうして、やがてコピーバンドを組むことになった。椅子取りゲームの果てにベースを手に取ることになり、ギターは晴れて父の手に収まった。

軽音部に属していたわけでもなく、本番と呼べるような舞台に立つ機会はなかったけれど、スタジオに入るという行為自体にメンバー全員が浮かれていたのを覚えている。

結果として碌な活動という活動をしなかったけれど、僅かな積み重ねの果てに実現した数少ないコピー曲の一つが『Red Hot』だった。イントロを聴くと、スタジオで各々が準備をしているあの感じが重なって、ノスタルジーの質量がとんでもないことになる。

そうした経験を経て、大学軽音サークル編に突入していくことになるのだが、それはまた別の話。結果としてピック弾きは苦手になった。なんでだよ。


冷静に語って見せたけど、懐古の情に流されるままに久方ぶりに再生した『Red Hot』の静かに甘い声からの爆発で死んだわ。

実感は遅れてやってくるものだね。

ライブ、行きたいなぁ。

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